アルツハイマー

母は今年喜寿を迎える　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

一回り歳の離れた弟夫婦と暮らしている　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

最近医者から中度の認知症と診断された　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

仕事にかまけて母と会ってなかったので　　　　

お彼岸にことかけて会いに行ってきた　

自分の記憶が２～３歳の頃からなので　

その前後の事を母から聞こうと思い　

話始めた　

東京の荒川区辺りで産まれたらしい　

その辺りに住んでいたらしい　

其処がどんな感じの場所だったのかは　

母の話と自分の記憶は一致していた　

その頃まだ弟は産まれてなかったよね　

と弟の名前を出したら　

今一緒に暮らしている弟の名前が　

母には思い出せなかった　

ちょっとショックだった　

一番身近にいて　

一番可愛がっていた子供の名前を　　

一瞬でも思い出せなくなるなんて・・　



でもね

何時かこの世から

去る時に

愛する者に

未練を持たないように

神様が配慮してくれているのかなと

思えばいいのかな



母のことはそう思うけど

自分が子供達のことを

記憶から消し去られるとしたら

愛する者・物たちを　

無かった事にしてしまうなら

少し悲しいなぁ・・・



自分は今

密やかに去りたいと思う

出来ればなんびとにも知られずに

誰にも喜びを授けられなかったように

誰にも悲しみを与えたくは無い・・・




でもね

でもね

母さんには

いつまでも

覚えていて欲しいって

想ったのさ・・・・