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情事No.15

2018年01月15日 11:20

情事No.15




鈴村の薄い唇が、オレの張り詰めた亀頭を包み込んでいる。見ることは叶わない。オレは顔を上げて、鈴村のその姿を見ることができなかった。

けれどペニスは、それを明確に感じていた。
鈴村に包まれ、先端の鈴口にその舌先をソフトにねじ込まれている。

「そ、それは……っ! すずむ……くぅぅ」

「そうよ」

「言葉にして…笛木くん…」


そう言うと、鈴村は喉の奥までオレをくわえ込んだ。
ペニスを吸われながら深くバキュームされるのが、分かる。

す、すごい…。

鈴村の喉奥に、ペニスの先端が当たる。
AVで見るような、ハードなフェラチオだ。
アケミの得意技のひとつなのに、今は切ない気持ちしか湧かない。
ペニスを引き抜くと、鈴村は咳き込んだ。

「そんなこと、しなくて…。しなくていいよ」

鈴村は、あの潤んだ目でこちらを見返した。

「わたしが…したいの…してあげたいの」

その言葉に、オレのペニスはまた、クィっと締まっていく。痛いくらいの勃起だ。


鈴村は今一度、深く口に包む。
鈴村の口の中が、たまらなく温かで、そして溶けそうなほど柔らかい。唾液ペニスの全体を包み込み、口の中でクチュクチュとつばをかき混ぜる。幾千もの泡が性感の芯となったペニスを包み、吸われたり舌を絡められたりしながら刺激を受ける。

見たい、と思った。


男は視覚で性を感じる生き物だから。

オレは必死の思いで頭をあげ、股間に吸い付く鈴村を見た。

あぁ…。

あの時の輝く美少女が、唇を伸ばして、オレのペニスを吸っている。髪をこちらの太ももに垂らしながら、口を大きく開け、オレの性器を吸ってくれている。


頭の中に稲妻が光った。
いろんな思いがはちきれそうなほど、膨らんだ。
汚(けが)れなきあの時の美少女が、オレのを懸命に吸っているという事実。あの時の清楚さは失われている。あの時の高貴さは消えてしまった。


でも。

けれども。


これでいいんだ、と、オレには分かった。
だって、鈴村はオレのことを愛してくれているから。先のことは分からない。
今だけ。

今だけは、大人の恋心を抱いた本物のパートナーとして、懸命に誠実にオレを高めてくれている。

鈴村が好きだ。

世界の誰よりいま、鈴村を愛している。


天啓のように、そう思った瞬間だった。
オレは鈴村の口の中に。


「ああああああああ!!!!!!!
鈴村!

すずむらっ!
ダメだ、ゴメンっ!」


激しく咳き込むように。
陰茎の芯を通じて、精液が先端の鈴口から解き放たれる。
一度、二度、三度。


鈴村の温かな口のなかに、オレ自身の汚いものが激しく撒き散らされる。

オレは鈴村の純潔を吐精で汚しながら、その背徳快楽に取り込まれている。
いま初めて愛した人の口の中に。

我慢が…出来なかった。
まるでオナニーを初めて覚えた中学生のような激しさで、精液ペニスから飛び散った。

「うぅ…」


鈴村は口を離すことなく、喉の奥でオレのエキスを受け止めてくれた。
頭の中が、真っ白になった。

「ゴメン…ゴメン…」


そう言いながら、なおも腰がしびれ、最後の精液がトロリ亀頭から漏れ出て行った。


猛烈な射精だった。


心も身体も空っぽになるような。


鈴村はゆっくりとオレのペニスから顔を上げた。
髪は乱れ、汗で頬や首にほつれ毛が張り付いている。顔も火照り、すこし赤みが差している。


その姿のまま、鈴村はゆっくりと微笑した。
そしてトクリの、喉を鳴らした。

えへ、と笑いながら、あいつは言った。

「初めて飲んじゃった」

あぁ…。


なんて可愛い声だったのだろう。今まで気づかなかった。

「ご、」

どもってしまう。「ゴメン…本当に」
オレは力なくそう呟くしかなかった。


その後、オレは萎えてしまった。
こんなの初めての経験だ。
オレの相棒はどんな時だってオレの無茶振りに答えてくれたのに。

「気にしなくていいのよ」

と、力をなくしたペニスをやさしくいじりながら、鈴村は言った。

「きっと疲れているのね」


そう言って、玉袋をソフトに揉んでくれた。
気持ちも折れて、鈴村を押し倒そうという気持ちが起きてこない。
かといって、男の面子を潰された恥ずかしさなど少しも感じなかった。


鈴村のやさしさは、オレつまらないプライドをやさしく包み込んで、そっと溶かしてくれた。
こんなおだやかな気持ちで女とベッドにいることは、初めての経験だった。




横断歩道の向こうには、新幹線開通とともにできたモダンなシティーホテルが建っている。古ぼけたこの街に似つかわしくない、スマートな佇まいの建築物だ。

「洒落たとこに泊まってるんだな」

歩行者用信号の向こうに建つそのホテルを見ながら、オレは言った。

「もう実家もないこの街だから、仕方がないのよ」

「そうだな。そういえばそう言ってたよな」

ゆるやかに夜の気配が消えゆく街。
東の山の稜線に、ほんのりとブルーの光が差している。
夜が昨日になり、新しい朝が、やってきつつあった。

向かいの歩行者用信号が、赤から青に変わる。
手をつないだオレたちは、道路の向こう岸に向かって歩き始めた。
オレは緊張していた。柄にもなく。

「お前の部屋に上がらせてくれないか?」

夜明け前の風に小さく背中を押されて、オレは想いを口にできた。

フフ、と鈴村は小さく笑った。


「ダメよ、笛木君。もうダメ」




オレ達は、往復六車線の広い国道横断歩道の、上下線に挟まれた中央緑地帯に立っていた。
鈴村は、絡めた指をほどいた。
そしてオレに向き直った。

微笑する鈴村の肩の向こうで、歩行者用信号が赤に変わった。

「笛木君は、お家に帰りなさい」

鈴村は、オレと目を合わせずにそう言った。

「だけど」

「だけどじゃないの。もう夜が明けるわ」

「鈴村…」


その声に、鈴村の目がこちらに向く。
思いのほか、強いまなざしにオレは少したじろいだ。

「私はもう、鈴村じゃないわ。私の名前は、小田桐よ」
そう言って、鈴村は、オレに抱き着いてきた。


「素敵だった。今夜。笛木君が素直になってくれたように、私も素直になる。私もファンだったよ。笛木君の。男バレ部長の笛木君の、ファンだったよ」

そして、彼女は身を離した。


「でも、おしまい。朝が来るから。その前にお別れしましょ。素敵な思い出をありがとう。忘れないわ、わたし」


オレは、何も言えなかった。



「私も東京の家に帰る。ホテルで少しだけ寝てからね。だから笛木君も、お家に帰って。奥さん子どもさんが待ってるわ」
歩行者用信号が、また、青に変わった。

「鈴村。またいつか、会ってくれるか?」

「今日だけよ。そうすればきれいな思い出になるから」

そして、オレを見た鈴村奈津子は、知らぬ間に、大人の女になっていた。

彼女は、小田奈津子という、見知らぬ女になっていた。

彼女は最後にとっておきの笑顔を見せると、オレから離れていった。
オレは中央分離帯に残されたまま、彼女が道路の向こう側に渡りきるまで、見送っていた。
さよなら、鈴村奈津子

オレは振り返ると、青信号が点滅に変わった、夜明け前の往復六車線の横断歩道を、急ぎ足で渡っていった。







彼は、いままでの男性たちとずいぶん違っていた。


彼は混乱し、明らかに戸惑っていた。


その気持ちが肌を伝って私に流れこんでくる。


だから私は、自分を演じた。


あの人たちがしてくれたように。


そして私は、自らの性癖を知る。









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