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人妻崩壊No.5

2018年02月23日 00:26

「あの、私はもう……」


「何を言ってるんだ、男なのにこの程度の酒が飲めないようじゃ、うちの会社じゃやっていけないよ。」


「は、はぁ……」


「さぁ景気よく一気にいきなさい。大丈夫、この酒はそんなに濃くない、水みたいなもんだ。」


「では、い、頂きます……。」


智明……あんなに無理して大丈夫かな……


酔っ払ったお偉いさんの中の一人に絡まれている智明を見て、菜穂は心配で仕方なかった。

一気飲みの強要なんて、典型的パワハラだ。

そして一方、菜穂は菜穂で相変わらず天野に掴まってしまっていた。


「ところで、どうでした奥さん、ここの温泉は。なかなか良かったでしょ?」


「はい、とっても。お湯も良かったですし、浴場も綺麗で清潔感がありましたし。」


「そうでしょう。実はここの温泉は私のお気に入りでね、プライペートでもよく来るんですよ。だから私はここの女将さん仲居さんとも仲が良くてねぇ。」


「そうなんですかぁ。でも本当に良い所ですよね、お料理も美味しいですし。」


「それでね奥さんここだけの話なんですけど、実は今夜僕が泊まる部屋には露天風呂が付いているんですよ。」


「お部屋に露天風呂ですか、それは豪華ですね。」


「ハハッ、こんな事社員達に知れたら文句を言われそうですけどね、なんで部長だけって。でもその露天風呂が最高なんですよ。檜風呂なんですけどね、そこから見える景色も最高だし、雰囲気がとても良いんですよ。」


「そうなんですかぁ、良いですね、檜っていうのがまた。」


「そうでしょう。どうです?奥さんも入ってみたいですか?」


「え?私……ですか?入るってあの……」


露天風呂ですよ。奥さんなら特別に入れてあげますよ。」


「ぇ……でもそんな……」


大丈夫、覗いたりしませんから、ハハハッ!あの露天風呂は本当におススメですから、遠慮しなくてもいいんですよ。」


「はぁ、でも……」


部長の部屋のお風呂に入りに行くなんてできる訳ないじゃない……と、菜穂は困り果てていた。

だが丁度その時、近くで酒を飲まされ続けていた智明の身体に異変が起きた。


「お、おい君、大丈夫かね?」


その声を聞いた菜穂が智明の方を見る。


「智明っ!?」


驚いた声を出して、慌てて智明のそばに寄る菜穂。

さっきまで酒で真っ赤になっていた智明の顔色が真青になっていたのだ。


「智明大丈夫!?」


「だ、大丈夫だよ……少し気分が悪くなっただけから。」


周囲からは「ほらぁ飲ませすぎるからですよぉ」という声。

しかし智明に酒を飲ませていた当人は「そんなに量は飲ませてないけどなぁ。困るなぁ飲めない体質ならそう言ってくれないと。」と全く悪びれた様子もなくて言っていた。

菜穂はそれを聞いて内心怒っていた。

……無理矢理飲ませてたくせに……


「す、すみません。少しお手洗いに行ってきます。」


そう言って立とうとした智明だったが、足元がフラつきまともに歩けない。

言葉こそしっかりしているものの、智明はほぼ泥酔状態だった。


「智明、私に掴まって。」


「ごめん菜穂……」


「ううん、歩ける?」


菜穂の身体に寄り掛かるようにする智明。

しかし女性の菜穂1人ではフラつく智明を連れて行くのは厳しい。

するとそれに気付いたあの男が近付いてきた。


「菜穂ちゃん、俺も手伝うよ。」


「あ、近藤さん……すみません。どうもありがとうございます。」


「いいんだよ。おい小溝、俺の肩に掴まれ。」


そう言って近藤は智明をトイレへ連れて行った。

智明はトイレ嘔吐していた。やはり智明の身体が摂取できるアルコールの量を大幅に超えていたらしい。


「智明……大丈夫?」


吐き出したものの、すでにアルコールがかなり回ってしまったのか、返事もできない程グッタリしている智明。

そんな智明の背中を菜穂は心配そうに擦っていた。


「あの人毎回新人に一気飲みさせるからなぁ、困ったもんだよ。おい小溝、もう全部出したか?」


そう言って再び智明の身体を起こそうとする近藤


「じゃあ菜穂ちゃん、俺が小溝を部屋に連れて行くから。たぶん寝たらそのまま朝まで起きないと思うし。」


「そうですよね、じゃあ私も一緒に」


「いや、ここは俺に任せて、菜穂ちゃんは天野部長の所に戻った方がいいよ。あと、お偉いさん達にも一応謝っておいた方がいいかもね。」


「ぇ……あ、はい……。」


「それと菜穂ちゃん、1つだけ忠告しておくよ。天野部長やその周辺の人達はちょっとした事で不機嫌になりやすいタイプの人が多いから、あの人達の言う事はちゃんと聞いて、少しくらい嫌な事があっても逆らわない方がいいよ。もし機嫌を損なうような事になったら、本採用の話は確実になくなると思いな。分かるよね?」


「……は、はい……分かりました。」


「よし、じゃあ頑張ってな。これも智明のためだ。」


「はい。近藤さん、本当にありがとうございます。」


「いいんだよ、ほらもう戻りな。あんまり待たすと天野部長の機嫌が悪くなっちゃうよ。」


「はい。では智明を宜しくお願いします。」


そう言って菜穂は近藤の優しさに感謝しつつ、宴会場へと戻っていった。

しかしそんな菜穂の背中を眺めながら、近藤は表情を変えてニヤっと怪しい笑みを浮かべていた。


「フッ、まぁ今夜は大変だと思うが、精々頑張れよ菜穂ちゃん。」


「あの……皆様にご迷惑を掛けてしまい、大変申し訳ございませんでした。」


菜穂は天野部長とその周囲にいる者達に、深く頭を下げた。


「まったく困ったもんだ、あなたの旦那はあの歳で自分が飲める酒の量も知らないんだな。あれでは先が思いやられる。」


「まぁまぁいいじゃないですか、奥さんがこれだけ謝っているんだから。」


菜穂を擁護するようにそう言って笑顔を見せる天野。


「では奥さん、小溝君の代わりに私達に付き合ってくれるかい?」


「は、はい。」


奥さんは酒はいける口なのかね?」


「いえ、私もそんなには……。」


「でも全く飲めない訳じゃないのでしょう?」


「……はい。」


大丈夫ですよ、私は無理はさせませんから。」


「ありがとうございます。頂きます。」


天野に注がれたお酒に口を付ける菜穂。


「いやぁやはり美人だとお酒を飲んでいる姿も絵になりますなぁ。」


「本当だ、それこそ酒のCMを見ているようだ。」


「それに浴衣姿もよく似合う。なんというか、実に色っぽいですなぁ、へへへ。」


天野を始めとする男達からの視線に、菜穂は恥ずかしそうに顔を赤くした。


奥さん学生時代は随分とモテたんじゃないですか?こんな美人、周りの男が放っておく訳がないからなぁ。」


学生時代だけとは限らんでしょう。今だっていくら既婚者とはいえ、男に声を掛けられる事も多いんじゃないですか?」


「い、いえ、そんな事は……」


奥さんだったらどんな男も選び放題でしょう。結婚して子供が居ても、女性である事には変わりないんですから、本当は今でも新たな恋をしたくなる時があるんじゃないですか?」


「私はそんな、恋だなんて……」


「ん?じゃあご結婚されてからは旦那さん一筋ですか?」


「は、はい、もちろんです。」


「ほぉ~それでは益々旦那さんが羨ましいですなぁ。」


「しかし結婚8年目だと、色々と不満も出てくるでしょう?例えば、へへ、夜の生活とか。」


「ぇ……」


徐々に話が脱線していくから嫌な予感はしていたけれど、まさかそんな事まで聞かれるとは思っていなかった菜穂。

そんなの、答えられるわけがない。







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