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43歳の過ち その44

2018年10月13日 04:54

救急車を待つ間、ポケットからスマホを取り出し、彼女メッセージを送る。

「都内で大ケガをしてしまった。しばらくは連絡できなくなるかもしれない。」
と送ると、すぐ彼女から
「え?大丈夫?落ち着いたらでいいから連絡ください。」
と。

あとはとりあえず長女にLINEしておくか、、、、

スネの辺りのシミはどんどん大きくなる。
紺色の作業ズボンなので目立たなかったが、それが血染みであることが目立ってきた。
その下にはいた防寒インナーはさぞ沢山の血を吸っている事だろう。

鼓動を打つたびに、尋常でない痛みが襲う。
ほんの僅かでも姿勢を変えようものなら、脳天まで突き刺さるような痛みが走る。

救急車サイレンが近づいてきた。
これまでのほんの数分がやたらと長く、、、目茶苦茶長く感じた。

救急隊員が到着した。
太腿に止血帯をきつく巻かれて、ストレッチャーに乗せるためのボードに移動させようとするけれど、体をどう動かしても激痛が走る。
二人の隊員に体を持ち上げられて、もう一人の隊員がプランプランしてる左足首を持つ。
その瞬間、言葉では表現できない悲鳴をあげてしまった。
どう持たれても激痛が走る。
どうせなら、切り落としてくれたほうが諦めがつくのかも知れない。

結局、つま先が落ち着く位置に全身を合わせるような姿勢で一旦落ち着く、、、けれど
痛みは鼓動を打つたびに、ハンマーで叩かれるようだった。

救急車で搬送された経験がある人なら知っているだろうけど、実は救急車は、乗せられてからが長いことが多い。
病状やケガの程度から受け入れ可能な病院を選定して搬送するが、救急指定だけどベッドが満床であったり、ベッドの空きがあっても緊急手術中であったりと、なかなか搬送先が決まらない。

あちこち連絡を取って折衝の末30分くらいでようやく百人町の病院に搬送が決まった。

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