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成程話:結果を出す秘訣
2016年10月20日 23:53
ハーバード大学のフライヤー教授の実験です。
フライヤー教授が実施した実験は、大きく分けると2種類ありました。
ひとつは、ニューヨークやシカゴで行われたもので、教育生産関数でいうところの「アウトプット」、すなわち学力テストや通知表の成績などをよくすることにご褒美を与えるというものです。
「テストでよい点を取ればご褒美をあげます」は、こちらに該当します。
もう一つは、ダラス、ワシントンDC、ヒューストンで行われたもので、教育生産関数における「インプット」、すなわち本を読む、宿題を終える、学校にちゃんと出席する、制服を着るなどのことにご褒美を与えるというものです。
「本を一冊読んだらご褒美をあげます」は、こちらに該当します。
この2種類の実験のうち、子どもたちの学力を上げる効果があったのはどちらでしょうか。
インプットにご褒美を与えると、子どもたちは本を読んだり、宿題をしたりするようになるのでしょうが、必ずしも成績がよくなるとは限りません。
一方、アウトプットにご褒美を与えることは、より直接的に成績をよくすることを目標にしているのですから、直接的には、アウトプットにご褒美を与えるほうがうまくいきそうに思えます。
しかし、結果は逆でした。
学力テストの結果がよくなったのは、インプットにご褒美を与えられた子どもたちだったのです。
とくに、数あるインプットの中でも、本を読むことにご褒美を与えられた子どもたちの学力の上昇は顕著でした。
一方で、アウトプットにご褒美を与えられた子どもたちの学力は、意外にも、まったく改善しませんでした。
どちらの場合も、子どもたちは同じように喜び、ご褒美を獲得しようとやる気を見せたにもかかわらず。
「学力の経済学」
中室牧子著
ディスカヴァーより
なぜ、結果にご褒美をあげるほうが、学力向上に向いていなかったのか?
ポイントは、「何をすればいいのか?」が分からないことにあるようです。
「結果を出しなさい」「テストでいい点とったらあげる」「通知表次第でご褒美を」
これでは、何をしたらよいのかが分かりません。
しかし、「宿題をしたら」「本を読んだら」「今から1時間、今日の復習で教科書を読みなおしたら」と“具体的に”示すことが大切だったのです。
これは、子どもだけではなく大人も一緒かもしれません。
「何をしたら商売が繁盛するのか?」「どうしたらお客様に喜んでいただけるのか?」
こういった疑問の答えが分からないまま、「結果を出さなきゃ」「喜んでもらわなきゃ」と一生懸命やっています。
だからこそ、「商売繁盛の仕方」「お客様を喜ばせる秘訣」を繁盛店に学ぶ必要があるのです。
分からないまま結果を求めるのは、さきほどの子どもたちと一緒で、結果が出ない人の特徴です。
せっかく一生懸命にやっているんだから、その一生懸命さを結果につなげるためにも、「結果」に投資するのではなく、「過程(学び)」に投資していきたいですね♪
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