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『しずり雪(安住洋子)』 2009年11月08日
2009年11月08日 18:12
『しずり雪(安住洋子)』の「しずり雪」は、安住洋子が長塚節文学賞短編部門の大賞受賞作品である。
市井の人々を描いたものだ。
しずり=垂り とは、「木の枝などから雪の落ちること。また、その雪。しずれ。(季:冬)。為忠百首「嵐にたえぬしずりひまなし」(広辞苑)
この短編に、しずり雪は、こうある。最後のシーンだ、
井戸端の椿の枝に積もった雪が、細くこぼれ落ちていく。花のまま地面に落ちた椿が半ば雪に埋れていた。
(中略)
一人で死んでいったのか、作次・・・・・。
(中略)
雪の重みでしなっていた椿の枝が身震いするように跳ね上がり、雪が舞った。
孝太の頬に雪がかかる。
その冷たさに、昨夜、雪の中で凍えていく作次を感じた。手を伸ばし、枝の雪を掴む。握ると冷たさが掌に切れ込んでくる。
そのまま雪の中に膝をつき、雪を掴んでは握りしめていた。その冷たさは骨までしみ入ってくる。
(中略)
顔を上げると、枝から絶え間なく雪がこぼれ落ちていた。
やや、ありきたりの表現だと思うが、この雪の美しさが伝わってくることに違いは無い
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