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『クソ!!ゴムめ!!』2

2013年11月14日 18:17

コン●ーム「世界に出ていくというのはつまりは生命としく狂うことなんだ!いまや精子卵子として生まれそのまま死に絶えることこそ幸福なんだよ!」

ペ●ス「コン●ームよ」

コン●ーム「ふ、どうした?世界の真実に言葉もでないか?」

ペ●ス「本当にお前はそう思うのか?」

コン●ーム「当たり前だ!こんな腐りきった世界に生まれたら俺なら親を恨む!世界はもう腐敗しているんだ!手遅れなんだよ!!」

ペ●ス「俺は、たとえ世界がそんな無茶苦茶な世界でも、生きたい」

コン●ーム「な、なんだと・・・」

ペ●ス「なあ、コン●ーム。命ってそういうものなのか?世界が腐っているとか馬鹿だからとか。そういった理由で誕生したりしなかったりするものなのか?」

コン●ーム「き、貴様、何が言いたい・・・」

ペ●ス「お前の言う通り世界は愚かで醜くて救いようのない腐ったものなんだろうな」

コン●ーム「・・・」

ペ●ス「だがな、コン●ーム。たとえどんな過酷で絶望しかない世界でも歩んでいく、歩み続けるもの・・・それが『命』なんじゃないのか?」

コン●ーム「!!」

ペ●ス「命は強い。生きるためなら手段なんて選ばない。当たり前だ。それが生きることだ。弱きを殺し血肉を食らう・・・それが世界の掟だ。今に始まったことじゃない」

コン●ーム「ペ、ペ●ス・・・」

ペ●ス「コン●ームよ、世界知らずで純粋なのは貴様のほうだ。世界の矛盾、生きることの愚かさ、自ら死を選ぶこと・・・そんな無様でもろい存在こそが命なんだ」

コン●ーム「ふ、ふざけるな!貴様がいくら綺麗事を並びたてようといつか新しい命は貴様を恨むぞ!!!」

ペ●ス「恨むがいいさ。絶望と苦しみしかない命でも。俺はそんな命さえ愛おしいと感じる。生きてさえいれば命は愛おしいものだ」

コン●ーム「貴様!この偽善者が!!」

ペ●ス「コン●ームよ、もうやめるのだ。我々の行手を阻むのは。お前の考えはわかった。俺はそれが間違っているとも思わない。だがな、この精子を見ろ」

コン●ーム「精子だと?」

精子「生まれたいよ!」

精子「生きてみたいよ!」

コン●ーム「ば、馬鹿な!こいつらさっきの話を聞いていなかったのか!?」

ペ●ス「聞いていたさ・・・だがな、お前が一番良くわかっているだろう?命とは生きることに愚かなんだよ」

コン●ーム「!?」

ペ●ス「生きたい。ただそれだけだ。腐ろうがどうなろうがその願望だけは変わらない。いつまでも、な」

コン●ーム「だ、黙れ!精子ども!俺の話を聞いていなかったのか!生きることなんてな、絶望苦痛しかないんだ!
そりゃあな、金持ちに生まれたらいい人生を過ごせるかもしれん!だがな、それ以外はろくな人生過ごせないんだ!負け犬として働かされる人生なんだよ!
わずかな安らぎ、快楽のために社会とやらの歯車にされ死ぬまで働くんだ!しかもその歯車を産むためにな!生かさず殺さずだ!そんな一生をなぜ望む!!」

コン●ーム「重い病気を持って生まれるかもしれん!親が愛してくれなくて心を壊されるかもしれん!容姿が理由で嫌われたり虐められたりするぞ!
金や安定を求めて卑劣極まりない争いをしなきゃ生きていけない世界なんだ!
なのになぜ!なぜ生きたい!生まれようとする!?」

卵子「コン●ームよ、もういいのです」

コン●ーム「卵子!いや、卵子様!」

卵子「私は間違っていました。たとえ希望もなく苦痛だらけの人生でも歩む価値がある。いえ、歩んでみたい」

コン●ーム「!?」

ペ●ス「卵子・・・」

卵子「さあ、命の種達よ、争いなさい、殺しあいなさい、私はたった一つ。最も強欲で他者を出し抜いた一匹と契りを交わしましょう」

精子「わーわー!死ねえ!死ねえ!」

精子「ぶっ殺す!ぶっ殺す!」

コン●ーム「な、なんだよ、なんなんだよ、これは・・・」

ペ●ス「コン●ームよ、これが命だ。生きるということだ。狂っている、醜い、愚かだ」

卵子「ふふふ、美しい。たった一つの私のために大勢が品や理性を失い殺し合う・・・これこそ命の輝き、美しさよ」

精子「ヒャハハヒハヒハ、死ねぃ!俺が、俺さえ生まれればいいのだ!」

精子「グハハヒハハハ、痛いかぁ?痛いのかあ?死ね!俺だけが生きるんだ!兄弟だろうがなんだろうが邪魔はさせん!死ね!俺のために死ね!!」

コン●ーム「だ、だめだ!理解できん!俺の、俺は!?」

ペ●ス「貴様生物ではないからな。命なきものに命は理解できん」

コン●ーム「う、うわあああああああああああああああああああ!!!」

コン●ームは発狂した。

命の重みに耐えられなかったのだ。

精子「へ、へへ、俺がチャンピオンだ・・・他の精子は皆殺しにした、ありとあらゆる手を使ってな!」

卵子「なんて素晴らしい!あなたのような精子ならきっと生まれてからも他者を出し抜き支配できますわ。さあ、受精しましょう」

精子「ふ、ふふ、どんな混沌の世界でも弱者を踏み付け富を手に入れてやる!!」

ペ●ス「やったか・・・ふ、だが、第二第三の精子を射出せねばな。欲はなくなることはない。さらに残酷で強力な精子を発射してやる!!」

赤ん坊「オギャー」

母親「まあ、なんてかわいい。この子には優しい子に育ってほしいわ。他人の痛みがわかる優しい子に」

父親「そうだね、僕達のようにね」

赤ん坊(他人の痛みを知って出し抜き、金持ちになって世の中を自分の思う通りに生きてやる!
痛みとは他人に言うことを聞かせるためにあるんだ!他人の気持ちを他人を自分の思い通りに動かすためにあるんだ!
たった一度の人生悔いなく生きてやるよ!何億という死んでいった兄弟達に代わってな!!
ヒャハハハハ!
ヒャーッハハハハ!




ヒャハハハハハハハハハハハハハハ!!!)


fin

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