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嫌な男っ!Alex・・・(03)

2006年06月27日 10:40

ある日、Kevinから電話があった。

「●●の機能のことで、どうしても、今日確認したいことがあるんですけど」
「あら、じゃあメール送っといてくださいな」
「ちょっとでいいので、お時間とってもらえませんか。技術担当の者も同席させたいので・・・」
「今日ですか?今日なら、20時半から・・・うーん、30分。
 いや20分くらいになっちゃうかも。駄目なら・・・23時半頃かなー。」
「あっ、助かりますっ」

そうしてKevinが連れてきたのが、Alexだった。
開発部のゆりこです」
「ゆりこさん、こちらがうちのチームで技術担当のAlexです。
Alex、ゆりこさんには今回のプロジェクトですごくお世話になってるんだ」
「営業部のAlexです。技術を担当してます。よろしく」

手短に挨拶をすませ、自分でお茶を出し、
設計図を見せてもらい、仕様の説明をして、
問題点を洗い出したところで、
タバコ、吸ってきていいですか」と言う男が・・・
(社内禁煙喫煙ボックスの中だけ喫煙可能)

目を上げると了解よりも早く、
Alexライタータバコを出して、今にも席を立とうとしていた。

むっ・・・なによ、時間ないって伝わってないの?
ほんとに20分で帰ってもらうわよ?
「・・・どうぞ?」

席を立つAlex
「じゃあその間に、飲み物でも買ってきましょうか」
お茶は出してるし、おかわりも出すって言ったのだけど、
Kevinは気を遣ってくれたのだろう。
「いいえ、済ませてしまいましょう。後で説明してあげて」

課題について確認が終わり、
回避策について回答をすませ、ふと一息ついたところで、ぽつりとKevinが言った。
「あいつ、Alex婚約者がいるんですよ」
はぁ・・・。そうですか、だから?という内心は隠しつつ、にっこりと
「あら、うらやましいですね」

・・・あれれ。そこで会話が途切れた。
うつむくKevin。
所在無げに手帳をぱらぱらめくる指は・・・あら案外綺麗じゃないのね。
特に爪の形がよくないわ。Kevinって爪を噛む癖があるのね。

しーん。

何よ?
気まずいじゃないのっ。
Alex婚約者がいるのはKevinにとってなんか問題なの?
でもそれって私には関係なくない?

そこへやっとAlexが帰ってきた。
なによ、この男。タバコ欲求のコントロールもできないの?
打ち合わせの最中くらい控えなさいよっ。

「相談、終わりましたから。後でKevinに聞いてくださいね、じゃあ」
と、微笑のまま席を立とうとすると、
「ゆりこさん。冷たいもの、飲んでいきませんか?ちょっと休憩がてら」
とKevinが呼び止めた。
お茶ならこっちで出すって言ってんだけどなー、
飲み物買うって言ってくれるの、2回目だしなー、
断るのも申し訳ないし、ちょっとだけなら、ま。いっか。
「・・・ええ。じゃあ、ちょっとだけ」

頷いた私を置いて、Kevinは自販機に向かった。
ほとんど距離はなかったけれど、
Kevinに聞こえないように会話するには充分な距離だった。
「知ってる?あいつ、Kevinってさー、同棲してる彼女いるんだぜ?」
二人になって最初に声をかけたのは、隣に座ったAlexだった。

・・・はい?
あのねー、あんたたちねー。
そんなこと、私になんの関係があるのっ?!
それより何で私の隣に座ってるの?!
打ち合わせの続きなら向かいの席に戻りなさいっ。
打ち合わせ終わったと思うのなら、帰りなさいよっ。
それにねー、人の噂より、仕事の話を優先しなさいっ。
(この間、約1秒)

突然のことに、私は言葉を失い、
Alexを冷ややかに一瞥した後、それがわからないように
できるだけ艶然と微笑んで見せた。
「あら、そう」

そのあとこっそりため息をひとつ、ついた。
これが私とAlex出会いだった。

このデジログへのコメント

  • ケイン 2006年07月07日 02:39

    ちょっと休憩…(・ω・ )

  • ゆりこ 2006年07月07日 18:55

    一連を読んで頂いてるようで、ありがとうございます(^^)ずーっと続くので(この後修羅場)お気軽にどぞ

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