- 名前
- キョウコ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 北海道
- 自己紹介
- 音楽大好きなキョウコでした。 前の彼氏と別れてから寂しい毎日。意地悪な人が好きで、言...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
覚書7
2006年03月09日 22:41
彼の家に行って、インターフォンを鳴らしても彼は出なかった。ノブを捻れば鍵は開いてて、とりあえず部屋に入った。
彼はベッドのすぐ脇の床に座って、ビールと煙草を持ってた。明らかに荒んだ表情で、あたしが入っていっても表情一つ変えなかった。一瞬視線をくれただけ。こんな態度は初めてだった。
恐る恐る隣に座ってみた。「大丈夫?」って言ったら、ただ無言で睨まれた。それも当然だったと思う、状況からいったら。
「疲れた顔してる」って言った。怖かったけど彼の肩に触れた。そしたら振り払われた。「今踏み込んでくるな」って、手の力とは逆に、すごく弱い声で。
でもその時のあたしは、今じゃなきゃ彼の心に届かないって、そう思ってた。
だから無理矢理手を伸ばした。
支えになりたかった、彼の苦しみをちょっとでも和らげたかった。
でも、それはあたしの奢りだった。彼は泣きそうになって、「もううんざり。好きにさせろ」って部屋を出て行った。どこ行くのかわかんなくてあたしが止めたら、シャワーを浴びる、って。
多分、風呂場で泣いてたんだと思う。出てきた後、目が赤かった。
戻ってきた彼はこっちを見てくれなかった。やっぱり駄目なんだ、って思った瞬間、あたしは無理矢理彼にキスしてた。
鳩尾を蹴られた。口に指を突っ込まれて声も出なかった。その指を噛んだら、あたしの上から彼が退いて、部屋から出て行った。
その後、メールが届いた。
「俺のいない間にさっさと帰って」
結局あたしは、彼の気持ちを引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、何もできなかったんだなと思ったら涙が出た。
その時、彼のレポート用紙をちぎって、手紙を書いて帰った。これを読まなくても、読んでも、彼の気持ち次第だと思いながら。
このウラログへのコメント
コメントを書く