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情事

2017年12月24日 09:11

情事





最初の情事がすべてのきっかけ。


すべての始まり。


でも本当は、コップからこぼれそうだった水に、


ほんの一滴、追加しただけのことだったのかも。


ずっと押して欲しかった背中を、


誰かにひと押ししてもらっただけのことなのかも。


私はそして、岸を離れ、泳ぎだした。


どこへともない夜の水の中に。







上気した内腿の素肌は、既にピンク色に染まっていた。
ベッドの上で仰向けに寝ている彼女
既に息が荒い。
興奮の山を登ってきているのがわかる。


「脚を立ててください」

「は…ぃ……」

素直な返事が返ってくる。
かすれた声ではあるが。

既にはだけてしまったバスローブ。素足の両脚をベッドの上に立ててもらう。私はベッドに乗り、彼女の膝の前に座る。
揃えられた両膝に左右の手を置き、ゆっくりと膝を割らせる。

興奮にたぎった股間が、開かれてゆく。

大きく股を割ると、紺色の紙ショーツに包まれた彼女秘部が見えてくる。


「はぁぁっっ…」


彼女は声にならない声をあげる。
見られている、と思うだけで羞恥の感情が高まり、腰が小さくうごめいてしまうのだろう。


リラックスしてくださいね」


私はなるべく、何事もないような声を立てる。
こういう女性には、こんな風なトーンが効く。興奮の間際にいる自分と、あくまで日常の施術(マッサージ)師。その関係がまた、彼女性感を高める。


膝に置いた両手を、ゆっくりと内腿に沿って滑らせてゆく。
なめらかな素肌。きちんと成熟した肢体。歳は三〇前後。スレンダーで手足の長い身体つき。左手の薬指にはシルバーシンプルリング。こんな女性を自由にできる旦那さんが羨ましい。

指先が股間の紙ショーツの間際までくる。
彼女が身をぶるぶるっと震わせる。そこからまた、スローに指先を引いてゆく。左右四本ずつの指の爪先を立てて、彼女のキメ細やかな内腿の素肌を、やさしく引っ掻いてゆく。


「くぅぅぅぅぅ……」


腰をピクピクと刻ませながら、彼女の反応が著(いちじる)しい。
軽く引っ掻くような刺激から、指先でリズミカルに肌をトントンする刺激に変えてみる。やわらかく、ソフトに。

でも身体の芯に確実に波動を送るポイントと強さで、内腿の素肌をその付け根に向かってトントントンとノックしてゆく。


「あぁ…。あぁ、、あぁ、、あぁ……」


首を振って、拒否のポーズをとる彼女
ショーツに近づくにつれ、声の調子が上がって行く。腰の反応も強くなり、ダイレクトな刺激を求めているのが分かる。



トントンと肌をノックする指先は、いよいよ脚の付け根にとどく。ショーツのVラインに沿って、恥丘から股間の底に向かって、ショーツ越しの性器のすぐ脇をトントンとノックしてゆく。

さんざんじらされた後のこの刺激。
声のトーンが上がる。
下着の中で花びらが開いて、透明な蜜があふれているのだろう。薄紙に、アナルのほうに垂れてゆく水跡が写っている。


「力を抜いてくださいね」

「あぁ…。見ないで……見ないでくださいっ」


顔を真っ赤にして、彼女はささやく。
頭の中は、快楽羞恥のめくるめく繰り返しだろう。
自分自身も激しく勃起しているが、それはおくびにも出さず、施術に集中する。
垂れた蜜に触れぬよう注意しながら、性器ギリギリマッサージしてゆく。



私は広島で、店舗を持たないカイロラクティック整体師の派遣業を営んでいる。
中国四国地方の経済の要所であるこの街は、東京大阪といった大都市から出張でやってくるビジネスマンが非常に多い。
そして彼・彼女らを当て込んだホテルがとても多いのも、この街の特徴だろう。

その中で私の会社は、ホテルの部屋への整体師の派遣業をしている。
出張で疲れた身体を癒したいビジネスマンビジネスウーマン需要は多い。
筋膜療法というカイロラクティックの一派の施術を習得した数名のマッサージ師が所属しており、ホテルからの依頼に応じて市内の各客室に訪問する。


今夜のお客は、背の高い女性だった。
成熟した大人の雰囲気があり、とても有能そうな顔つきをしている。


「今日はお声をかけいただき、ありがとうございます。私どもは「痛くないカイロラクティック」を標榜(ひょうぼう)しておりまして、身体の歪みを整えるお客様の身体の調律師を目指しております」


いつもの前口上を述べると、ええ、と彼女は答えてくれた。

「ポキポキしないってフロントのチラシにあって、気になったんです」


ホテルの部屋での施術となるため、予約が女性の場合は男性の施術者はいかないのが原則だ。
が、今日はあいにく他のスタッフの身が空かず、断りを入れた上で店長の私が対応することとなった。

小田桐、と言います」


施術前の簡単な問診で名前を聞くと、彼女はそう答えた。東京から出張で来ている。あるメーカーマーケティングの仕事をしている。


広島には学会に参加しに来たんです」とのこと。
偉い先生のアテンドで、身体が硬く凝ってしまったという。
癒し屋》と書かれた名刺を渡して、私も自分の名を名乗った。


私はいったんバスルームに退出して、彼女には、簡単な部屋着着替えてもらった。その上でベッドに仰向けに寝てもらい、基本的なチェックを始める。
まずは両脚を揃えて伸ばす。足指の爪先を確認する。

次に両手も同様に頭の上に伸ばしてもらい、手のひらを合わせてもらう。その状態で合わせた手のひらを自分の顔の前に持って来させて、そのズレを確認させる。
約一センチほど、左右の爪先がズレている。


「少し歪みがありますね」

「え、本当に?」


最初は誰もが驚く。
しかし人間の身体というのは、使い方で思いのほか歪みが出るものなのだ。

彼女をうつ伏せにさせる。
うなじ、背骨、骨盤、大腿、ふくらはぎ、と、指先を当ててチェックした。


「少し骨盤の座りが悪いですね。そのせいで肩が凝り、それを膝から下でかばって歩くので、ふくらはぎやかかとにこわばりが見られます」

「そんなに?」

「身体はひとつながりの連結部品なので、一部の故障が全部に影響を及ぼすんですよ」



例えば、と言って彼女の左のかかとを手のひらに収め、少しだけひねる。


「あぁっ!」

「ね?」


それなりの痛みがあったはずだ。
身体をよじってそれから逃れようとする動きが見えた。

「痛くしないって言ったのに」彼女は笑いながらそう言った。


「すみません。見立てを確認したかったので。もう痛いのはしません」

『痛くないカイロラクティック』の名のごとく、我々の流派では関節に負担をかけるような施術は一切行わない。ベッドにうつ伏せに寝ている彼女の脇にかがんで、両手のひらで腰のくぼみを押さえ、小さく揺らすのみだ。

この揺らしは、骨と筋肉を接続している《筋膜》と呼ばれる部位のこわばりをほぐし、身体の各部品の位置関係を正しい形にリセットすることを目的としている。まさに「整」える「体」というわけだ。


ゆらり、ゆらり。

リズムに乗せて身体の反発を使うと、本来の目的である筋膜の緊張は解けないので、あくまでこちらの腕の入力だけで、彼女の腰を動かしてゆく。

「お好きな果物は?」

「どうしてそんなことを?」

ゆらり、ゆらり。

「おしゃべりしながら、リラックスしていただきたくて」

ゆらり、ゆらり。


「はっさくです」

「珍しいものがお好きなんですね」

ゆらり、ゆらり。


「ほろ苦くて爽やかで…」

はぁぁぁぁ…


うつ伏せになっている彼女が、深いため息をつくのがわかる。
腰を中心として、ゆっくりと身体をほぐしてゆく。こうして背中を揺するだけで、筋膜の動きを感じる。
オフィスワークを中心とした仕事をする人に共通の、うなじから肩にかけての凝り。その塊が身体の芯を伝って、ふくらはぎと足首に負担をかけている。


「気持ち、いいですね」

うつ伏せの彼女から、声が聞こえる。

「それだけ身体が固まっていた、ということです」

「本当に少しも痛くないんですね」

「痛いのがお好みですか?」


少し冗談を交えて答えると、彼女も小さく笑ってくれた。

「痛いの無理です。でも、こんな風にしてるだけで、なんだか身体が温まってきます」

リンパの巡りが良くなりますからね」


この仕事をしていると、人間の身体があらゆる蝶番(ちょうつがい)で構成されているのが理解できるようになる。だから逆に、関節のどこにどの角度で力を入れると、人間が痛みを覚えるかも分かってくる。


「疲れがたまると、寝ている時にこむら返りを起こすことがありませんか?」

「え?」

少し驚いた声が、うつ伏せの彼女から帰ってきた。

「そんなこともわかるんですか?」

「足首の負担が大きいですからね」


そういいながら、腰の手を足首に移す。彼女に断りを入れて、足首にタオルをかけ、左右のかかとを手のひらで包む。素足の肌に触れぬための配慮だ。
女性顧客の部屋に男性がひとりで入るという時点で既にかなり振る舞いには注意を必要とされる。少しも性的ニュアンスが生まれぬよう、細心の気遣いを払うのがプロの仕事だ。







このウラログへのコメント

  • 里織. 2017年12月24日 09:28

    まだエロくないですね(*´▽`*)
    どんな展開になるのか楽しみです♪

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