- 名前
- 住所秘密は無視のコルドンブルー
- 性別
- ♂
- 年齢
- 61歳
- 住所
- 京都
- 自己紹介
- 年齢設定少しだけ間違ってるしw 即逢いは望んでおりません。暫くメール交換をさせて頂き...
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祇園交遊録 3 【 祇園にイトと言う女がいた・・・・2】
2017年09月02日 00:20
登場人物と私の関係及びこれまでの流れを知って頂くためにも
前回の祇園交遊録 2 【 祇園にイトと言う女がいた・・・・1】をお読み下さい。
【前回よりの続き】
多々良さんに軽く会釈をすませ二人を見た。
「あっ!夢さん、ちょうどよかったわ。ママが自分のお客さんをほっといて帰るって言い出しはったやんや!」
「せっかく多々良さんがアフターにさそってくれはって『彩』でご飯よばれてこれから『ルージュ』に行って軽く飲もうかって言ってくれてはるのに・・・」
アキはかなり興奮をし堰を切ったように一気にまくしたてた。
「イト眠いさかい帰るしってなんでやねん!うちのお客さんならまだ判るけど自分の古くからのお馴染みさんやのに勝手もほどがあるわ!」
「うちかて○※▲×■◇♯※●△・・・・・」
もう興奮しすぎてアキの言葉は後半は何を言っているのかわからない。
だが、事情は理解できた。
また、イトの悪い癖が出たようだ。
『わかったさかい、少し落ち着かんかい』
一方、イトはと言えばバツが悪そうにうつむいたままである。
『イト!どーゆぅ事や』
「そやかて・・・ほんまにイト眠とうなったんやし」
イトは巽橋から川の流れを覗き込むようにしながらボッソっと呟いた。
「夢さんも知ってるやん、イトが眠とうなったらどないもこないも辛抱でけへんのを」
今度は私の方に顔を向けて話し出した。
『でもな、せっかく多々良さんがアフターにさそってくれはったのに失礼やろ』
「ほなら、眠たいん我慢して一緒に行って眠そうな顔しててアクビしたりしててもエエん?そっちの方が失礼とちゃうん?」
「多々良さんかてぎょうさんお金を使いはるのに一緒に行った相手がそんなんやったらおもしろないんとちゃうん?」
「そんなことしたらかえって多々良さんに失礼やし迷惑になるんとちゃうん?」
確かにイトの言い分にも一理はある・・・・・負けそうである。
「そやさかい、イトは帰るしアキにあとは失礼のないようにあんじょう頼むでって思いで言ってたんやし」
それを聞いたアキがイトの話が終わるか終らないうちに口をひらいた。
「ちゃうやん!ママがゆぅたんはイト眠とうなったし帰るわ しかゆぅてへんやん!」
「ゆぅおう思おたらあんたがえらい剣幕で怒りだしたやんか、そなゆぅ暇もあらへんわ」
イトは一旦言い出すと人の話を聞かない頑固さもあり、もうこれ以上はどうしようない状況である。
今まで傍でこのやり取りを聞いていた多々良さんがやっと口をひらいた。
「イト、もうエエし帰り 帰ってはよう寝や」
「アキももう怒らんとき・・・・イトがこない言い出したらしゃーないやろ」
多々良さんは私以上にイトとの付き合いが長い人である。
「夢さん、あかんわ イトがこない言い出したらきかへんわ」
こー言って私に苦笑いを浮かべた。
「なぁそやろ、夢さんより多々良さんの方がよっぽど話がわかるわ」
イトは腕白小僧が勝ち誇ったような顔をして私の方に笑顔を見せた。
『調子のるな!多々良さんにちゃんと断りとお礼を言わんか!』
私も呆れてしまいこれ以上何も言う気にはなれなかった。
「はい」
「多々良さん ごめんなさい。」
「この穴埋めはちゃんとさせてもらいますし今日はこれで失礼させて頂きます。」
深々と頭を下げたイトの足元はふらついてた。
巽橋の欄干に片手を置いて身体を支えるので精一杯である。
「わかったからはよ帰って寝ぇや 穴埋めはアフターはやめて同伴がええ。」
「同伴やったら眠たいって言わんやろ・・・・」
多々良さんのこの一言で場が和み今まで怒り顔だったアキの顔にも笑顔が戻っていた。
『多々良さん、これから「ラポー」に行きますけどご一緒にどうですか?』
「いいですか?ほな、ご一緒させて頂きますわ」
『アキも気分直しに一緒に来(き)い』
「は~~~ぃ♪」
アキからは今まで怒っていたのが嘘のような軽いのりの返事が返ってきた。
通りかかったMKのタクシーにイトを押し込んだ。
窓をいっぱいに明けてイトが笑いながら手を振ってきた。
「皆様の本日のご厚情にイトは心から感謝を申し上げまする~~~~」
「多々良さ~ん、いつまでもお元気で~~~~」
「夢さ~~ん、あっ!夢さんは長生きするわ!憎まれっ子・・・なんちゃらゆぅし」
こいつ、おちょくっとるわ(笑)
「アキ~、あんたもおおきいなってイトも涙が出るくらい嬉しいわ~」
と言ってハンカチで目を押さえだした。
「イト、これで安心して家に帰ってこころおきなく寝れますわ♪」
なに芝居がかったことしとんねん!
『運転手さん、はよ車だしてんか』
運転手も笑っていた。
車が動き出しても窓から顔を出し思いっきり手を振りながら
「みなさん、お達者で~~~~イトは女衒に売られ夢の世界へと旅立ってまいりま~~~~~すぅ」
花見筋を行きかう人も唖然として車を見送っていた。
あとに取り残された私たちは恥ずかしさでいっぱいである。
思わず顔を見合わせながら苦笑いをするしかなかったのである。
『ほな、行きましょか』
二人を促すように「ラポー」へと向かった。
「ラポー」は一流の料理旅館の地下にあるお店で祇園でも老舗の一つに数えられるサパークラブである。
ここに出入りできるのも憧れの一つとなっている。
入口は重い木製の扉が常に閉まっており入口横にあるカードリーダーで会員カードを通すかその横のインターフォンで名前を言わないと扉が開かないようになっている。
「夢です」とインターフォンで名前を告げた。
重い扉が開き中から「いらっしゃい」の声がし、オーナーの銀ちゃんが出てきた。
『後から「扇」とこの子が何人か来るし頼むわ』
店の中は生バンドで店の子がオールディーズを歌っていた。
こうしてまたもやイトの我儘の尻拭いをする一夜となったのである。
イト常連を放置する・・・・・完
※次回は「イト、トイレに立て籠もる」をお話しさせて頂きます。
※これがラポーのHPです。宜しければ覗いてみてください。
http://www.kyoto-repos.com/
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