エスター

天使はほんとうにいる





エスターは９歳


ロシアで生まれ


孤児になった女の子


頭が良くて


絵と歌がうまくて


あどけない笑顔が魅力的


お人形のようなファッションを好み


手と首にはおリボンをつけ


いつもお姫様みたいで。。。


孤児院で


その少女をみつけたとき


エスターはきっと幸せを運んでくれる


ジョンとケイトのコールマン夫妻はそう思った


晴れて養女になり　


家にやってきた日から


次々となぞめいた事件が起こり始める


そしてなぜか


事件の起こるところには　


エスターの姿が。。。


徐々に　


ケイトにだけは


冷酷な一面を見せはじめるエスター


何かがおかしい


ケイトは


エスターの過去を


ロシアに問い合わせる


ジョンは


かつてアルコール依存症だった妻の妄想だと決めつけ


次第に夫婦の絆もほころび始め。。。


そしてついに


エストニアから


エスターの正体を知らせる


一本の電話が。。。





悪魔はほんとうにいる


ようやく気付いたとき遅し





『エスター』（２００９年アメリカ映画）
監督：ハウメ・コジェ＝セラ
出演：ベラ・ファミーガ　ピーター・サースガード　イザベル・ファーマン　CCH・パウンダー　ジミー・ベネット　アリアアーナ・エンジニア




この　一度見たら忘れられないくらいインパクトある　エスターちゃんのポスターに一目ボレし　予告編も観ず　なんの前知識も無く観にいった作品です

ポスターの印象以上に素晴らしい作品でございました

巷では、ホラーえーがと紹介されているそうですが　良く出来たサイコ・サスペンスだとアタクシは思います

アタクシにとって何が素晴らしいかって

養女としてコールマン夫妻に引き取られたエスターちゃんと親子４人のやりとりです

幼い妹のマックスを服従し　殺人のお手伝いをさせ

長男のダニエルを威圧し　挙句の果てに半殺しにし

妻ケイトの信頼を　夫ジョンからものの見事に失墜

そして　父親ジョンの愛情を独り占めしてしまう

人の心理を旨くついて人間関係をボロボロにしてしまうエスターちゃん

エスターちゃんが陰湿かつ入念に　一家を崩壊させる様を時間をかけて描いています

それは観ていて思わずニンマリしてしまうくらいの悪魔っぷり（劇場で声出して思わず笑ってしまいましたよ　アタクシ。。。）

本当に可愛いです☆


そして

エスターちゃんの正体

これが　この作品の鍵でございますが　彼女は悪魔でも　幽霊でも　宇宙人でも無い　正真正銘の人間です

クライマックス近くで明かされる彼女の秘密を逆算した上で　全ての行動が成り立っており　ここでどう感じるかが　この作品を好きになれるかの分かれ道のような気がします

彼女は　自分の宿命を呪って生きてきたんだと思います

宿命のせいで　本当の自分は誰からも愛されない

本当の自分を愛してもらえない　悲しみ　憎しみ　恨み

物語の序盤　彼女は描いている絵には全て物語りがあると言いました　　

それは　彼女が何よりも欲しかった愛の物語


愛されたいのに愛されないことほど　女にとっての絶望はありません

そう　女は誰もがお姫様のように　尽され　愛されたいのです


そんな想いが　全ての狂気の根源であるかと思うと

悲しくて　悲しくて　しょうがなかったです

アタクシも同じ宿命を背負っていたら　こうなっているんじゃないかって思います。。。