偉大な峡谷

こちらはそろそろ夜9時です


朝食をごちそうになり、近所をガードマン同行でお散歩し
（高級住宅街なので、身代金目的の誘拐などがあるそうです）


おうちに戻ると


ジョセフさん「今日の予定は決まっているのかい？
決まってないのだったら、グランドキャニオンにでも行ってみないか？
そろそろ息子が戻ってくるんだ。私のチョッパーで出かけてるんでね。」



バイクか～

私は普通自動二輪までしか乗れないけど、ハーレーは大型だもんなぁ～


私「グランドキャニオンまでどのくらい時間がかかるんですか？」


ジョセフ「クルーズ客が同じコースにいなければ2時間くらいかな。お嬢さんはいかがかな？」



娘「行くわ！」

私（けっこう近いんだな、つくばで言ったら下道で日立へ行くくらいの距離かな）

（会話は全て英語です。ただし、私の英語は適当&偽物なので
日本語訳も少々間違っているかもしれないのでご了承を）



と、庭に出てガードマンさんたちと娘がフリスビーで遊び始め

私はジョセフさんと奥様とお庭でティータイム

バババババ（遠くからヘリコプターの音）


ジョセフさん「日本ではお正月がおめでたい日なのは知っているよ。
30年くらい前に、妻と私は日本でお正月を経験しているんだ。」

奥様「そうなの。神社に行って初めておしるこを食べたのよ。
小豆と餅があんな美味しい料理になるなんて、日本の人は魔法使いなのねって夫と2人で感動していたわ」


バババババ（さっきより近いヘリコプターの音）


ジョセフさん「今年は息子が日本に仕事で半年行っていたんだよ。
結婚相手を探してきなさいと言ったのに、私に似ないで奥手なんだ。」

奥様「本当。夫は私に情熱的でね。毎日電話をかけてくるし、職場の外で私が出てくるのを待っているし
時代が今だったらストーカーよ。それくらい情熱的じゃないと私も選ばないけどね。」


バババババ（ものすごく近くなったヘリコプターの音）


奥様「ほら、息子が到着したわ。迎えに行きましょう。」




と、横に目をやると



お庭にヘリが着陸







（うおおおおおおおおおおおっ）
（私の心の叫び）




自宅の庭にヘリコプターが着陸って何だ



フリスビーをしていた娘やガードマンさんたちもヘリに近づき

いつしか旗を手に、着陸の誘導






ジョセフさん「あれが私のチョッパー（ヘリコプター）だよ。息子が先週から使ってるんだ。
私はあまり乗らないからね。」



ち、チョッパーってバイクじゃないの

ヘリコプターのこと、チョッパーって言うの




こんなシーン、え、映画でしか見たことねぇ・・・




自宅にヘリ着陸って、どんな規模のお金持ちさんなんだろう




危ないから近づかないようにとジョセフさんに促され

娘と私は、少々離れた場所で待機


降りてくる息子さんを出迎えるジョセフさんと奥様



私たちに挨拶をしてくれ、一旦お庭のティーテラスでお茶



その間に、ガードマンさんに連れられ、作業服姿の男性が3名

ヘリコプターのメンテナンス&給油？

大きなボンベを積んだ車を横づけし、ヘリに繋いでました


ラスベガスのカジノ（経営してるそうです）に行っていたそうで

お土産がてら、娘に大きなぬいぐるみをプレゼントしてくれました



休んだのもそこそこに、私と娘を連れ

「ちょっと彼女たちをドレスアップしてくるよ」

と、ロサンゼルスの街へ車で出発
（ちなみに、ケーニグセグのアゲーラRでした）


上空は寒いから、と


お店で空軍顔負けのトップガンコーディネートをしてくれました




ですが、値札を見ると「4300ドル」のジャンパーに「5800ドル」のパンツ
（今日現在、1ドル＝113円で計算してください）



こっこんなの買えない


「母と父のお客さんなんだから、息子の僕がエスコートするのは当然さ。
あのお店は母のお友達が経営してるから、気にしないで。」


きっ気にしないでっていうレベルの値段じゃねえよ


と、カードなら何とかなるという私の提案を却下し

しかも、娘は私以上に高いコーディネート（私は総額2万を、娘は総額3万ドルを超えてました）



ちなみに、下着も上下買ってもらっちゃいました
（7900ドルの下着なんてつけたことない私）



再びおうちに戻り、既にヘリコプターは準備万端



奥様はお留守番、ジョセフさんが操縦し息子さんはナビゲーター

そして、私と娘のヘルプ役&ボディーガードとして、秘書さんとボディーガードさんが1名ずつ同乗


空の旅の始まりです



離陸の際もガードマンさんの一人が誘導し


無事離陸



ある程度上空に上がると、舵を北へ



ヘリは私は、人生3度目
（初めては彼と2人で、2回目は彼と親友と3人で都内クルーズで乗りました）


娘は人生初です



と言っても、操縦がそんなに難しくないヘリコプターだそうで


途中で娘と私も、操縦交代（娘は30分ほど操縦してました）


私は怖いので、10分ほどで終了



着陸は息子さんが行い、無事到着



着陸箇所は決められているようで、朝までお屋敷にいたボディーガードさんの一人が既に待機してくれてました



帰りの方が空からの眺めは良いから、まずは歩いて楽しまなきゃということで

あちこち散策
（ここでもごくたまに誘拐があるらしく、ボディーガードさんと秘書さんは拳銃を持って武装してました）



娘は秘書のお姉さんと我先に


私はジョセフさんと息子さんと一緒に、ガードマンさんに護衛されながらのんびり散策




年末にものすごいセレブリティな経験が出来ました




人生初のグランドキャニオンを満喫し

スマホで写真撮影をし

マップで現在地検索すると、アリゾナ州



ロサンゼルスはカリフォルニア州なのに、私はいまどこに



そうなんです、私はグランドキャニオンがどこにあるかわかっておらず

しかも、出発前にグランドキャニオンで検索してみたら

ロサンゼルス郊外にグランドキャニオンという地名があったので

「近い」と思い込んでいたのです


300キロくらい離れてる・・・


でも、ヘリで飛んだの1時間少々だったはず




そうなんです


ヘリはどうやら、ものすごく速い速度で飛んでいたようで


空で障害物のない環境だと、スピード感が全くわからず



しかも、このグランドキャニオン

崖になっている歩道はところどころ手すりがなく

一歩間違うと、死んでしまう



ここは、かつて親友がひとり旅で訪れた場所で

親友の写真の1枚にも残ってた場所を探し

ガイドさんに場所を教えてもらって、娘とパシャリ



時を超えて、親子で同じ地に立つことが出来ました



帰りは雄大な景色を眺めながら、アリゾナを後に

ロサンゼルスへ戻りました




さすが広いアメリカ

ヘリコプターをまるで車のように使うとは

スケールの大きさを改めて知りました