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beloved 10

2018年11月03日 08:11



手軽にヤレたらいいという輩は、サイトに常駐する様になってるから次第に分かってくる様になった。

最終的にセックスの関係になろうとも、其処までのシチュエーション楽しいのだから、ムードのない、盛りのついたゲスな雄犬には興味などなかった。
貰うメッセージも、頭悪そうなものばかり。
自分の下半身の硬さや大きさ、セックス武勇伝などを平気でメッセージに添えてくる、頭に膿が溜まって、もはや手遅れ状態の男には、憐れみすら感じた。
削除対象のごみ箱行きのメールばかり読んでいると、『いい男は、こんな場所必要ないのだから、世間的に可哀想な人の溜まり場なんだ』と嘆いたり、悲しくもなり、私もその仲間なんだという事に苦笑してしまう。


『惨めだね、私達』

溜息をつきながら、呟く。


そんな中で、蒼と名乗るあの人は違った。

初めまして。
こんにちは。

最初から、会いましょうなどと、月さんに敬遠されてしまう事はしません。

むしろ、お互いにメールなどを交換しながら、
知る事から始めませんか?

わたしは、至って普通にのサラリーマンに過ぎません。
特別なイケメンでもなければ、嫌われてしまう様なルックスでもないと思います(笑)
因みに、太ってないし、ハゲてもいません。
歳相応かな?

月さんさえ良ければ、まずメル友から始めませんか?
お返事頂けたら嬉しいです。






この人に返事を書いてみよう。
私の直感が働く。
『この人がいい』って。

例えるなら、アンテナがピーンと張って、何かをキャッチしたのね。

その何かを知りたいじゃない?

期待してはいけないと自分に自制をかけた。

大体、至って普通の人に出会った事などない。

外見にしても、素行にしても…

メールだけで夢を見ていた方がマシな男が多過ぎて、ソレが分かるまでかなり私も勉強させられた。

寂しい気持ちをこんなに作ってしまう前に、出逢いたかったよ。


蒼と月のメールが始まった。

最初は自己紹介
蒼は私より一つ年上の当時、34歳。
同じ世代を生きた蒼とは話が合った。

共通の趣味であった読書の話で盛り上がる事も多かった。
お互い、違う分野の小説が好きで、好きな作家も異なる。
メールの蒼は、何処かしらいいとこのお坊ちゃんの様なイメージだった。

小さな頃から、家にお父さんの書斎があり、初めて読んだ官能的な本がデカメロンだったという。

『ガキの癖に、大人ぶりたかったんだろうな。
デカメロンが最初のエロ本代わりなんて』


デカメロン事態知らない私。

蒼が言うには、『親の目を盗んで読む事にスリルがあっただけ。
実際は、面白いなんて思わないはずなのに、それが性の目覚めなんて、変な子だったわけ』


あなたが面白くないという本は、名前だけしか知らないし、敢えて、読む気もなかった。


だけど、子育てが終わり、何にもする事が無くなった寂しい老後にでも読んでみょうかな?

こっそり、お父さんの書斎から引っ張り出して、難しい文章が連なる本を読み、大人ぶって、理解した様に興奮していた思春期のあなたを思い浮かべながら…



蒼に惹かれ出したのは、小さな頃から本を読んでいるだけあり、沢山の素敵な言葉を知っている事が始まりだった。

『月、今日も清々しい朝を迎えた。
仕事に行くのは億劫だけど、通勤電車から眺める景色は好きなんだ。
晴れた景色は、空の色も綺麗だ。
この空は続いている。
月と同じ空の下に居るんだね。
今日も、月が沢山の笑顔に出会える一日であります様に』

こんな素敵なメールが、朝の決まった時間に届く様になった。

出会い系の男でも、マトモな人は居るんだと思う様になる。

私は、朝が楽しみになった。

蒼に負けない様な素敵な言葉を探す様になった。




おはよう。
一日が始まるね。
毎日がゼンマイ仕掛けのように、
決まった日常を無意味に送っていた事が、
蒼に出会えてから、楽しいと思う様になったよ。
朝に届く、蒼からのメールが嬉しくて、
今日も一日乗り切る糧になる。

有難うをいっぱい伝えたくなる。
有難うって、私の大好きな言葉。


大人の恋の始まりだった。
たった一通のメールでも、幸せになれたのだから。


蒼を知れば知るほど、会いたい気持ちが募る。

蒼は学生時代一人暮らしをしていて、料理も趣味だという。

晩御飯にイカを買ってバター焼きにしょうかな?
とメールをすれば、


イカのバター焼き美味いよね。
ワタ焼きにしたらツマミになるぞ。

最近は外食ばかりだ。
オヤジ好みそうな一杯飲み屋で、焼き鳥豚トロなんかツマミにして、たまに一人で飲んだりするんだ。
店を出ると、スーツの上着に匂いがついてさ、夜風が気持ちいいから、そのまま電車に乗らないで、一時間くらい掛けて歩いて帰ったり。

月、
月夜が綺麗な日は、少し遠回りしたくなるね。
月、月の本当の名前を知りたいって言ったら、迷惑?
夜空の月を見る度、君を想像するんだ。
本当の名前は何だろう?
それに…
会ってもいないのに、凄く気になる。
可笑しいだろ?

因みに俺は哲学の哲に、朗らかと書いて、
哲朗。

月が教えてもいいって思うまで待つよ。

出会いはネットだったかもしれない。
けど、そのお陰で月と出会えた。

ハンドルネームで呼び続けていたら、かえって、それを引きずる様な気がしたんだ。

本当の名前があるのに、ハンドルネームで呼ぶのは、距離がなかなか縮まらないで、このままの様な気がした。

少し、距離を縮めてみないかい?

蒼こと 哲朗より





あなたのメールを読み、
あなたの本当の名前を知ってから…
気持ちがグッと深まった。

『名前を呼ぶ事で距離を縮める。
だから、名前を知るのも覚えるのも必要なんだ』
あなたは言ったの。


「哲朗さん」
あなたの言う通りね。
あなたの名前を呼ぶ事で愛しさが込み上げる。




哲朗さんは、私をなっちゃんと最初の頃は呼んでいた。

私達はお互いを凄く知りたくなった。
興味を持つって、そういう事じゃない?
会いたくなるまでの時間が掛からなかった。

会う前に、ドキドキしながら写メールを交換したわ。


あのね、見た瞬間からね…

惹かれたの。
想像以上のあなたで。

出勤前だったのかしら?
スーツ姿のあなたを、初めて写真で見て…

『ずっと私が会いたかった人』
漠然と思ったの。

ある意味、あなたは私の人生の分岐点で出会う宿命みたいなものがあったんじゃない?

私の歩むべき人生の、道標的な役割を担っていたのね…

この世に神が居るんだとすれば、
あなたと私は出逢う運命だったのよ。


上野不忍池口で、お互いを確認して名前を呼び合った。

なっちゃん

「哲朗さん」

あなたの言う通り、二人の距離はグッと近づいた。

ハンバーガーショツプで、好きなものを頼み、ポテトを半分こにして、笑顔ランチを食べた。

偽りの関係だという事を忘れてしまうくらい、自然に打ち解けていった。


「多分、出会った頃から惹かれ合っていたんだ。
夏海が、美味そうにアボガドバーガーを食べている顔に、一目惚れしたんだな。
無防備に大きな口を開けて、レタスが溢れると、恥ずかしそうにしたり…それでも食べる夏海。
飾り気のない、夏海の笑顔が可愛かった」


後々、あなたが照れ臭そうに言ったのよ。

私はね…走ってきたあなたを瞳がキャッチした瞬間から、心奪われたの。

でも、言わないよ。

どっちが先に惚れたとかじゃないものね。

私達は歪んだ関係だったけど、惹かれ合った事実は、本物だった。



蛍とのやり取りが蘇る程、
第二章は、出会った頃が鮮明に書かれていた。


読みながら、少し恥ずかしい気持ちになった。

俺はキザな事を蛍に沢山言ってきたんだな…

それでも、蛍は、素敵な言葉と綴ってくれていた。


なぁ、蛍。

俺もさ、蛍に運命的なもんを感じたんだ。
こんなに短時間で惹かれた女も居ない。

君を好きになるのに、時間が掛からなかった。
不思議だな。

前世とか現世とかさ…あるのかもな?


ふわっと湧き出す愛しさを…抑えられず、ただ、突っ走りたくなる様な、歯止めが効かなくなる程の怖さとスリルの中で、激しく燃えるような恋をする瞬間が人生にはあるって事。

それでも、不倫の罪深さの自覚はあるんだよな…


第三章…
何が書いてあんのかな?

そのスリルごと味わうよ。





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