今日の花園神社、あなたへの思い・・・

新宿は花神社。
今日明日は一の酉で屋台が並び、とても賑わっておりました。
遠回りになるけど、久しぶりにその人いきれと喧騒を味わながら中を通り過ぎ、
ちょっとだけ、昔のことを思い出しました。

芝居小屋が出るんですよね。
・・・２０代の頃に５００円を払って観たのは「蛇女の恐怖」
よく覚えているんです。

小さな舞台には引幕が下がっているのですが、
下手（左側）、真ん中、上手（右側）に、５０～６０ｃｍの隙間があるんです。

「さあさあ、みなさん！　蛇女がいることをご存じでしょうか！
いるんです！本当に！　さあ、今、皆さんの前に、その姿をお見せいたしましょう！」

舞台の上手（右端）の幕が途切れた所に、張りぼてで作った蛇のしっぽが幕から出ている。
舞台の真ん中、幕と幕の間の隙間に、張りぼてで作った大蛇の胴体が見える・・・
「おおー、蛇女が、今、この幕の向こうで、みなさんとの出会いを待っております！」

そして、あらわれる蛇女！

舞台の下手（左側）の幕から、ひょっこり顔を出す、それが蛇女！
口元は口裂け女のように、赤い口紅で大きく描かれ、
目元は緑色の鱗のゆうな模様でおおわれている。
（５０代か６０代か。もう何年もやっているんだろうな・・・）

怖いのか、こっけいなのか・・喜劇なのか・・・

「さあ、さあ、みなさん！　今まさに、蛇女が、みなさんを見つめております！
だけど、だけど、ああ、蛇女は、恥ずかしがり屋さん！
これ以上、みなさんに、その姿を見せたくはないのです！」

観ている方は全てわかっていて、
やっている方も全てわかっているのだけれど、
それでも、
蛇女が顔を出したその瞬間には、歓声が一斉にあがる！

みんな、オオーと声をあげる。
そして、拍手があがる！


こういうのって、とても幸せで楽しい。

街を歩いていて、肩が触れた触れないのだとか、
電車の中で、足を踏んだとか踏まないとか、
会社で、それは絶対こうだと言い張っていたり、
それは嘘だとか、それは本当だとか、
あなたは本当は私を好きじゃあなかったんでしょう！とか言って
男を問い詰めたり、
相手を責めたりけなしたり、
自分はとても正解なんどとか言いはったり・・・
自分の正当性ばかり主張したり、
自分の欲望を満たすことだけに一生懸命になったり、

でも、この舞台には
そういうのがなんにもない。
嘘で作る嘘のお芝居・・・それを、みんなで笑い、楽しんでいる。

こういう心の余裕というのが、最近は少なくなったような気がします。
みなさんはどうですか？


この酉の市は商売繁盛の祈願祭だそうです。
今月は、あと、
17日（金）18日（土）
29日（水）30日（木）とあるそうです。
屋台は昼間から出ているんですよ。

ちょっと日常を離れて（というのは、このサイトのことかもしれませんが）
お祭りのような人いきれの中で、わいわいがやがやと過ごすのも
また楽しいかもしれません。

焼き鳥屋さんみたいな出店でビールを飲んでいる人たちがいて、
そのテーブルに座れば、すぐにお友達になれそうです。
でも、私にはそういう勇気がない。

だれか、
恋人のように、
好きだ愛していると言いながら、
そして、からだを触れ合ってじゃれあいながら、
非日常の楽しさを味わえる人、
・・・そして蛇女の恐怖を見て、
「うっそー、ばっかみたい！」でなく
ばっかみたいを通り過ぎて、
ひたすら笑って、その嘘と一生懸命に共感できる、
そういう人・・・

一緒に平日の三の酉にでも行きましょうか。

（写真はお面屋さん。屋台にはつきものですね。）
ウルトラマンになって、ジュワッキ！と口にして
ステキな貴女の前に舞い降りたい・・・なーんてね。
そうしたら、ステキな貴女は言うんだ、きっと。
「三分でダメになっちゃうんでしょう。そんなの、いやよ」って真顔で。

俺は言う
「そ、それは、ち、ちきゅうだからさ」
「う、宇宙にいれば、１時間でも２時間でも、いいや永遠に大丈夫さ」
「なにが？」
「なにがって・・・」
「ばっかみたい！　本当のあなたは強いんだから、大丈夫。わたし、知ってるもん」
「おおおー、そうだよな」
「あなたはアンパンマンにして。わたしは、ドキンちゃんにするから。
これかぶって、今日は朝まで、お願いね」