【お題日記】とてもお世話になった人

大学時代、所属していた運動部に外部からコーチとして来てくださった方。
身体を壊し選手を諦めスタッフになろうとしていた時期に丁度いらして、コーチとしてたくさんのことを教えてもらった。
コーチは現役選手とはあまり酒食を共にしない主義の人で、当事は見習いである自分以外コーチはいなかったのでよく飲みに連れて行ってくれご馳走して下さった。
そのスポーツだけでなく、人としての生き方も教えていただいた。
卒業後もコーチとしてお手伝いさせていただき、一緒にグラウンドに行き、終わってからは飲みに行ったりご自宅で料理をふるまってくださったり夜明かしで飲んだりしてました。
後輩のコーチたちが増えてきて、自分はだんだん現場からは離れていきましたが、その方はずっとコーチを続けてくださってました。
１０年ほど前でしょうか、夏のある日、同期から突然電話が。
心筋梗塞でその方が亡くなったと。
オフィスでその電話を受けたのですが、思わず怒鳴ってしまいました。
洒落にもならない冗談はやめろと。
ですが、事実だったのです。
事実として受け止められないまま、通夜、葬儀に参列しました。
イタズラが好きな人でしたから、いつ棺桶からひょっこり起き出してくるんだろう、などと思いながら。
でも、指一本、まぶたすらも動かさず、永久の眠りに就いていました。
それでもまだ亡くなったことを受け止められない部分が半分、恩返しができず見送ることへの後悔が半分で涙が止まりませんでした。