三方良し

憎まれっ子世に憚るって云いますが、
逆に栄えて欲しいと思ってしまう感心な人や企業も有ります。
VOLVOというスウェーデンの自動車メーカーは、以前は不格好で鈍重な印象の車を造っている会社でした。でもこの会社は、現在の全ての車に採用されている3点式シートベルトを考案した時に、敢えて特許を申請しませんでした。
世界中の人が交通事故の悲劇を避けられるように、他所の自動車メーカーも3点式シートベルトを無償で採用できるよう考えたからです。

龍角散ってご存知のかたも多いと思います。
喉の薬を製造販売してる会社ですね。
この会社のTVコマーシャルって最後に「喉を元気に！いってらっしゃ～い」って言うんですが、一時「いってらっしゃ～い」が省かれて「喉を元気に」で終わってました。
お気付きになられたでしょうか？
一時というのは新型コロナウィルスが蔓延し、政府が不要不急の外出を控えるよう呼びかけ始めた時期です。
人を外へ送り出す言葉「いってらっしゃい」は不適切と考えて省いたんだと思われます。

私はこういう細やかな配慮ができる会社組織の姿勢に感心してしまいます。
同じ時期に正反対のことを行った会社も記憶してますが、ここでは言いません。

近江商人の言葉に「三方良し」ってのがありますが、
商人もお客も良き思いをし、社会にとってもプラスになるという意味らしいです。
こういう人や組織が世に憚り続けて欲しいと思いますし、増えていけば国の未来永劫の繁栄に繋がっていくんじゃないかなと思います。