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ハンマープライス(表からの続き)

2019年04月09日 15:18

ハンマープライス(表からの続き)

会場運営の人「紳士淑女の皆様、ようこそお集まりいただきました!まだチャリティーは序盤、開始15分ほどですが、主催の設定いたしました目標金額を、お1人の方が募ってくださいました!!」
※早口だったのでアンに翻訳してもらってます



会場運営の人「主賓であるジョン・○○・○○卿が本日の話題を一手に獲得しました!!」


そう言うと、マイクを片手におじいちゃんに近寄る運営の人



アン「ママ、やるじゃない!!おじいちゃん鼻高々よ!」


私「え?何で?」


アン「それ(機械を押して)で寄付金が決まるのよ。みんなで持ち寄る金額を、ママが1人で寄付したってわけ」


私「は?」


アン「ママが400万ポンド寄付したでしょ?(掲示板の)下に表示されてるわよ、設定金額は350万ポンドって」


リリーママすごい!!」



いやいやいやいや、ちょっと待ってよ



これ、寄付できちゃう機械なの?



アン「みんな躊躇してたのよ。ママがドーンと寄付したから、みんな一層寄付しづらくなったってわけ」



いやいやいやいや、だってこれボタンポチポチっと押しただけでさ



アン「間奏の楽団で寄付金が出たのは初めてだって!!ママ、歴史に名前を残したわね!!!」



ちょっちょっちょ・・・・


青ざめる私



そんな私を横に、渡されたマイクを持って演説するおじいちゃん


おじいちゃん「今日は招待してくれてありがとう。どの楽団も素晴らしい演奏だった。まだ序盤だがね(会場大爆笑
しかしながら、彼らの演奏は素晴らしかった。(私に顔を近づけ)(イチゴ、あの国歌は何という名前だね?)私(君が代)(演説に戻り)
あれは私の大好きな、日本の”キミガヨ”だ。数十年前に日本へ初めて降り立ったときを思い出した。私にとって一番価値のある、心を清らかにする音楽だ。素晴らしい音色をありがとう!」



マイクを返し、席に座るおじいちゃん

固まる私



何も気にしないアンとリリー



おじいちゃん「さて、そろそろ行こうかね。おや、お前はまだ寄付をしてないのか?ああ、そうか。お気に入り演奏がまだ始まらないのだな?
あるいは、手が震えたか?今日は寒いからな。では、また会おう」


主催のおじいちゃんに悪態を返し、私たち3人を従えて会場を出るおじいちゃん



車に乗り込み、走り出すや否や


おじいちゃん大爆笑



おじいちゃん「実に愉快だ!!あいつの顔を見たかイチゴ?固まって、石膏で出来たダビデのようだ!唖然としていたな!!」


ワイワイはしゃぎ、ものすごく嬉しそうなおじいちゃん



400万ポンドを勝手に寄付して(知らないとは言え)ガクブル状態の私(少しおしっこチビりました)


私「あのね、わわわわわ」
※Iを言う声が震えて次の言葉が出ない私



おじいちゃん「どうしたイチゴ?寒いのかい?スチュワード、暖房を強くしてあげなさい」


私「あのね、お金は何としても返すから、あのね」


おじいちゃん「お金を返す、誰にだ?」


私「私が寄付しちゃったから」


おじいちゃん「何を言う!私がイチゴに自由にさせたんだ。あれはチャリティーだぞ?あんなものは、ええと、アン、何て言うんだったかな?」


アン「鼻クソ、よ」


おじいちゃん「そうだ、鼻クソ、だ。あんな額、私は20秒もあれば稼ぐ事ができるぞ。どうだ、スチュワード?」


スチュワード「旦那さまなら10秒で余裕でございます」


おじいちゃん「そうだろう、そうだろう。イチゴ、私はすごく気分がいいぞ!!あいつの顔を見たか?アン、この前教えてくれた言葉は何だったかな?」


アン「ざまぁみろ(日本語)よ」


おじいちゃん「そうだ、”ザマーミロ”だ!今の立場に合う言葉だな!!」


・・・



そう言われると、私けっこう貢献したかも?的な考えになり


おじいちゃん家に着くころにはすっかり忘れ


そのまま家人全員(おじいちゃん家で働くスタッフ全員)を招集し、急遽夕食会に



食事をしながら、おじいちゃんが会場での出来事をみんなに話し



おじいちゃん「私はイチゴの手元を見て驚いた!!イチゴは何と、400万ポンドと入力したのだ!」


「会場は喧騒で沸いた。誰が一手に寄付したのだ?と。私は名乗り出た、”それは私である”とな!」



おじいちゃん、口調ミュージカル・・・


いつしか相手役(主催者おじいさん)をアンがつとめ、唖然とした表情を真似ると



おじいちゃん「ヤツはイチゴ決断力の前に沈んだ!私はさながらキングアーサーの如く、グウィネヴィア(私の事)の甘い音色
抱えながら、こう言い放ったのだ!!”素敵なコンサートをありがとう”とな!」



た・・・楽しそ~~~~




ま、おじいちゃんが良いと言ってるんだから、いいか



おじいちゃん「ヤツはタッチする指が震えていた。おそらく彼はもう剣を握れないほど老いていたのだ!
私は颯爽と立ち上がり・・・」




おじいちゃん、時代劇みたいな口調になってる(こっちで言うところの中世劇)





知らず知らずのうちに、400万ポンド(5億8000万円相当)を躊躇なくハンマープライスした


イチゴ撹乱の巻き”でした
(次から気をつけようと心に留めました)

このウラログへのコメント

  • ドガ 2019年04月10日 13:41

    400万ポンドはおじいちゃんにとっても大変な金額だったと思う。
    それをイチゴちゃんに悟らせまいとする、おじいちゃんの振る舞いに
    優しさや愛情を強く感じます。
    イチゴちゃんも軽率な行いには反省だね!

  • ゴロー君 2019年04月11日 13:27

    別世界ですね!

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