どこからか...

ら
から
か....

どこ
か
らか...

隙間風の
首すじに
感じて...

列車の
窓際の冷たい
鋼板...

三段並んだ
寝台の
どこかしら

選ぶにしても
最上段は天井迫り
息苦しく、

何かと動き易い
最下段は、
上の段の物音

レールの継ぎ目を
忠実に拾う、車輪の
背中に感じて...

真ん中の段は、
上からも、下からも
悩まされるいびき...

隣の男の足げり
よじり、身の動き、
その都度の寝台のきしみ

人生は、
居心地のいい病室の
中の位置取りと
ボードレールは語ったが

三段並んだ
寝台列車の中の
選択...

ひたすらにレールの
継ぎ目を拾う
欲望の...

きしみながら
ブレーキをかけつつ、
直進し続け...

云うならば、
欲望の......

上の段の
父の寝息、寝付けない母の身のよじり...

まだ起きている
超自我の
制止....

どこ
からか
ら

どこら
か
しら....

ど
こら！
どこら

か
し
ら

最上段の
だれ
か....

床下の
ひたすらにレールの継ぎ目を拾う欲望の....

どこ
か

らか....ら

どこら
か

らか....ら

からからからからからからからからからからからから