つらい。

「ごーさん、、、、　進　　死んでもうた」

朝一の電話がこれだった。

事故死だ。



進の兄の務ｸﾝに　ＣＢ４００ＳＦを以前に納車をした際、

まだ中学生だった進君は、４００ｃｃのオートバイを羨望の眼差しで見つめ、

跨る兄を誇らしげにしていたのを覚えている。



時は流れて進君も高校生になり、

「ごーさん、　俺も兄貴と同じでＣＢが欲しいんです。」




そしてワインレッドのＣＢを届けた。

四方からグルグルと自分の愛機を眺める。

「エンジンかけろよ。　君のバイクやで？」

彼は宝物に触れるように丁寧に跨り、

おそるおそるセルスターターを押し込む。

股の間で四気筒のエンジンが目覚める。

満面の笑みを浮かべながら彼は言ったよ。

「ホンマ、ありがとうございます！！！！！」




まだ１回も車検通してないのにね。

「付いていけるようになったら、ツーリング連れてってくださいね！」　ってね。

まだ１８やのに。。。。