杜若見物

家内の実家がお世話になっているお寺が、実は杜若（かきつばた）で有名だと知り、
昨日初めて行って来ました。

阿吽像の門を抜けると、満開の杜若が池を埋め尽くしていて壮観。
光琳・抱一など琳派の絵師達が描いた杜若屏風図は何度も見ていますが、
現実に杜若の群生する池を見るのはこれが初めて。
業平様は都恋しの気持ちで杜若の詩を詠みましたが、
もし八橋の杜若がこれほど見事に咲き誇っていたならば、
沈鬱な気分は霧消してしまったであろうと思います。

義母が来ているはずでしたが、結局見つからず、
時間が来たのでお堂に入り、この日のイベントである「声明」を聞きました。

***
声明（しょうみょう）：仏教の儀式音楽。

特に天台声明は他宗の声明よりも奥深く歴史の中で洗練された声明曲が沢山あります。これらは、仏、菩薩、神々を賛美する歌曲として、僧侶によって詠われます。
後に、声明を唱えることは修業として重視され、声明成仏の方便として大原で盛んに行われるようになりました。そこで大原が天台声明の聖地となり、魚山声明（大原声明）として世に知られるようになりました。
なお声明は日本の歌曲の原点として、他の分野に影響を与えてきました。例えば、今様、平家琵琶、謡曲、浄瑠璃、小唄、長唄、浪花節、民謡、演歌等の中にも生きています。
（宝泉院ＨＰより）
***

ポピュラー音楽風に言うとリードボーカル１人にコーラス１２人という編成でした。
リードボーカルを務めたここのお坊さんは声明の名手だそうで、
ロシアやフィンランドに遠征して、グレゴリオ聖歌とコラボレーションしたことがあるとのこと。
それを録音したＣＤの発売を報じた新聞の切り抜きがお寺の掲示板に貼ってありました。

歌詞の意味が分からず、メロディーラインも識別できない音楽を聞き続けることは、
始めは興味深くても長時間（１時間半）になると退屈しました（ゴメンナサイ）。
正座していたので足も痛かったし・・・