触れて

触れてみて気づかされるのは
やっぱりその人が大好きだって事実だけ

だけれど
私は
その人をとりまく
人間関係も大好きで

だから
その人のことが
大好きな彼女も大好きで

触れてみて
力を入れてみて
柔らかくなでてみて

伝わってくる温度から
やっぱり好きだなって思ってみて

それから
どうにもならない事実に
絶望したりする

仕事のように
使命のように

それは当たり前みたいに
私に向かって降り注いだけれど

それがどれだけ
自分にとって
不利なのかどうかぐらい
理解してたつもりだけど

やさしい言葉を吐きながら

心の奥底にある
汚い感情と言葉を
ただひたすら飲み込んだ

選んで欲しいと

その一言を
求めることすら出来ない私には
これ以上のなにも望めない

抱きしめながら
どうしてこんなに絶望するのかわからなかった

きっと
言わなければ
一生気づかれないのだから

黙っていればいいのだと
もう一度自分に強く言い聞かせる

ただ、ただ
大好きなのだけれど

何一つ壊したくないから
見てるだけが一番幸せだと思った