- 名前
- 鬼六
- 性別
- ♂
- 年齢
- 59歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 本を読んで、初めて泣いたのは「フランダースの犬」、初めて反感を持ったのは「走れメロス...
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悪い女と知りながら、女に溺れてゆく。
2006年01月08日 15:19
古今東西女に溺れ破滅する例は枚挙に暇がないといいながら
しかしながら人間の歴史上、
そして疑似体験をさせてくれる小説の世界でも
そして自分の身の上にも振り返ってみれば確かにありました。
中学時代、谷崎文学に触れ「痴人の愛」でナオミの存在を知ったわけなのですが。
人から「君子」と呼ばれるほど品行方性な主人公譲治はカフェの女給をしていた美少女ナオミに取り憑かれ彼女を自分の元に引き取り理想的な女性に教育しようとする。だが彼女の魅力に翻弄され、不貞をはたらかれたりしながらどんどん彼女の魅力の虜になり破滅の道を歩んでゆく
(覚えていることを再現しましたが、思い違いはご容赦ください)
残念ながら読んだ当時私には譲治の感覚・気持ちが解らず、腹が立ち、
ふがいなくなってしまい、最後まで読めなかったことを覚えています。
しかしながら、この谷崎さんは3度?も結婚しているし
佐藤春夫との間に有名な「小田原事件」も起こしているわけです。
佐藤春夫とは仲が良かったのですが、そのうち佐藤さんの奥さんの千代さんとも仲良くなってしまった谷崎さんは奥さんを自分の正式な妻としてしまうのでした。
時代的に見てもこの事件の当事者の一人である千代さんがこのモデルなのでしょうか?
(ちなみに、あんなに情熱的だった感情も数年間で冷め、離婚しています。)
とてもとても15歳の若造にはわからない感覚だったわけです。
浪人時代、サマーセット・モームの「人間の絆」でミルドレッドを知りました。
(この小説、五木寛之の「青春の門」のようなイメージで幼年時代から始まり、
そしてこの部分は主人公フィリップ・ケアリが二十歳代に悩んだ煩悩です)
画家の夢を断念しロンドンの医学校に通っていたフィリップは喫茶店のウェイトレス、ミルドレッドに夢中になるが、彼女は浮気者で男出入りが絶えず、他の相手と一緒になるからと、彼の求婚を退け、挙句の果て、男に振られ妊娠した彼女が彼の前に再び現われる……。
「痴人の愛」を読んだのち、かなり深刻な片思いを経験したこともあり
少しはこの感情の何なるかは知ったつもりであったのですが、
何故こうも悪い女に溺れてゆくのか、やはり解りませんでした。
そうこうする内に、私もこの感情がわかる女性に知り合ってしまったのでした。
その話は、この次にでも。
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