- 名前
- pinkno-bura
- 性別
- ♂
- 年齢
- 61歳
- 住所
- 岩手
- 自己紹介
- 女装のまま女性として日々を暮らしております。
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霞んでいく記憶・・・その4
2018年12月11日 23:37
あら?デジの方に日記を書くのってずいぶんとお久しぶりになっちゃったみたいだわん
では、これはあたしの書いている小説の最新のページになるのよ
なぜ雪子が35年ものときを経て夏樹に会いに行ったのか?
その答えがこれから分かるの・・・そのちょっと前まで書き書きしたので
そのページをアップしてみるわね^^
霞んでいく記憶・・・その4
冴子が来た事で話すのを遠慮する愛奈の姿に夏樹が語り掛ける
「どうしたの急に遠慮しちゃって」
「いえ・・・あの・・・」
「冴ちゃんかしら?」
「いえ、そういうわけでは・・・」
「あたしね、子供の前だけの親の顔って好きじゃないの、冴ちゃんがそばにいてもいなくても何も変わらないあたしでいたいの、だから冴ちゃんの前でも何一つ隠さないで何でもお話をするのよ」
「あっ、プリンさんがきたですよ」
冴子が階段を上がってくる裕子を見つけて憂いそうにクマのぬいぐるみに声をかけた
「はい、冴ちゃん、それからこっちはクマさんにね」
「クマックマくんのプリンさんがきたですよ」
嬉しそうに話す冴子を笑みで包み込みながら裕子は夏樹と愛奈の前にカフェオレを置いた
「ねえ、夏樹さん?」
「ん・・・?」
「あのね、ひとつ分からない事があるんだけどいいかしら?」
冴子の前で不通に話をし始める裕子を愛奈は少し驚いたように見返していた
「あら?どうしたの愛奈ちゃん?」
「いえ・・・あの・・・」
「冴ちゃんがいるのに私が普通に話をし始めようとするからかしら?」
「ちょっとびっくりしたっていうかなんていうか」
「ふふっ、普通はそうよね、でもこれが夏樹さんなのよ」
「私ってダメですね、変に気を遣っちゃったりして」
「夏樹さんって愛奈ちゃんと話す時に愛奈ちゃんに気を遣ったりしないで何でも話してくれるでしょ?」
「それは冴ちゃんも私と同じなんですね」
「そうよ、それが夏樹さんの愛し方でもあるの・・・というか私にはそうじゃなかったわよね夏樹さん?」
「それもあたしの愛し方なのよ、それよりもなに?分からない事って」
「ふふっ、そういう事にしておきましょうね、それでね実は雪子がちょっと変な事を言ってたのよ」
「変な事・・・?」
「ええ、さっき夏樹さんは雪子が私たちは夏樹さんに会いに来る事を知っていたって言ってたでしょ?」
「そうよ、それが変なの?」
「ううん、そうじゃないんだけど、1か月くらい前になるかしら?雪子がね、夏樹さんに会いに行ったその後の自分を探さないで放っておいて欲しいって言ってた事があったの」
「それでその後に最初で最後のお願い、とでも言ってたのかしら?」
「どうして分かるの?」
「何となくよ、何となく・・・」
夏樹が言葉を濁した・・・裕子は直感でそう感じた
いつもと同じように返した言葉でも夏樹を知る裕子には夏樹の言葉に違和感を感じた
そしてそれと同時に夏樹とそれなりの過去を持つ裕子には夏樹が言葉を濁す理由(わけ)も知っていた
それは、それ以上訊くな!という夏樹なりのある種の合図なのである
訊かれた事に何でもすらすら答えたり笑いを交えて話をしたり
時にはわざとおどけて見せたりする夏樹が言葉を濁す行為は
それはそのまま雪子に対して向けられている何かである事は裕子にも分かる
「ねえ夏樹さん?いったい雪子は何をするために夏樹さんに会いに来るの?」
「どうしたのよ急に?」
「そんな風にとぼけてもダメよ、夏樹さんはさっきから一度も雪子が夏樹さんに会いに来る理由(わけ)を言ってないわよね?」
「あら?そうだったかしら」
「という事は夏樹さんは知ってるのね?どうして雪子が夏樹さんに会いに来るのかって」
「その話し方だとあやつはあんたに言わなかったみたいね」
「それがね、言わなかったっていうよりも雪子自身もよく分からないって言ってたのよ、ただ夏樹さんに会わなければいけないって、どうしても会って確かめないといけないって」
「あやつらしいわね」
「それにね、きっとこれが最後になるかもしれないっても言ってたの」
「・・・」
「そしてこうも言ってたの、夏樹さんなら誰の生活も壊さないで終わりにする方法を選ぶと思うって、これっていったいどういう意味なの?」
「ほんと・・・馬鹿な子よね雪子って」
そう呟いた夏樹の視線がクマのぬいぐるみと一緒にプリンを食べている冴子を優しく包んでいく
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