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12th Shin Yokohama Part 13 少しづつ距離が

2018年07月07日 20:45

12th  Shin Yokohama   Part 13  少しづつ距離が

少しづつ距離が開いてゆくのは
確実に感じていた。

あげくが…
日本に帰ったときは必ず獣のように
身体をつないでいた相手を
とんでもない形で失ってしまった。

だが、失った事への寂寥や
奪い去っていった相手への嫉妬よりも
あの粘っこい
ゆがんだ女同士の性交
壮絶さに完全に打ちのめされていた。

白昼の全裸露出性交
道路際での立ったままでの性交
高速道路でのフェラチオしながらの自慰
等等…
かなり突出した性に狂っていたつもりだった。
事実、淫語と愛液を撒き散らしながら
激しく達しまくり
そのたびに「離れられない」と言っていたから
どこかで自信を持つようになっていたのだろう。

しかし
こちらとのどんなに激しい性交に狂っても
性器をこすり合わせながら放尿をしたり
アヌスをつなぎあったり
達してもなお
達してもなお、
達してもなお
求め続けることまでには至らなかった。
取るに足らないのだが
どこかに潜んでいた自信が
最低の形で崩れ去ったのだった。
頭の中には、どっぷりと
吸血をすませた蛭のように
膨れ上がったふたつの桃色の性器
重なりの合間から
少し黄金色がかった液体が
噴出する強烈な光景が、
残像となって渦巻いていた。

うろ覚えだったが間違ってはいなかった。
比較的裕福な住宅地カーブを曲がると、
そこだけ明るい街灯の下に
その人妻は立っていた。
するりと乗り込んでくると
「もう勝手なんだから。大方相手に振られたんでしょ」
女の直感にギクリとするが、
質問を続けられるのが面倒なので
唇を重ねて舌を差し込む。
抵抗する素振りがすぐにやんで
ねっとりと舌が絡んでくる。
ひとしきり唾液を交し合っていたが
急にイヤイヤをする。
「近所に見られちゃう。車出して。」
この当然の反応が奇妙に嬉しかった。
パーキングブレーキリリースして
ゆっくりとスタートさせる。

互いに性に没頭する時間が
始まることがわかっていたから
話すことはそう多くはない。
人妻からは
亭主がかまってくれない話。
女がいるに違いない話。
自分も浮気を何度も繰り返した話。
こちらからは
仕事がちっともうまくいかない話。
日本との違いに戸惑う、という話。
日常的な
現実的な
会話に安心するのが不思議だった。
ひどく空腹を覚える
無理もない。
昼から今まで長い長い性の狂演を鑑賞していたのだ。
それでもなお
途中で退散したにしかすぎないのだが…
聞いてみるとこの人妻も夕食はまだだった。
子供なし。
亭主も殆ど自宅に帰らないから
食事の用意もする必要がないという。
「その分、おとこ食べてるけど。」
と言いながら、こちらの太ももを撫でてくるから
手を伸ばしてスカートの下に入れると
待ちかねたように脚を開いて
誘い込もうとする。
すでにぐっしょりと濡れていた。
極小の薄いパンティしか
付けていないだろう、
濡れた布の横から簡単に性器に指が届く。
「もうエッチなんだから。」
にらむような目がすでにとろけかかっている。
(この目は同じだな)と
再び昼間の光景
フラッシュバックしそうになるのを
かろうじておさえこんで
沿道の、どうでもいいような
ファミリーレストランに車を停める。

この人妻との出会いは昼間のベーカリーだった。
忙しい帰国時のスケジュールをこなそうと
電車で動き回る途中、おそい昼食を取ろうと
良い匂いが立ち込めているパン屋に目がいった。
焼きたてのパンが味わえるように席が用意してある。
(日本のパンはうまいよな)と思いながら
いくつかのパンを買い、カウンターの空席に座る。
そのとき隣にいたのが、この人妻だった。
紺のジャケットとタイトミニ。
OLのような服装だったが、
熟年のしぐさと
立ち込める色気に明らかな違いがあった。
知的な顔立ちだが
どこかに淫らな印象もある。
主婦なのだろうが
生活感を感じさせなかった。
座ろうとして持っていた傘を
高いカウンター席に立てかけたのだが
案の定倒れてしまった。
拾おうと身体をかがめると
主婦も思わず向きを変え
身体をかがめた。
期せずしてスカートの下を
覗き込む形になる。
タイトミニが少しまくれあがり
黒いストッキングのかなり上まで見える。
薄い黄色の小さい下着だった。
あわて気味に、
それでも優雅にそれとなく
裾を延ばすしぐさが魅力的だった。
何となく会話が始まり、
話すうちに退屈で
刺激が欲しいのだということがわかり
ひょっとすると、とおもうようになった。
日本にいつまでいるかを教え
日本で使う携帯の電話番号を教え
食事を誘った。
そのときの即答はなかったが
携帯はすぐにかかってきた。
そして二日後、食事をし、
その後は狂ったように求め合っていた。
予想は当たっていた。
かなり淫ら。
だが亭主以外の人数は多くても
相手に余り恵まれなかったらしく
行為そのものは、まだまだ淡白だった。
もっともあの女どうしの性に狂う二人から見れば
こちらも淡白以外のなにものでもないのだろうが…

いつも、ではなかったが日本に帰ったとき
思い出したように電話を入れた。
待ちきれずに亭主の応答を心配しながら
夜にかけたこともあったし、
かと思うと一年も電話しないこともあったから
本当に気まぐれだった。
だが、一度として
出会いが成立しないことはなかった。
お互いに便利な
セックスの対象と見ていたのだろう。
事実、逢えば、その前の他人との性交
うれしそうに話してしまい
より燃え上がる材料にしていた。
何度か身体を交わすうちに
淫らさが加速していく。
だからおよそそのテの行為に似つかわしくない
ファミリーレストランだったが
丸い席に並ぶように座れたのをいいことに
さりげなくスカートの下に手を這わす。
先ほどの車での行為の続きだ。
こちらだけではなく男と出会うときは
いつも過激な下着をつける、と言う。
それだけで濡れて
濡れるから余計欲しくなる
と、ささやくような声でぽつりと言う。
「何色?」と聞くと
「紫。嫌い?」と答える。
今も、あのホテルの一室で
「かつての」女との行為を続けている由香も
紫の濡れたTバックをつけていたっけ。
再び、思いが走りかけるのを押さえ込んで
「好きだよ。あとで見せてね。シミまで。」
そう答えると、スカートの下で濡らした中指を
しゃぶって見せた。

「やだ。エッチ。」
そういいながら身体をくねらせるところを見ると
また性器を湿らしているのだろう。
思わず聞いていた。
レズってしたことある?」
「あはは、あるわけないでしょ。何でよ。」
安心した。
そしてレストランを出る。
足元が少しふらついてもたれかかる。
「あんなふうに触るから、もうダメ。」
もつれるようにして車におしこむと、
あの女といつも使っていた
新横浜ホテルに向かった。

同じホテルの同じ部屋で
別の女のまんこにに注ぎこむ。
ささやかな復讐のつもりを気取ったのかもしれない…

(続く)

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