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【くまモン大ヒットの舞台裏】

2013年05月09日 09:12

【くまモン大ヒットの舞台裏】

『くまモンの秘密地方公務員集団が
起こしたサプライズ』(幻冬舎新書

くまモン大ヒットの舞台裏『くまモンの秘密
地方公務員集団が起こしたサプライズ
日刊サイゾー(2013年5月7日

 くまモンが好きだ。

 あのぽっこりとしたルックスと、体型に似合わない俊敏さ、そして空気を読まない行動……。くまモンのサイン会取材で出会って以降、かわいさ、サービス精神、そしてやんちゃぶりにすっかりと虜になってしまった。100メートル走11秒台、エアギターバンジージャンプにも果敢に挑戦……一時期は夜な夜なくまモン動画を見る日々が続いた。

 群雄割拠するゆるキャラ戦国時代を生き残り、もはやすっかり“体制派”となったくまモンを好きだと公言する行為は、“マスコミの裏をかく”というテーマを掲げる日刊サイゾー上において自殺行為に等しい。おそらく、読者は白い目でこの文章を眺めるのではないか……。まあ、いいか。

 先日「熊本県庁チームくまモン」によって上梓された『くまモンの秘密地方公務員集団が起こしたサプライズ』(幻冬舎新書)を引きながら、くまモンの素晴らしさについて語りたい。

 2010年に初登場して以降、11年の「ゆるキャラグランプリ」を獲得し、関連商品の売り上げは1年間で293億円にも上る。キャラクターライセンスを持つ熊本県庁では、くまモンのキャラクター使用料を求めておらず、熊本県のPRにつながる商品であれば、審査通過後、誰でも無料でくまモンを使用することができる。結果、熊本から遠く離れた関東スーパーコンビニでもくまモンの商品が並べられており、熊本のPRに絶大な効果を発揮している。その手法はまさに「フリーミアム」。時代に即した高度なマーケティング力で、われわれの日常に浸透しているのだ。すごい、すごすぎる……。

 そう、ゆるキャラ界の頂点に立つくまモンは、実は“テッパン”のキャラなのだ。

 アカデミー賞を受賞した『おくりびと』の脚本家であり、『カノッサの屈辱』『料理の鉄人』(共にフジテレビ系)などを手掛けるヒットメーカー小山薫堂プロデュースデザインアディダスやNTTドコモなどのアートディレクションで知られるグッドデザインカンパニー水野学。くまモンは生み出された当初からまったく「ゆるくない」血統を持ったサラブレッドであり、成功を約束された存在だった。本書での記述は薄いものの、くまモンの陰に広告代理店博報堂の優秀な戦略的プロモーションがあることは間違いないだろう。

 しかし、だからといってネット上で喧伝されているような“ゴリ押し”の批判は早計だ。どんなに血統がよくてもまったく走らない馬がいるように、いくらゴリ押しされても消費者に受け入れられなかったり、瞬間風速のブームに散る商品は多い。くまモンは、ゆるキャラグランプリ優勝後2年を経ても一線級の活躍を見せている。

 では、なぜくまモンだけが、ここまで愛され、稼げるキャラになったのだろうか?

 そもそも、くまモンは九州新幹線の開業に合わせて企画された「くまもとサプライズキャンペーンキャラクターだ。博多鹿児島中央を結ぶ九州新幹線が開業した時、影の薄い熊本県は多くの観光客にとってただの通過駅になってしまう可能性がある。「熊本で足を止めさせなければ……」観光客からスルーされるかもしれないという恐怖が、チームくまモンをひとつにまとめ上げ、くまモン躍進の原動力となった。

 だが、待ちに待った新幹線開業の日、くまモンは挫折を味わうこととなる。

 11年3月11日に発生した東日本大震災の煽りを受けて、3月12日に開業を予定していた九州新幹線の記念式典は中止・変更を余儀なくされた。全国から注目が集まり、くまモンの活躍が一番のピークを迎えるはずのその日、彼は被災地への配慮から出動することさえできなかったのだ。誕生から1年、くまモンとスタッフたちによる苦労は報われなかった。ようやく出動できるようになったのは、震災から2週間後のことだった。

 その悔しさをバネに、破竹の勢いで知名度を広げたくまモン。ゆるキャラグランプリ2011を獲得して以降は、知名度・ビジネスの両面で最強のキャラクターに君臨している。

 さらに、くまモンの成功は熊本県の職員たちの意識も変えつつある。

 設定上は“公務員”であるくまモン。吉本新喜劇に登場したり、企業とのコラボ商品の開発、ニセの失踪事件など、ヘタすれば県内外からの批判も招きかねない。多くの公務員ならば、広告代理店から提案されても「前例がない」と消極的になるだろう。しかし、チームくまモンは違った。東大教授から政治家に転身した蒲島郁夫知事の理解のもと、「迷ったらGO!」を合言葉に、どんどんと突き進むのだ。

「くまモンと一緒に仕事をしてつくづく思ったけれど、行政だからこんなことやっていいのか? と言って遠慮していてもいかん。県民や企業のみなさんのためになると思うなら『やるしこやってみる(やるだけやってみる)』のが大事かな」

 お役所体質とは無縁なその姿勢がなければ、いくら小山薫堂プロデュースとはいえ、有象無象ゆるキャラとして埋没していただろう。失敗を厭わない彼らの心意気があってこそ、くまモンの成功はあったのだ。

 かつてはほとんどなんのイメージも持たれていなかった熊本だが、今ではくまモンか坂口恭平かというくらいにキャラが立った県になった。しかし、チームくまモンにとっての本当の戦いはこれからだ。くまモンを通じて、熊本の本当の魅力を伝え、観光客を呼び込めるか否かが、くまモンを生み出した「くまもとサプライズキャンペーンの成否を決定する。

 頑張れ、くまモン。
(文=萩原雄太[かもめマシーン])

    ◆この記事の著作権は、日刊サイゾーに帰属します。◆

naoki-XYZコメント

くまモンは、一流スタッフによる作なので血統書付きのようなものですね(*^^*)。

九州新幹線の開業式でお披露目の予定があったとは、知りませんでしたね。

私がくまモンの存在を知ったのは、TV番組で同じゆるキャラのばりぃさんと相撲をとってるシーンでした。ゆるキャラ同士の対決はインパクト大でした。

これからも、くまモンは多くの人々に愛されるでしょうね。

ガンバレくまモン♪

(´・ω・`)naoki-XYZ

◆You Tubeが見られない海外の方ゴメンなさい(T.T)
『くまモン新曲を初披露森高さんらお祝い』
 ★クリック動画再生開始。
   欄外クリックで本文に戻る。
   (スマホは、再生画面右上クリックで本文に戻る。)
   ↓(1:14)
http://youtu.be/lnt2JrjXtcU

このデジログへのコメント

  • ゆうら 2013年05月09日 16:40

    デザインが洗練されていると思ったら、こんなすごいスタッフが後ろに控えていたんですね~!

  • 笹熊猫 尚輝 2013年05月09日 20:26

    > ゆうらさん

    あまりの豪華な布陣にビックリしました

    船橋市非公認のゆるキャラ
    ふなっしーがかわいそうに見えてきましたw

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