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逆ナンで辛かった思い出

2023年10月18日 14:42

まだ40歳だった頃。
当時8年同棲していた彼女と別れてフリーになった私は行きつけのダーツバーカウンターでボッチ飲みしておりました。
10人程の男女グループダーツやらカラオケで楽しんでおりまして。
私もスタッフさんとカラオケダーツをしておりますと、カウンターグループから抜け出してひとりの綺麗なお嬢さんが来ました。

私の隣りに座り話しかけてきて、
「よく来られるんですか?」
「え?はい、週3くらい」
「歌上手ですね」
「あ、ありがとうございます。声気持ち悪くないですか?」
全然大丈夫!素敵でした
彼女はその日、大変なイベントがあり、打ち上げで店に来たとの事。年齢は27歳。
と、グループの男性に呼ばれ戻って行く彼女

しばらくしてグループの皆さんは会計をし、帰るご様子。

すると先程の彼女
「また逢えますか?」と紙のコースターを渡し帰って行きました。
それには電話番号と「空電下さいね」と。
一応空電をして、しばらく飲んでからその店を出ました。

その3日後の深夜。
携帯が鳴り、見るとその彼女からでした。

「近くに居ます」
「へ?どこですか?」
家は教えておらず、住んでいる地区と近くにある施設を簡単に話しただけ、
「何か目印になる物ありますか?コンビニとか、ファミレスとか?」
「わかんない」
少し酔っている感じでしょうか。
タクシーに乗って教えて貰ったガソリンスタンドの前で降りたの…」
時計は4時を回っている。
スタンドの近辺は何も無い。
「すぐ行くから動かないで!出来るだけ明るい所で待ってて!」
スタンドまで走れば20分位。
急いで家を出る。

居た!良かった。彼女は路肩に座っていた。
着物姿だ。

彼女は満面の笑みで手を振り、
「また逢えたね。お家行くの。」
何て無茶を…
「急に来ても、散らかってるしさっきまで寝てたし」
「いーの!会いたかったから来たのっ!気持ちが大事でしょ?行くの!」

彼女は家に着くとベッドに倒れ込み寝てしまった。高そうな着物が皺になりそうで着替えてもらおうとスウェット上下を持って行くが起きない。
仕方なく床に寝た私。

翌朝、眠ったままの彼女メモと鍵を置き仕事に行く。

仕事を終え帰ると彼女はおらず、部屋は見違える程綺麗に。溜まっていた洗濯物もベランダに干されていた。

その晩、また携帯が鳴る。
「また来たよ。今、下に居るの。オートロックで入れないの。部屋の番号わかんない。」
私が居なかったらどうするつもりだったのか…

部屋に入ると抱き着いて来られそのままキスをされ夜に溶け込んで行く。

それから彼女は毎日家に来る様になった。
高級クラブでチーママをしているという彼女は気配り、気遣いは完璧だが現場を離れると天真爛漫な少女の様だった。

半年が経とうとしていた。
彼女はベッドで話始めた。

「あの日ね、結納だったの。」

彼女がまだ新人だった頃からよくしてくれていた青年実業家の彼は彼女を引退させ、一生傍にいて欲しいと願った。何度も何度も諦めずに。
優しくて財力も申し分無い上にイケメンだった彼の熱意に彼女は承諾し、あの日結納の儀を終えた。

「ごめんなさい…。本当に好き!大好きです。あなたと一緒になりたかった。ごめんなさい。」
夜中に鳴る彼女の携帯、メール。
誰かが居るとは思っていた。

「良いじゃん!良かったよ。このまま本気にならないうちに言ってくれて!夢の様な日々だったもんな。こんなおじさんを相手にしてくれてありがとうね。結婚式には呼ばないでね。幸せになるんだぞ!絶対に!」
彼女の顔はクチャクチャだ。

「よし!今日でお終いっ!君は君の人生を!俺は俺の人生を!しばらくカノジョも居なくて寂しいところのはずが君のおかげで楽しかった!本当にありがとう。」

「やだ!やだやだやだやだやだやだ!」
泣きじゃくる。

プロポーズする前で良かった。
年甲斐も無く本気になって…

しばらく引き出しの指輪に出番は無さそうだな。

その後、彼女はできず(⑉・̆-・̆⑉)

駄文長文大変失礼致しました。

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