- 名前
- 咲子
- 性別
- ♀
- 年齢
- 42歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 黒髪・色白 それがお好きな方には良いかもしれません 男性が喜ぶところを見るのがこの上...
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宅配エロ娘の大失敗
2017年07月04日 00:31
うなされ必至の暑い夜、脳裏に蘇るデリバリー時代の忘れられない大反省を。
待機中、ボーイから声がかかり入った仕事は、4時間のロング。
支度して営業車にボーイと乗り込み、ナビと小沢健二のCDをセット。
場所はお店から車で40分。
車中では、最近同店の先輩と恋が始まったボーイの純粋な愚痴。
「もう稼がなくていいから、辞めて欲しい」
「独り占めしたくってね、俺」
なんて、聴くだけで疑似恋愛。
風俗嬢には染み入りすぎるごく普通の悩み(それが一番の贅沢)。
だーーー、秘密裏の恋だから、誰かに抱かれる彼女を配達して、誰かに抱かれた彼女を乗せて戻るんだもんなーーーって。
あっという間の恋話ドライブ。
短時間のご指名なら付近の駐車場待ちだろうけど、この日は4時間。
お店までの車中、どんな気持ちで独り走るんだろうかと。
下手したら、戻ってすぐ、先輩を配達するわけで。
そんあことを考えながら、指定のマンションのインターホンを鳴らす。
ピンポーン。
「TOPのひかりです。」
「いらっしゃい、どうぞ。」
ガチャリ出て来たのは、20代後半とおぼしきさわやかでキレイな男性。
(呼ぶ必要ないでしょ、もはや)
男性の思慮に疎い当時のあたしには理解が追いつかない。
ただ、事実今、あたしはこの人の元にエロサービスを届けに馳せ参じたのであって。。。
おずおずと靴を脱ぎ、お部屋にお邪魔する。
「遠くまでごめんね?来てくれてありがとう」
女性と見紛うキレイなその人は、思いがけず低い声。
通されたお部屋は、二つの間接照明とたくさんの観葉植物。
ワンルームの広い間取り。
天窓からは雲隠れの月が覗く。
(なんじゃこりゃ。いよいよ風俗嬢なんかいらねぇ。)
ソファに座ると、丁寧に自己紹介してくれる。
こちらへの質問はその後。
「ひかりちゃんは、何人兄弟?」
「ひかりちゃん、趣味とかある?」
(この人とあと4時間後にフィニッシュできる気がしない。。。)
このペースだと、セックスより早く、恋が始まるわ。
一応プロなのに、あたし、バカヤロー。。。
お客様はカメラマン。
なるほどのセンス。
あたしも絵を描いているので、穏やかに、それでも確実に話に熱が入る。
さんまのまんま部屋よろしく、多様な飲み物。
「ひかりちゃん、何飲む?」
あたしはもはや、さわやかアンニュイ男子たるお客様の前に敗北感が際限ない。
「あたし、お酒が飲みたい」
お酒任せに、おっぱじめてやろうと目論んだ。
(ダサい、極めて情けない。)
するとお客様。
「俺ね、コーヒー落とすの得意だから、一杯入れていい?」
「ひかりちゃん、飲んでみてくれない?」
(どっひゃーーー、この人、EDもしくは、あたしが好みじゃないのに、人良くてチェンジできないんだわ)
でも終始穏やかに笑いかけてくださるお客様。
仕事させてもらわないと気が済まないあたしと、焦りゼロのお客様。
3時間が経過。
ただただ楽しいだけで。
目の保養になっただけで。
一個も色っぽい話が出ない空気を破って、あたしは伝えた。
「たくさんお金払うんだから、合わない子だったら、チェンジしていいんですよ?」
しばしうつむき沈黙の美男子。
自分で言いながら、わずかな切なさが浮かび、お客様のお顔を覗き込む。
その刹那、お客様があたしの瞼にキス。
「ひかりちゃんそんなだとできない」
「風俗嬢じゃないもん」
脳内でテポドン大爆発。
行きの車中の恋話を浴びせられたせいで、恋感覚がビシバシ研ぎ澄まされたあたし。
止まらん。
ルックス重視の女子にアクセサリー感覚で近づかれ、よもや恋なんかいらんと、風俗に踏み切ったお客様。
初めて自分からキスした。
一度キスしたら、お客様があたしの方に顔を埋めて気だるげにキス。
髪を撫でると、ため息のお客様。
「ひかりちゃん、添い寝していい?」
「もちろん」
(いやいや、あたしが拒むのは本番とアナルセックスくらいのもんですよ)
残り30分を切って、布団も敷いていないフローリングに二人転がり、腕枕・鼻キス・頬ずり。
たまに見つめあって軽いキス。
死ぬかもしれない、幸せ過ぎて。
そんなことしてるうちに、あたしのケータイが鳴る。
「ひかり、時間」
ボーイから。
五月蝿い。。。
心の底から。
「時間か、早いな。」
おもむろに起き上がり、あたしを起こすお客様。
「服、シワになってないかな?」
「すぐ下にお迎え?」
「帰り、気をつけてね」
「会えて嬉しかった」
「今夜は良く眠れそう」
代金を支払い、玄関にあたしを送るお客様。
(こういうのがいいお客様もいるんだな)
そう思いかけていた。
名残惜しくてキスしたあたしに、お客様がポツリ。
「したかったな、ひかりちゃんと」
だーーーー(泣)
あたしは大馬鹿もんです。
プロの風上にも置けません。
お店までの車中、ボーイの恋話を一切無視して、40分、自己嫌悪を吐露したおしました。
以来、風俗嬢であった短い2年半の中で、エロいことをしなかったことは、一度たりともありません。
あたしは風俗嬢なんだ。
そんな自覚が芽生えた、大反省の夏でした。
追伸:そのお客様、後日また呼んでいただき、入室同時に身ぐるみはがし合って、セックスしました(素股ですが)。
このウラログへのコメント
> 只野係長さん
ウラログにそぐわないエロなしネタを失礼しました。
こんな夜には思い出されて、うなされて。。。
次はいっちょ激しいのを笑
滅茶苦茶面白い!
文才ありますね
正直、裏ログのエロいだけのはあんまり興味ないんだけど、これは読み物として面白い 笑
すんなり読めてしまった
> あるかりさん
そんなそんな。。。
ありがとうございます。
素直に嬉しいです。
大々的には晒せないけど、忘れる前に残したいことを書き留めたくて。
お邪魔します。。
ココロの声ッパネ!(笑)
あま~い世界のおこぼれ、
タンノーさせて頂きました^ ^
ふーん、、
小沢健二ねー(*´艸`*)
> theworldさん
瞬間瞬間感情が振れる性分です。
激しいの、書けましたらお披露目を。
> がおがおぷーさん
心の声、焦り、猛省、顔に出てたと思われます。
若かったので笑
体験の内容はもとより、ストーリーの構成も巧みで楽しかったっす!
テンポよく読めるし想像(いや、妄想)できそうだし。
切ないなぁ・・・
人情交差点だね
咲子さんが素敵な女性だって良くわかります。
> のんびりまったりさん
皆さん一様に色々とおありだとは思います。
ただあたしは、小事ばかりが脳内にやたら残るタチで。。。
ありがとうございます。
> ジョーカー.さん
大変恐縮です。。。
稚拙な長文、お嫌にならないうちは、読んでください。
嬉しいです。
読んでいただくのも、妄想いただくのも。
> ラークさん
とんでもないことでございます。。。
ただ言えるとするならば、出会い運は完全にツイてまして。
先輩方の教えが素晴らしかったものと。
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