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夜光虫

2009年12月24日 02:10


 灯りに群がる虫達はどこに住処を持つのだろう。
ひらひらと低い空を舞う蝶達はきっと、羽を休める場所を決めてはいないだろう。

 眠る事もなく、命尽きる瞬間まで 堕ちるでもなく・・・・・・

 風と遊ぶように舞うのはそれほど楽しいのだろうか?
それとも、懸命すぎてそれすら気づけずそこに浮くのか どちらも解らない。

 こんな不夜城で灯りを求めてさまよう様はそれこそ同じなのだろうか?と、
そこまで思い至って つまらぬ思考を否定する。

 - いや、

少なくとも、身体を休ませる場所に戻って過ごすのは きっと人だけ。
箱の中でしか生きれない「自分の居場所」を決めつけてしまう人だからだろう。

 だって私は 嫌だと思いながらも自分の寝床に結局帰る。

ただ、いつでもそこが自分の「家」だと実感が持てないだけで。
もう、何年そんなのを続けているのだろう?

 「実感の無い家に帰る。」

そんな つまらない事・・・



---
 昨日帰り道に拾った生後間もない子猫の様子を見に、遠回りをして帰路に着く。
寒空の下 不法投棄ゴミと一緒に生ゴミと同じように棄てられていた。

ただ、一点違うと言えば それはまだ生きていて、
ゴミとするには早すぎた「生き物」であって、それをどんな頭の悪いヤツか知らないが袋詰めにし、
その口を縛って放っていた・・・というだけで。

イタズラにしてはタチが悪いし、しかも案の定簡単に誰かが気づかぬようにか柵の中。

フェンスを乗り越えるのは慣れていたので不運な猫達を救出出来たが、その後が困った。

飼い主と思っていた近くの人はただの通りすがりで、引き取り先がいない。
呼吸も苦しかったであろう状態から助け出した二匹と、凍えながらも懸命に鳴いていた一匹を助けておいてまた放置・・・というのも出来ない。

 人の勝手で捨てられ、非道徳的な行動によって殺されかけてた・・・っていうのに処置もしないのは気分が悪い。

 - しかも、まだ 狩りも出来ない。

へその緒をつけたままの目も開いてない状態で歩く事も殆ど出来ず鳴くしか出来ない赤子同然の子猫
まだ、周辺を熟知したワケでもない土地動物病院など探せず、近い所で上野猫カフェしか思いつかずそこに預けた。

 三匹ともまだ可愛い時期を過ぎてはいないので、好きな人が見つかればきっと、冬でも温かな誰かの家で生きていける。
兎に角 拾い上げてすぐ、飼い手もいないのを確かめると「生き長らえる為」の処置に走った。

 私では「出来ない。」

 それを知らないから。
なら、経験者の知恵なり助けが必要だと即断して。

生き延びる為の環境なりが必要だ。それでも・・・
悲しいことに自分の生活がネックになってる自分ではこの三匹はどうしても育てられない。

 だから、「助ける為」に走った。
育てられる環境じゃない自分が引き取っても確実に二の舞なのだから。

私自身 最悪布団に入った後も震えるような部屋では殺してしまう自信はあっても、生きてくれるかはかなり微妙で
ノウハウも無い以上下手な事は出来たものではない。

事情を説明すると猫カフェのオーナーは授乳期が過ぎるまでは見てくれると言った。

 けれども、
「命の保証までは出来ない。」と。

 衰弱しきっていたから確実に生きてくれると断言は出来ない。
その一番弱ってた身体の小さい子猫と、その兄弟の様子見に・・・

手短に 足早に用を済ますと本屋に寄った。
探している本があって、それを探しに・・・大回りをして帰ると久々にスーパーに立ち寄った。

そこで、改めて気づく。

もう、明日 明後日クリスマスなのだと。

 去年から私にはもう、クリスマスのご馳走を囲む団欒は 無い。

どちらにしても一番荒れていた時期であって、もう何年か前から家族一緒であっても微笑ましい光景もあたたかさも感じない。
手作りケーキでも囲むのだろうか?ガランと物の無くなった売場は普段より一層寂しい。

 売れ残りで残っていた大きな鶏肉が丸裸で買い手を待っていた。
祈りの形に手を組んで前屈したような姿は処刑間際の命乞いにも似ている。

 「・・・・・・・・・・・・。」 ← 買ってはやらない。

特設のコーナーは少し奮発・・・といわんばかりに親の懐を試さんとする缶入りのお菓子が飾られたまま沈黙を守ってる。

 それをちょっと辛そうに・・・でも、我が子の笑顔を思い描いて買って行くであろう親の姿を夢想して、
焦がれてならない幸福と豊かさに満ちあふれた家庭を夢見る。

 それすら、もう大分昔に遠い過去になり果てた。

 今や無縁だろう。そんな一欠片の望みすら・・・

- どこに 帰ればいいのだろう?

 あたたかな場所も幸せな光景(家庭)も、もはや私には無いモノとされてしまった。

(それじゃあ私は何処に行けば良い?何処に帰ればいい?)
そんな思いがこみ上げて苦しくなる。

片目だけ可笑しい瞼も 気持ちの悪さも眠気のせいにして部屋に戻る。
戻った部屋で視界を塞ぐように布団に小さく身を屈めて潜る。

 分厚い布に奪われた体温が程良くぬくもりぐらいになって返ってくる頃
きっと眠れる。苦しくなくなる・・・そう願うように

朝はいつも、この時期だからやっぱり 辛いほどに冷えるだろう。毎朝肌が裂けるような痛みを堪えて出勤する。

 泣いたって変わらない現状に絶えきれなくならないように・・・
だから、やっぱり泣けなくて。毎晩毎朝やり過ごす。

これ以上寂しくならないように・・・・・・


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sentfrom W-ZERO3

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