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「ある男」レビュー☆

2023年06月17日 01:37

「ある男」レビュー☆

妻夫木聡安藤サクラ主演他。愛したはずの夫は、まったくの別人でした―弁護士の城戸(妻夫木聡)は、依頼者の里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫「大祐」(窪田正孝)の身元調査という奇妙な依頼を受ける。里枝は離婚を経て、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と結婚。新たに生まれてきた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日彼が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。愛したはずの夫は、名前もわからないまったくの別人だったのだ・・・。「大祐」として生きた「ある男」は、いったい誰だったのか。「ある男」の正体を追い、“真実”に近づくにつれて、いつしか城戸の心に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく―。なぜその男は、別人として生きたのか。弁護士・城戸がその真実に辿り着いたとき、必ず涙する。日本映画史に残る「愛」と「過去」をめぐる珠玉の感動ヒューマンミステリー誕生。

8/10点!!「嘘を愛する女」と入り口は同じだけど、中身の濃さが全然違う、色々な人々の人生が交錯していく重厚なミステリーでした。この世に数多ある苦しみの中でも自分のアイデンティティである名前ごと変えてしまいたいという苦しみは別格だと思った。どこへ行っても自分の名前による苦しみが付きまとってくる、追いつかれてしまう、今ある幸せを一瞬で壊してしまうという現実は、何もかもが無意味で全ての気力を奪っていく病巣のよう。でも窪田さんが演じた男性は、人の道を外れることなく、名前を変えてでも真っ当な幸せを掴もうと努力し続けた相当な頑張り屋さんだと思う。そんな彼の最期が、幸せの中に在って本当に良かった。それで人生の大半の苦しみが消えるわけじゃないけれど、人生の中に幸せを感じられる時があるのとないのとでは全然違うから。城戸や大祐が「ある男」に共鳴したように、人に言えない苦しい過去を背負いながら生きている人は、そこら中にいると思う。私もそうだし。言えないわけじゃないけれど、言った瞬間、自分に対する態度が変わってしまうのがわかるから、黙るしかないよねってなる。でも、それはとても苦しい。苦しみや悲しみを大切な人たちと共有できないのはとても孤独で苦しくて怖いこと。早く心から健康的に生きられるようになりたい。柄本一族は同作品で競演していても、毎回それを吹き飛ばすだけの怪演を魅せてくれるから凄い。本当に映画一族なんだなと思う。窪田さんと妻夫木さんも素晴らしかった。彼らの演技力で相当質が上がっていた。上手く言葉に出来ない余韻が凄い・・・。2022年公開。

このデジログへのコメント

  • ザンキンドーナツ 2023年06月17日 05:30

    ユリさんオススメですね、見ますよ!

  • ユリ 2023年06月18日 02:43

    > ザンキンドーナツさん
    日本アカデミー総なめしましたしね。すっごくオススメというわけではないですが、名演ラッシュな作品でした。ぜひ(^^)

  • ザンキンドーナツ 2023年07月18日 00:35

    先週、見ました。  UNEXTでマイリストにしてたんだけど、某ホテルでのオンデマンドでつい見てしまった。

    余韻、感じるね!

  • ユリ 2023年07月18日 02:25

    > ザンキンドーナツさん
    上手く言えないけど、誰しもが持っている普遍的な感情に寄り添ってますよね。

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