【お題日記】ヒヤっとした仕事のミス

仕事用のクルマがそろそろ10万キロになるので、フロントのブレーキパットとリアブレーキシューをまとめて交換に来ています。

広いディーラーの商談スペースで2時間近く待つ間にお題日記でも書いてみようかな


今の仕事は住宅のキズ補修なんですけど、始めた頃は新築引き渡し前のチェックで出たキズを直していくという現場がほとんどでした

キズは監督が施主立ち会いのもとチェックして、キズ箇所にはマスキングテープで印を付けるんです

その日はマスキングテープがそこかしこに貼ってあって、数えてみたら160箇所もありました

今では200箇所程度あってもビビらないんですけど、当時は1日に100箇所程度しかできなかったので、160箇所となると、鼻血出して頑張らないと終わらなかったんです

焦って作業を進めると、まぁ、ロクなこと無いんですよね

キズの凹んでいる部分に埋める、周辺と色を合わせた充填剤を調色して作るんですけど、その充填剤は熱を加えると溶けて混ぜられるようになってるんです

80℃で溶けるんですけど、それを溶かす為に、ハンダゴテのようなガスコテと言われる道具を使うんです

ガスコテはガスを注入して、点火スイッチを操作するとコテの中間部分に点火して火が着き、先端を温めて使う仕組みなんです

何色かの充填剤をガスコテで溶かして、混ぜ合わせて調色をして埋める

埋めた充填剤を平らに均して、その上から消えてしまった木目を筆で描いて、上から艶調整のクリアスプレイでコーティングして終了するわけです

一種類の材料にたくさんのキズがあれば、一度にたくさんの充填剤を調色することになるんですが、ガスコテでチマチマやってると、なかなかたくさん作るのは面倒なので、私はミニトーチ（ターボライターの強力版）を使って一度にたくさんの充填剤を溶かす事にしています

埋めた充填剤を平らに均すと、周辺にまで伸びた充填剤を拭き取るために、キッチンペーパーに溶剤を染み込ませで拭き取ります

勘が良い方はお気づきかと思いますが、火器と可燃性の高くなったキッチンペーパーを一つの作業の中で使う訳で、溶剤を含んだキッチンペーパーは本当に火が点きやすいんです

その事はわかってはいたし、普段は気を付けていたんですけど、、、

充填剤を溶かそうとミニトーチに点火したら15センチくらい離れたところにあったキッチンペーパーが「ボンッ」といって火がついたんです

溶剤が揮発してガスとなり、15cm程度の距離を埋めてしまっていたんですね

新築の引き渡し直前に、キズを直しに来た業者が火事を起こしたとなっては、お客様に顔向け出来ませんし、私の仕事も今後できなくなるでしょう

一瞬のうちにそんな事が頭をよぎり、咄嗟にその火の点いたキッチンペーパーを左手で掴み、表に駆け出しました

玄関を飛び出して道路にそのキッチンペーパーを置いて足で踏み消しました

幸い、火が出た箇所は何ともなってなくてホッとしましたが、気が抜けた瞬間、左手が猛烈に痛いんです

そりゃそうですよね

燃え盛るキッチンペーパーを手で持ってたんですから

親指と人差指で挟んで持ってたから、親指の皮膚が焦げていたんです

人差し指は付け根から第二関節くらいまで赤くなってました

とりあえず火事にならなかったから良かったんですけど、手の火傷はまあまあ酷かった

応急処置でクルマに置いてあった冷えピタを巻いて、マスキングテープでグルグル巻きにして、その後も作業を続けました

何とか終わって帰る頃には、親指は大福がくっついてるみたいに水疱ができて、その水疱が人差指に繋がっていこうと広がっている状態でした

水疱ができるって事はまだ筋肉の組織までは熱は伝わらなかったという事なので、表面の皮膚組織さえ治れば問題無いと思いましたが、この水疱が割れたらとてつもなく痛くなると容易に想像できました

次の日も朝から現場があったので、すぐには皮膚科にかかれませんでしたが、早目に仕事を終わらせて夕方に近所の皮膚科に行きました

案の定、水疱になっている皮膚は切り取ってしまった方が早くキレイに治ると言われたので、切り取ってもらいました

皮膚が無くなった部分はかつて観に行った「人体の不思議展」のようで、自分の手なのに気持ち悪かった

10日くらいはその剥き出しの肉の部分に軟膏を塗り、ガーゼで覆ってネットをかけていました

それにしても、補修現場が火事にならなくて良かった

本当にヒヤッとしてアチッってなりました（笑）