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「プンサンケ」レビュー☆

2019年03月04日 03:20

「プンサンケ」レビュー☆

ユン・ゲサン主演他。正体不明の男(ユン・ゲサン)は38度線を飛び越えてソウルピョンヤンを行き来し、3時間以内に何でも配達する。運ぶのは、離散家族の最期の手紙やビデオメッセージ北朝鮮製の煙草豊山犬を吸うことから、男は“プンサンケ”と呼ばれていた。ある時、亡命した北朝鮮元高官の愛人イノク(キム・ギュリ)をソウルに連れてくるという依頼が舞い込む。命がけで境界線を越えるうちに、互いに言い知れぬ感情を抱くようになる二人。無事イノクを引き渡したにも拘らず、プンサンケは依頼者の韓国情報員に拘束され、卑劣拷問を受ける。「おまえは北と南、どっちの犬だ」さらにソウルに潜伏していた北朝鮮工作員までもが介入し、イノクに危機が迫る。北と南の思惑に利用され全ての道が閉ざされたプンサンケは、北朝鮮工作員韓国情報員を一人また一人と密室に閉じ込めていく。密室で対峙する北と南。そして、投げ込まれた拳銃・・・。卑劣な人間の正体が暴かれ、予測不可能な衝撃が幕を開ける。国籍不明、言葉も名前も持たない謎の男―男は何を届けようとしているのか―。世界三大映画祭を制したキム・ギドクが分断国家に放つ痛烈なメッセージ。全キャスト、スタッフが無報酬で参加!見る者すべてを震撼させる心臓を射抜く衝撃作!

9/10点!!この構図を考えたキム・ギドク弟子チョン・ジェホン監督凄いです。笑っちゃうんだけど鳥肌も立つっていうw(・0・)w 常に北と南を画面の両端に意識させられ、密室で両者が対峙する場面では、両者の国の銃をそれぞれ持たされたりして、南北で争うことのくだらなさを叩きつけられる感じ。それもこんな風にブラックユーモアを交えて見せられるなんて思わなかったから、凄いの一言です。プンサンケの出自や過去、どうして話さないのか?この仕事をしているのか?などは全く明かされないままなのに、ユン・ゲサンの雄たけびシーンでは、感情移入して泣きそうになっちゃいました。イノクは最初、緊迫した場面なのによく文句出てくるなと思いましたが、亡命してからは、イイ女ぶりで、北にいても南にいても誰も信用できない人生を歩んだ女性の頭の良さが垣間見られました。誰も信用が出来ない国で暮らすってどんなに心がささくれるのだろう。しかも、イノクには脱北しないという選択肢もあったのに、命懸けで脱北しても恋人にあんな風に扱われて、もう(涙)北も南も争っている現場の人間は何で争っているのかさえ理解していなくて、「帰らざる橋」には常に境界線の向こう側の大切な人の安否や平和を祈る短冊が無数にあって。なんで争っているのかわからなくなったのに、退けない意地の張り合いのくだらなさのオンパレードでした。疑問だったのは、プンサンケは韓国政治関係者からの依頼だとわかった時点で何故断らなかったのだろう?南関係者の依頼で北に入ることの危険度は明らかなのに。そこだけ何故だろう?と思いました。南北融和がこのまま進んだなら、このような映画は悲劇として作られ続けるのだろうか?それとも、全くなかったことにされて、最初から仲良しでしたよという政府官僚の空恐ろしい顔を見なければならないのだろうか?このタイミングで「冷麺」も印象的過ぎたし、こんな犬も食わないような調子では、心から互いに和解が出来る日はまだまだ先にも見えないなと感じました。あと、オダギリジョーがカメオ過ぎて誰も気付けない(北朝鮮兵士として数秒出演)2012年公開。

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