途方にくれる

振り向きざまに彼女にキスをした

持っていたiPhoneを落としてしまって、キスから気が逸れるのを唇で感じた


気持ちを振り向かせるためにキスに熱を込めると、徐々に吐息が漏れてくる


人の身体で唯一表に現している粘膜の感触を確かめるように合わせていくと彼女の意識が丸見えになる

迷い、混沌、愛情、憎しみ


彼女の唾が甘くてもっと欲しくなった


その欲望を断ち切るように次のステップへ進める


耳から首筋にキスをして、またそこの感触を楽しむ

唇が気持ちいい…

左手を美しいデコルテに添え、右手を首筋から頬に回して体温を感じる

僅かに香る彼女の肌の匂いに陶酔する


デコルテに添えていた左手を下に移動させていくと、柔らかいふくらみにたどり着く

手のひらにスッポリ収まるふくらみの中心に、手のひらを悦ばせる突起が当たる

彼女の胸を愛撫しながら、私も感じでくる


唇が
手のひらが
舌が
指先が

悦びを感じ、彼女の全てを感じたい欲望を掻き立てていく


指先が彼女の粘膜の温度を感じたくて、彼女の口の中に入っていく

舌の柔らかさと上顎のコツコツとした感触を楽しむ

舌先が彼女の肌の味を確かめたくて、胸の突起をクルクルと味わい、唇で挟み込んでは吸い、イヤらしい音が出始めると、切なそうな吐息と合わせて耳を刺激する


もっと知りたい
もっと味わいたい
もっと
もっと


もっと伝えたい
もっと感じで欲しい


キミの弱点も
キミの汚い場所も

キミの嘘も

全部が好きだという事を

全てを受け入れるよ


だからボクだけのキミに



それは叶わぬ夢だった

夢から醒めると

キミは居なくなった