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ハメロフ

2015年10月30日 14:31

ハメロフ

私たちの脳の神経細胞は、他の神経細胞軸索樹状突起と呼ばれる回線でつながり、脳の回路を構成しています。この軸索内には「微小管」と呼ばれる細長い管の束が存在します。この微小管の束は、軸索を支える骨格的な役割を果たしていると思われています。この微小管は「チューブリン」と呼ばれるタンパク質で作られています。麻酔ガスの分子は、このチューブリンの分子構造の隙間にはまり込む事がわかっています。アリゾナ大学の麻酔学者スチュワート・ハメロフ教授は、このチューブリンの隙間に麻酔薬の分子がはまることで、一つの電子の動きを阻害することを発見しました。チューブリンは“開く”“閉じる”という二つの状態を交互に変化させています。そのどちらかになるのかは、先ほど述べた一つの電子の位置で決定されます。量子力学においては、一つの電子が二つの違う位置に、同時に確率的に存在するという重ね合わせの状態を作れることがわかっています。もしそうであるならば、一つの電子の位置で開いた状態と閉じた状態が変化するチューブリンも、量子力学的効果により「開いてもおり、閉じてもいる、重ね合わせの状態」を作れることになります。もし、麻酔ガスが一つの電子の動きを阻害することで意識が喪失するのだとしたら、電子の動きが阻害され、その電子の位置が決定される・・・すなわち電子がどちらでもある状態でなくなったときに意識が消失してしまうという仮説が成り立ちます。そこで、ハメロフ教授、および世界的な数学者ロジャーペンローズは「チューブリンが、量子力学的な重ね合わせの状態にある状態から、開く閉じるのどちらかである状態に崩壊する過程が、意識を生む働きと関係がある」と考えました。これが「ペンローズ・ハメロフ・モデル」という仮説です。この仮説にはまだ広くは認められていません。むしろ異論の方が多いのが現状です。しかし、私の中の直感は、このペンローズ・ハメロフ・モデルが、意識というものに対する真理への道標ではないかと囁いています。とはいえ、もちろん私の直感が正しいとは限りません。私がそれが真実であると考えたがっているのは、意識と量子力学という、二つの“科学の深奥”が、互いに深く関わっているかもしれないという構造に、美しい魅力を感じているだけだからかもしれません。確信をもっていえることは「私には意識がある」ということです。そしてもう一つ、「科学は意識のすべてを解明できるか…という問いに確信を持って答えることができない」ということです。残念ながらそれが現状です。

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