【SS】sent-u-re: 21+00:00

君と離れて

どれくらいの時が流れただろう。


明日は



一歩先へ進む日。




　　**




「好きなんだ。付き合ってくれ」



ある日突然掛けられた言葉。


そういえば、私って結構モテてたっけ。

告白なんて最近なかったけど。


あの、ちいさな輪っかが、どれだけ守ってくれてたのかな。




「ごめん、私、今は誰とも付き合う気ないの」




本当のことだった。

だけど相手は、崩さない視線で。



「時間を置いたら、考えてくれる？」


「えっ？」


「俺、待つから。もしその気になる日が来ることがあったら…」



小さな包みを渡された。



「でも、私…」



こんなもの受け取る権利、ないよ。

そう言おうとしたのに。



「また、会おう。時間おいて」


ちらりと視線を宛てられ。



「その時は、どっちかをつけてきて」

「そんな…」



なんて、強引な。

でも、これくらいしないとな。


……。



「じゃあ、私の誕生日の次の日。また会おう」


「わかった、じゃあその日の正午、この場所で」



こうしてその日は終わった。




　　**




さあ、明日会う君はなんていうかな？


焦って取り返しに来ないかな。

期待しているのは私だけかな。


特別な日くらい、幸せに過ごしたい。



明後日の私は、必ず指輪を身につけているだろう。

変わらないのは、その事実だけ。