女性の褒め方

　基本は「本人がイイと思っている場所を褒めること」だと聞きます。でも言われてみると、案外難しいような気がするんですよね。

　同性でも「眉書くの大変だよー」とか「胸がなくて貧相に見える」とかの話はするんですが、「自分の体の好きな場所」ってあえて言う人はあんまりいないのです。長く付き合ってると、つまり「愚痴の出ない場所」は嫌いじゃないんだろうな……って分かる程度。
　たとえば胸が大きいっていうのは分かりやすい「美点」のように見えて、本人は肩凝りがつらかったり、そこばっかり褒められて「胸のデカさ以外に美点ないんかい」とやさぐれていたり、下手すると詰め物だったりorz　最後のは踏んではいけない地雷というヤツです……。
　化粧にしてもそうで、「自分の目が好きだから強調する」という人、「自分の目が嫌いだから化粧で誤魔化す」という人の二通りがあります。お泊りしたりしてすっぴんを見せ合うような仲ならいいんだけど、それほど親しくもない場合は褒めていいのかどうか迷う迷う。結局無難に、「いつも目のメイクに力入れてんねー」という褒め方に落ち着いてしまいます。

　学校にものすごくモテる男の子がいたんだけど、彼はちょっと話しただけですぐに相手を褒める人でした。しかも的確に、相手が喜ぶ場所を言い当てて褒めるのです。かく言う私も、「自分が密かにイイと思ってるもの」を言い当てられてちょっとビックリした経験持ち。
　私は昔から無地の服ばかり着ていて、周りには「地味志向なんだな」と思われているようです。本当は「イイと思っているもの」を強調したいがための服装なんだけど、そこを褒めてくれたのは後にも先にも彼一人だけ。
　人並み以上の顔よりファッションより、彼がモテる理由はその観察力にあったんじゃないかと今更思います。

　その観察眼が私にもあれば……

「胸大きくていいなぁ」なんて、パッド詰めのお姉さんに言ってしまうこともなかっただろうな……

　遠い目になりつつ、かつての級友に想いを馳せてみている今日この頃です。