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代償No.32

2018年05月24日 00:14

代償No.32





あの人は部屋の奥で待っていると疑いもしなかったのに…

それなのに…

揺れる視界のすぐ先に突っ立っていた。


どうして?

そう思いながら部屋に入り後ろ手でドアを閉めた瞬間、

より鋭くなった視線に絡め取られ…

驚く間もなくドアに背中を押し付けられて強引に口を塞がれた。


色々なことがあった後だからなのか…

最初口づけられた時のあの恍惚感が蘇った。

歯列を舌先でなぞりながら犯されているのは口腔内ではなく、

この醜い心の奥底。

嬲られながら何もかもドロドロに溶かされて、ただ溺れていく…


朦朧として膝が崩れるのは、一気に流し込んだアルコールのせいか、

それともこの人がくれる悦楽の虜にだからなのか…

自分の意思とは裏腹に背中のドアの感触を感じながら

ゆっくりゆっくりと重心が下がり始める。


その時、口が自由になったと思ったら今度は強く抱き竦められる。

なんなのいったい?


再会を待ちわびた恋人のように拘束されながら…

最初に一瞬見えたあの人の顔は今どんなふうなのだろうか?

なんでこんなことをするのだろうか?

浮かぶのはいつもと違う事への違和感と疑問ばかり…

それでも躰は確実に昂ぶっていて、目指す先へと確実に駆け上っている。

それがあの人の手によるものだとわかっているからこそ…


抱擁が解かれ、熱が少しだけ遠ざかったが、

私をじっと見つめる瞳には獰猛な炎が灯りゆらゆらと揺れていた。

負けじと睨むように対峙して見つめ返してみたが…

執念に似た強い光を宿す気迫に勝てるはずもない。


この人のこういうところに魅かれてしまうのだろうか?

これほどまでに私に執着し、欲しがってくれる人は今までいなかった。

どこまでいっても、孤独と隣り合わせだった私の…

女としての寂しさに付け込まれてしまった。


「異動するまででいい…

それまででいいから、もう少しだけ俺の側にいてくれ」

それは懇願に似た命令…

でなければあんなものにサインなんてさせないはず。

それでも何もかも受け入れるつもりだからこそ背中にある…

この扉を今夜超えてきた。

覚悟を決め黙ったまま、ただ首を縦に一度だけ動かした。


目の前で右眉が上がるあの艶やかな表情を久々に見た気がした…

「今夜も狂うほどイカせてやるよ」

抱き上げてから耳たぶに前歯を立て、べろっと嬲る。

「ひゃんっ」

逃げることを諦めた躰は、どんな些細な刺激にもただ従順に応えてしまう。

「さあ、淫欲の世界へ…」

それから部屋の奥に向かってしっかりとした足取りで歩き始めた。


「ひなは耳、弱いだろ?」

シーツの海に大切に降ろされながら、耳元でそっと囁かれる。

その吐息がくすぐったくて、物知りな躰が悦びに震えた。

さっき噛まれた甘い痛みが残る中、

重ねるように与えられるくすぐるようなむず痒い感覚。

相反する刺激のはずなのに、それにも応えてしまう躰…


もう何も考えたくない…

この掌にひとたび捉えられたら、強引で刻み付けるように

与えられる快楽に酔い、淫らに狂ってただ啼き喚き続けたい…

目を閉じ震えの残る火照った躰のまま、私はその次の愛撫を待ち、

無抵抗を示すように両手を頭の上に組んだ。

空気はピンと張りつめ、熱を帯び、お互いの息遣いだけが

その静寂根底を震わせる。


自然と耳に神経が集中すると、あの人が身じろぎする音が流れてきた。

服の衣擦れの音…

ベルトを緩める金属音が響いて…

ズボンがベルトと共に床に落ちる。

それに続いて…

足音が近づいてきた。

いよいよと思い躰を強張らせ、次の快感を期待しながら

胸も躰も震わせていても…

いつまでたっても何も起きない。


私は目を開き、マットレスに沈み込んだ躰を少し起こして

さっき物音のしたあの人のいる方へ向いた。


視線がねっとりと絡み合う。

舌先が絡む以上に、濃厚な交わりに目だけでイきそうになって…

快感五感で感じるモノなのだと教えたのはこの瞳だったと思い出す。

想像通り何も身に纏わず立っていたあの人が

ゆっくりと口角を上げこちら向かって歩き始め…

ベッドの淵に膝をかけて、上半身だけ起こした私の躰に跨って、

みたび耳元に顔を寄せ囁いた。


「待っていても、これ以上は何もないぞ?

まずは自分でイッテみせろよ。そばで見ていてやるから…」

私は一瞬言葉の意味が解らなかった…

茫然とする私の躰から、何の未練もないとばかりにスッと降り、

ベッドの足元に胡坐をかいて座った。


「見ろ…

これじゃ使い物にならん」

自分のモノを右手で弄りながら真顔で視線を投げる。

淫乱な寂しい人妻でも演じてみたらどうだ?

欲求不満で爆発寸前の今のおまえにはぴったりだ」

その言葉に俯く。私はそんなふうに見えるのだろうか…

押さえて我慢することをそんなふうに蔑まれないといけないのだろうか?


「どうせ夜な夜な独りでシてるんだろ?

それだけ敏感な躰がこんな数の逢瀬じゃ足りるはずないだろう。

できないなら、今夜はこのまま独り寝したらいい…」

これは単なる脅しなのか?本気なのだろうか?

困惑する私をよそにあの人は口角を歪ませながら、

ただこちらを見つめるだけだった…



だらりと垂れたモノをこれ見よがしに見せつけながら、

静かにほくそ笑むあの人。

まさか、本当にここでこれからしろというのだろうか?


あれは躰が火照りざわめいて眠れない時、

どうしようもなくて独り密やかにスルもので、

自分でするからそれなりにキモチイイ所はわかっていても…

快感が引いたと同時に湧き上がる虚しさと後味の悪さは

例えようもないほど不快だ。


それを、ましてこの人の前で見せろなんて考えられない…

恥じらうフリをして膝を擦り合わせながら後ずさろうとすると、

左足を掴まれた。


「逃げるな…

本気で独り寝するつもりか?」

もの凄い力で、あの人の元へ引きずられていく…

「今更何を守るんだ?プライドなんかくそ喰らえだ。

お前が何もかもかなぐり捨て、ただ堕ちるてくるのを見届けてやる…」

お尻があの人の前で止まったと思ったら、

履いていたストキングを片足ずつ乱暴に引き抜かれた。


「全部脱げよ」

目を見開き驚いて固まる私の視界に…

ストッキングが飛んできて膝の上に落ちた。

その瞳に宿る加虐の色に息を飲む。もう何を言っても無駄だろう…


「なんなら引き裂いてやろうか?

その方が好みの無理やりされてる感じが出るだろう…

でも最後スルかどうか決めるのはお前自身だ」



暗闇の空気は張りつめ、にらみ合いが続く。

それは互いに譲れないものがあるからこそで…

そこを飛び降りて堕ち、こちらに手を伸ばすあの人と、

堕ちきった越えたと思いながら、

結局何も変わっていなくて変わりたくない私。


でも…

伸びてくる手を取る覚悟をしたからここにいる自分。

どこまでもどこまでも堕ちていく…

堕ちているのにタブーなど必要なのだろうか?

踏みとどまる訳は?

そんなモノ、なにも意味はない…

ここではタブーなんていらない。


まだ…

でも……

もう………

長い間その瞳に囚われながらも…

自問自答した。


そのせめぎ合いの後、私は何もかもを悟ったように諦めて

ゆっくりと1枚1枚服を脱ぎ始めた。

下着姿になり、顔を上げると目の前の全裸の男の右眉がピクリと動く。


「どこでしたらいいですか?」

言葉を一度切り、確かめるように見つめ合った。


「ここ?それとも…「そっちのソファー」」

私はただ頷いてベッドを降りた。

その姿をあの人の鋭い瞳が撫でる…

ぞくぞくっと快感が躰を駆け抜けた。

触れられてさえいないのにこんなふうに感じるなんて…

口角を上げ自嘲気味に微笑んだ。


演じられているだろうか?

堕ちていく悪い女を…



もうこれ以上その目を見たくなくて…

ソファーの前に立ち、瞼を伏せてから背中に手を回して

ブラのホックに手を伸ばして…

外す。

小ぶりの膨らみが戒めを解かれたのに、興奮して呼吸は急に上がり始めた。

ぶら下がっているだけの肩ひもを抜き、そのまま床に落とす。

自分ではコントロールできなくなった鼓動の音が

これでもかと耳に響き渡った…


ショーツの脇に両手の指を差し入れ

屈みながら足首に向かって引き下ろす。

右足を抜いた時、

「あぁ~、糸を引いて…」

突然耳に飛び込んできたその悩ましげに低く呻くような声色で躰が硬直し、

一瞬動きが止まる。

「そのまま脱いで、こちらに足を開いてよく見せろ」

高揚し頬を染めながらも、言うがままにソファーにお尻を沈め

両足を持ち上げて肘置きに乗せた。


それから…

戸惑う気持ちを振り切るように、勢いよく膝を割る。

いつもは秘められたソコが空気に晒された感覚に…

見られているであろうそこからはジュッと蜜が溢れる。

無意識でギュッと膣が締まりダラリと淫汁が溢れ、

その下にあるもう一つの穴まで撫でるように流れた。


「まだ脱いだだけでもうそんなに濡れてる

昼のすました顔の下に淫乱な躰を隠して…

そんなに欲求不満だったか?」







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