特老の食事

かつてやってた特別養護老人ホームの食費は1日３食で￥１０００くらいでした。でもうちの料理人は赤坂の高級料亭の看板板前だった人で、バブルがはじけて、政治家や金持ち相手に料理を作るのが嫌になって、晩年は、恵まれないひとたちのために料理を作りたいと言って就職してきた人です。だから料理は一流で、わが県の有力者の冠婚葬祭の料理なども頼まれて一躍有名人になってました。料理を入れる器も益子まで買いに行って、盛り付けもきれいで、とてもおいしかったです。３食￥１０００とは思えませんでした。
でも、厚生省は、特老の馬鹿な基準つくりでシルバーポイント何点ならマル優マークだとかいって、なんでも統制しようとします。
暖かい料理をベッドサイドまで持っていったら１点、夕食を６時以降にしたら１点、朝昼晩３食なら１点なんていうことです。結局、飛行機に載ってる配膳機、みなさんんもみたことあるでしょ、アルミの長細い箱でCAが通路を運んでプラスチックの薄っぺたいお皿に食事がのってるやつです。その配膳機が特老に配備され、益子焼のお皿は姿を消しました。料理人も自分の料理をひきだせないのでやめました。経営者はその機械導入するとリベートはいるので積極的に導入します。２０人分で２０００万円、１２０人分なので１億２千万円でリベート実に５０００万円、福祉や医療の機械は保険点数を高くするために定価高く設定されリベートが経営者に渡る仕組みです。介護士のひとも９時ー５時勤務が普通だから６時過ぎに食事だすためには日中のサービス低下するでしょう。食事とるのに１－２時間かかる人ざらだから人によっては２食でもいいはずです。１日３食になったのはエジソンがトースター発明して売るためにそれまで２食だったのが３食になっただけですからね。
だから僕も特老やめて、自分の施設をつくろうとしてるのです。おいしいもの食べれる老人ホーム。退職したシェフ、料理人につくってもらいます。月曜ー寿司、火曜ーフレンチ、水曜ーしゃぶしゃぶ、木曜ーイタリアン、金曜ー焼肉　なんて感じで。いまは一流レストランも株式会社になっていてどんなに腕がよくても６０歳定年でクビになるらしいので、いい料理人集まると思ってます。