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人妻崩壊No.6

2018年02月25日 09:43

人妻崩壊No.6

「そうそう、特に奥さんくらいの年齢の女性には本当に多いんですよねぇ、欲求不満を抱えている方が。」


「どうなんです?奥さんは、旦那さんにちゃんと満足させてもらっているんですか?」


「……あ、あの……困りますそんな事……」


酔っ払った顔でしつこく聞いてくる男達に、さすがに菜穂も不快感を隠すことができなかった。


「小溝君は見るからに淡白そうだからなぁ。最近の言い方で言えば草食系とでも言うのかな。」


「まぁあのタイプの男はまず間違いなくそうでしょうなぁ。忙しさに負けて、奥さんに構う事ができずにそのままセックスレスなんて、よく聞く話ですからねぇ。」


確かに、智明はセックスに積極的なタイプではない。それは当たっていた。

特に2年前に仕事が忙しくなり始めてからは、実は智明と菜穂は一度もセックスをしていなかった。

いや、本当の事を言えばその前から、2人目の子供を出産した辺りからセックスの回数は大幅に減っていた。

菜穂がその事に不満を持っていなかったと言えば嘘になる。

どうしてだろうと何度か考え、悩んだ事もあった。

これ以上子供を増やす予定はなったから、もしかしてそれで智明はもうセックスは必要ないと思っているのかな、とか。

私にはもう女としての魅力を感じなくなっちゃったのかな、とか。



菜穂にだって性欲はある。

天野達に言われるのは嫌だったが、確かに30代になってからは特にそういう気分になる日も多くなった気がする。

でもだからと言って当時はその不満を智明に打ち明ける事なんてできなかった。

恥ずかしかったし、日々生活する上でセックスはそれ程優先順位が高いものではなかったから。

そしてやがて智明の会社が傾き始め、全くそれどころではなくなってしまった。



「おや?奥さんその表情は、もしかして図星ですか?」


「……えっ!?」


自分達の性生活について少し考え込んでしまっていた菜穂は、そう声を掛けられてハッとして我に返った。


「ハハッ、そうですかぁ、やはりどこの夫婦も同じようなもんですねぇ。小溝君の場合は前の会社でも忙しく働いていたようだし、まぁある意味仕方ないですな。しかし、それだと奥さんは可哀想だなぁ。」


「そうだよなぁ、こんな美人に家事と子育てだけさせてほったらかしにしておくなんて、実に勿体無い。」


「い、いえ私は……あの……」


「まぁもし私の妻が奥さんのような美人だったら、そんな風にはしないがね。逆に毎日でもこちらからお願いしたいくらいだよ、ハハハッ!」


「ハハッ、私もこれだけの美人さんなら、例え腰痛を抱えていたとしても頑張りたくなるでしょうね。小溝君は本当に勿体無い事をしているよ。その辺りも今度しっかり説教せねばならんですね。」


エスカレートしていく男達のセクハラ発言に、菜穂は怒る事もできず、ただ顔を赤くしながら耐える事しかできなかった。

こんな宴会早く終わってほしいと願いながら、時間が経つのを待っていた。

この宴会さえ終われば、明日は帰るだけなのだからと。

しかし菜穂のその考えは甘かった。

宴会が終わっても、まだ夜は続く。菜穂にとっての本当の困難は、ここからだったのだ。


「え~皆さん、まだまだ話はこれからという方も多いとは思いますが、こちらの会場を利用できる時間もあと僅かとなって参りました。ですので、そろそろこの宴会はお開きにさせて頂きたいと思います。」


「この後お部屋に帰られる方はお気を付けてお帰りください。また、こちらの大浴場は夜中の1時まで利用可能ですが、くれぐれも酔っぱらった状態で入ったり、そのまま温泉で寝てしまったりと、非常に危険ですので、そういった事のないように、くれぐれも宜しくお願い致します。」


宴会幹事達の挨拶が終わり、菜穂はホッとしていた。

やっと終わった……。

そして社員一同での一本締めが終わると、やがて社員達がゾロゾロと会場を出て行った。


「いやぁ今日は本当に楽しかった。これも小溝君の奥さんのお陰だな。」


「やっぱり美人さんと一緒に飲む酒が一番ですなぁ、ハハハッ!」


奥さん、ぜひ次の社員旅行にも来てくださいね。」


「はい、また宜しくお願いします。」


他の社員や、自分を囲んでいたお偉いさん達に「今日はありがとうございました」と頭を下げていく菜穂。

宴会が終わって気が軽くなった分、菜穂はしっかり丁寧に挨拶をしていった。

セクハラまがいな事を聞かれた時には思わず嫌な顔をしてしまったけれど、最後くらいはしっかり笑顔を見せておかないと。

印象が大事って、近藤さんも言っていたし。


しかし、ホッとしていられたのは束の間だった。

挨拶に回っていた菜穂を、あの男が呼んだ。


奥さん、ちょっといいかな?」


菜穂が振り返ると、そこにはニヤニヤと笑みを浮かべた天野が立っていた。

菜穂は天野のその表情を見た瞬間に嫌な予感がした。


「ぇ?あ、はい、なんでしょうか?」


そして天野は菜穂に近づくと、周りには聞こえないような小さな声でこう話し始めた。


奥さん、この後どうですか?私の部屋で一緒に飲みませんか?」


「えっ?」


菜穂は言葉を失った。

……嘘でしょ……

もうこれで終わりだと思ったのに……


「どうもまだ飲み足りなくてねぇ。あ、そうだそうだ、さっき言った露天風呂もありますし、どうです?足を浸かっていくだけでも気持ち良いですよ。」


天野の言い方は、冗談で言っているような感じではなかった。


「は、はぁ……でも……」


菜穂が少し困惑したような顔をしていると天野はこう続けた。


「それに、そこで小溝君の本採用の事についても大事な話をしたいんだよ。」


採用の、お話ですか?」


「そう、本当は宴会が終わったら小溝君と話そうと思っていたんだがね、もう小溝君は寝てしまったんだろう?だから代わりに、奥さんと今後についてしっかり話がしたいんですよ。」


「……あの、でも、そんな大事なお話、夫がいなくても大丈夫なんでしょうか?」


大丈夫大丈夫!まぁ確かに大事な話ではあるが、それは明日にでも奥さんから小溝君に伝えてくれればいいから。」


「は、はぁ……」


「という訳だから、来てくれますよね?大丈夫ですよ、話はすぐに終わりますから。」


当たり前だが、菜穂は嫌だった。

これがOL時代で自分の上司相手だったら100%断っている。

天野は大丈夫という言葉を何度も使っているけれど、やはり信用できなかった。

2人きりになれば、またバスの時のように髪や身体を触られるようなセクハラをされるかもしれない。

菜穂の不安は大きかった。

だが今回は事が事だけに……。

菜穂はさっき近藤に言われた言葉を思い出した。


〝もし天野部長の機嫌を損なうような事になったら、本採用の話は確実になくなると思いな。分かるよね?〟


そんな事態だけは絶対に避けなければいけない。

菜穂に選択肢はなかった。


「分かり……ました。」


「おぉ、じゃあ来てくれるんですね?」


「……はい。」


菜穂は俯き加減でそう返事をした。


「ハハッ、そうか、嬉しいなぁ。よし、じゃあ行こうか。実は女将に美味しい酒を運んでもらっているんですよ、今後の話をしがてら一緒に飲みましょう。」


そう言って天野は菜穂の肩に手を回した。

良い気になった天野にさっそく身体を触られ、菜穂の背中に寒気が走る。


……もう少し、もう少しだけの我慢よ……これも智明のため、家族の未来のためなんだから。



天野と共に部屋に向かう途中、菜穂はずっと心の中で葛藤していた。

言われるがままにここまで来てしまっているけれど、本当にこれで良いのだろうかと。

しかしそんな風に迷う時間もそれ程なく、2人は部屋に着いてしまった。


「さ、どうぞ入ってください。」


「……し、失礼します。」


菜穂はドアの前で一瞬躊躇するように立ち止ったものの、天野に入るように促されると、ゆっくりと部屋に足を踏み入れた。

やはり既婚女性である菜穂にとって、夫以外の男の部屋に入るというのは物凄く抵抗があった。

でも今はそんな事は言っていられないのだ。

〝智明が本採用される事〟

菜穂の中ではそれが今一番優先されるべき事なのだから。


露天風呂付きだと言う天野の部屋は建物の最上階にあり、やはり他の社員達が泊まる部屋とは作りが違い、高級感があった。


「これだこれだ、女将が用意しておいてくれた酒、これが美味しいんですよ。さ、そこに座って。」


「……はい。」


言われた通りに部屋にあったソファに腰掛ける菜穂。

この時点で、なんだか長くなりそうだと、菜穂は感じていた。

そしておススメの酒を持ってきた天野は正面の椅子に座るのかと思いきや、嬉しそうな顔をして菜穂の横に座ってきた。バスの時と同じ、肩が触れそうな程の近さだ。

グラスを渡され、そこにたっぷりと酒を注がれる。








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