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少女と中年④

2017年11月06日 00:05

初デート

翌朝、いつもより遅めに起きた私は、朝食を済ませた後、美香のいる児童相談所へ向かった。
児童相談所の入口で面会の手続きをする時に、美香との続柄を書く欄に何と書いて良いか困った。赤の他人である事は、職員も知っているし、記入しないわけにもいかないだろうしと悩んでいると。
「あ、風間さん。そこは記入しなくてもいいですよ!」
一昨日の晩に対応してくれた職員の方が声を掛けてくれた。
風間さんは、美香ちゃんの身元引受人って事になっているから、大丈夫ですよ」
そう言って、中へ通してくれた。職員が美香の部屋へ行き、美香を呼んできてくれた。
達也さん、いらっしゃい!今、本を読んでたんだ。こっちきて!」
美香に手を引かれて、美香の部屋へ入った。部屋は3畳ほどでベッドと机でほとんど一杯だった。
二人してベッドに腰を掛けると、美香が机の上から1冊の本を見せた。

「今ね、この本を読んでるんだ!かなり面白くてハマっちゃった!」
見せてくれた本は、すぐ近くにある古戦場とお稲荷様を舞台にした、本であった。私もその本は読んだ事があり、郷土史と上手く絡めて説明がされているので、身近に感じるが故に読みやすい本だった。
「これ、俺も読んだことあるけど面白いよね。まさか、あの稲荷にそんな謂れがあるとは思わなかったもん」
内容の核心に迫るような話をすると、
「そうそう、いるも見てるあのお稲荷さんの話なんだもん、びっくりしちゃった」
やはりツボにはまる所は誰でも同じらしい。
「あとこれだけだから、ちょっと待ってくれる?」
ラスト数ページの所に挟んであるしおりを指さして、美香がお願いしてきた。
「構わないよ。ゆっくり読みな!俺はちょっと職員の人と話してくるから。」

そう言うと、私は美香の部屋を出た。職員のいる部屋に行くと、さっき対応してくれた職員の人と話をした。
「思った以上に元気になってくれたみたいで、本当によかったです。」
まずはお礼をしたところ、
風間さんが危機一髪の所で、ここに連れてきてくれたおかげですよ。あれで父親に襲われていたら、一生取返しの付かない心の傷を負っていたでしょうから。」
と言ってくれた。それは私も同意見だった。
「昨日、ご両親が来てくれたんだけど、案の定その場で喧嘩になっちゃってね。とりあえず美香ちゃんを自室に戻した後、ご夫婦でよく考えてくださいって言って、帰って貰ったの。あれから連絡がないのが気がかりなんだけどね・・・」
両親の喧嘩は避けられない事は判っているが、それで離婚を性急にしないで欲しいと思う。そんな事になれば、逆に美香が傷つくのは目に見えている。

「そうですね、離婚とかしなければ良いのですが・・・他にもこういったケースはあるのですか?」
私は逆に質問してみた。
「未遂でってのは、あまり無いんだけど、やっちゃった場合でも、離婚に至るケースは稀かな。よほど悪質でない限り離婚はしないけど、殆どは子供が家に帰りたがらなくて、ここで生活を続けて、社会に出るケースが多いですね。」
確かに襲われた子供からすれば、家に帰りたくないのは当然だろう。でも、離婚に至るケースは稀と言う事が聞けただけでも良かった。
「そうなんですか、とりあえず離婚に至るケースが少ないのは安心しました。これで離婚となったら、美香ちゃんが傷つく事は、目に見えていますから」
そう言うと、外で手を振っている美香が見えた。

達也さん行こう♪」
美香は外出する気満々である。とりあえず、職員に外出させても良いのか尋ねると、
「基本的に外出は自由なんですよ。でも門限は20時ですから、それだけは守って下さいね。夕食は外でしてくるのかな?」
職員は美香に問いかけた。
「うん。達也さんいいでしょ?」
ねだるような視線で、私を見ている。まだ中学生だというのに、こんな視線をよこすとは・・・
「うん、いいよ。じゃあ、夕食は外で取らせますので、門限には間に合うように帰ってきます。」
そして、美香と二人で外に出た。車に乗り込むと、
「じゃあ、もう少しでお昼だから、昼飯でも食いに行くか?何が食いたい?」
美香に問いかけた。美香は、
「そうだなぁ、児相のご飯あまり美味しくないから、なんでもいいんだけど」
と答えた。

「なんでも良いは一番困るなぁ!そんな事言ってると、牛丼とかになっちゃうぞ」
少しおどけて見せると
「えー!牛丼はいやだなぁ・・・じゃあ久しぶりにサイゼがいい!」
と言う事で、近くのサイゼリアにやってきた。
「私、ここのカルボナーラ好きなんだ!達也さんは何にする?」
もう、美香は注文が決まっているらしい
「えーっと、じゃあ俺もカルボナーラにするかな!」
同じものを選ぶと
「あー!真似っこしたー♪」
と、笑っていた。思えば、いつも食事の時の美香は泣いていた。笑っているのは今回が初めてだ。本当に笑顔が愛くるしく、可愛い子だと思った。

食事をしながら、美香はいろいろ話してくれた。家族と来た時の思い出や友達のことなど、堰を切ったように流れ出してくる。その姿を見ながら、美香は襲われた怖さよりも、こういった話の出来る人がいない寂しさの方が、大きかったのではないかと思う。
「美香ちゃんってよく喋って面白いね!いつもこんな調子なの?」
少し美香に聞いてみたくなった
「家にいる時は違うよ。大人しくしてないと、お母さんに怒られちゃうし!友達といる時は、こんな感じだけどね!」
といいながら、ポテトを摘みあげて下からかぶりついた。
私の予感は的中した。家ではいい子でいる事を強制されるうちに、フラストレーションが溜まってしまい、そこに父親の行動が重なったことで、一気に爆発したのだろう。
食事が終わっても、しばらく談笑していたが、そろそろ移動しようという事で店を出た。

車に乗り込むと、
「どこへ行きたい?」
と、美香に聞いてみた
達也さんの家に行ってみたい」
思わず、美香を見つめてしまった。
「おいおい、俺の家って、全然片づけてないし人を上げられる状態じゃないよ」
やんわりと拒否したのだが
大丈夫だよ!私が片づけるの手伝ってあげる!」
そういって聞かなかった。仕方ないので自分の住んでいる家に、美香を連れてきた。
「わぁ!大きな家に住んでるんだね!」
元々両親と住んでいた家だが、昨年両親を亡くしてからは、一人で住んでいる。そんな状態なので、自分の生活スペース以外は、ゴミが溜まり放題だった。

「本当に汚いから、幻滅するぞぉ!」
そう言いながら、家の中に入って行った。
「わぁー!確かに汚い!これは掃除のしがいがあるぞ!」
そういうと、美香は家の中に入って行った。一通り家の中を案内すると、二人でほうき片手に掃除を始めた。2時間ほどでピカピカとはいかないが、大体のゴミは片付いた。
「美香ちゃんのおかげで、サボっていた大掃除だ出来たよ。ありがとう!」
そう言って、手を出すと、
「どういたしまして!これからも掃除に来てあげるよ!」
と手を出して握手をした。どうも変な事になってきた。中学生女の子に、また掃除にくるよと言われる私はいったい何者なんだろうか。

「汗かいたから、シャワー借りてもいい?」
美香は私に聞いてきた
着替えは俺のしか無いからでかいぞ?それでも良ければ使っていいよ!」
とりあえず、私のシャツを美香に渡した。身長が180を超える私のシャツは、美香をすっぽりと隠すほどであった。
「さんきゅー♪じゃあ借りるね!」そういうと、美香は風呂場へと入って行った。少しすると、
達也さ~ん!」
と呼ぶ声が聞こえた。
「なんだい?」
と風呂場の方へ向かうと、風呂場の中で美香がおいでおいでをしている。
シャツならそこへ置いておいたぞ?どうしたの?」
と、近づくと
達也さんも汗かいたでしょ?一緒に入らない?」
と誘われた。
「おいおい、いくらなんでもそれはマズイだろ?美香ちゃんは一応女の子なんだから、知らない男と一緒に風呂なんか入っちゃだめだよ!」
私は背を向けた。そりゃ私だって男だから、女の子に誘われて悪い気はしない。でも美香だけは手を出してはいけない。そう思った。

「知らない人なんかじゃないもん!達也さんの事、私は好きだもん!」
美香は後ろから抱きついてきた。本当に積極的な女の子だと思った。でも、その抱きついてきた美香は、体が震えていた。きっと精一杯の強がりを言っているのだろう。
「わかったよ、一緒に入ろう。汚い俺に抱きついたら、せっかく綺麗になった体が汚れるぞ」
そういって美香を振り払うと、脱衣所で服を脱ぎ始めた。
「まってるよん♪」
そうおどけると、美香は風呂場へ戻って行った。美香は中学生とは言え、結構なスタイルであった。まだまだ発育途上とは言え、それなりに膨らんだ胸は、男を誘惑するには十分であった。
風呂に入ると、美香が背中を流してくれた。

達也さんの背中って、お父さんより大きいかもしれない」
そんな事を言いながら、一生懸命洗ってくれていた。洗い終わると
「今度は、俺が美香ちゃんの背中を流してやるよ」
そういって、洗い手を交替した。美香の体は華奢で、本当に愛おしい感じであった。変な気は起こさないように自分に言い聞かせながら背中を流してやった。
その後、二人で湯船につかった。私の前に美香は背中を押しつけている。そのまま抱き合う形になると、自然とキスをした。でも、それ以上はしなかった。今の美香にはこれで十分だ。自分にそう言い聞かせた。

風呂から上がると、二人でソファーに腰を掛けた。風呂上りのけだるい中で、俺の膝の上に美香は乗ってきた。
「さっき言った事は本当だからね!」
美香はそういうと、私に顔を近づけてきた。私は無言で、美香の唇を受入れた。相手はまだこの間までランドセルを背負っていた子供である。いずれ飽きるだろうから、それまで恋人ごっこに付き合ってやるか。そう自分に言い聞かせると、美香を抱きしめた。
とりあえず、これ以上エスカレートしないうちに、帰さないとマズイ
「さて、そろそろ行こうか!うちにばかり居てもつまらないだろ?」
私はそう言いながら、立ち上がった。
「私はずっとココでも良いんだけどなぁ」
美香は少しむくれた顔をして私を見てる
「おいおい、このままじゃ俺は犯罪者になっちゃうよ!」
少しおどけながら、美香に支度をするように仕向けた。

「いいもん。また来るからね!ダメって言っても押しかけちゃうから!」
そう言いながら、美香は支度を始めた。美香は私の前で臆面もなく裸になると、着替え始めた。まだ顔はあどけない子供だが、体は大人になりつつある。秘所の毛も少しだが生えてきている。そんな危険な香りのする少女を、私はいったいどうしようと言うのか。心のいろいろな思いが葛藤しているが、超えてはいけない一線は、やはり守るのが大人であろう。そう自分に言い聞かせるのが精一杯だった。
家を出て車に乗り込むと、辺りはもう夕暮れになっていた。
「さて、夕飯にはまだ少し時間があるけど、どこへ行こうかな?」
美香に問いかけると
「う~ん、達也さんと一緒ならどこでもいい」
まったく困った子である。とりあえず車を走らせ、近くの丘の上で車を止めた。

「こっちに来てごらん」
私は美香を誘った。少し歩いた所で私は指をさした
「わぁ~!すごく綺麗!」
私の指さす方向を見て、美香は感動している
「ここから見える夕日は、すごく綺麗なんだよね!ここは普通なら通り過ぎるところだから、知っている人は少ないと思うよ」
そう言いながら、私は美香の肩を抱いた。消えゆく夕日を見終わると、静かに車に戻ってきた。
「さて、飯でも食いに行くか!いきなり門限破りはまずいもんな!」
そう言うと、児童相談所方面へ向けて車を走らせた。

夕食の後、児童相談所へ戻ると、職員の方が迎えてくれた。
「消灯まではレクリエーションの時間なので、それまではゆっくりして行って構いませんよ」
そう言って、職員の人は事務所へ戻って行った。一体、ここでは俺の扱いはどうなっているのだろうか?美香を連れてきて、成り行きで身元引受人になったが、赤の他人である事には変わりがない。イマイチ職員の対応がしっくり来なかった。
「ねぇ、私の部屋へ行こう!」
美香に引っ張られながら、私は美香の部屋へ入って行った。ここだって普通は男子禁制だろ?そう思いながらも、部屋の扉を閉めた。
職員の説明ではこの施設の中は、女子用と男子用で棟が分かれており、女子用は男子禁制となっている。男性は職員か身内以外は入れないのが通常であるとの事である。「私は身内という扱いになっているのか?」そんな疑問が頭の中をよぎったが、

「ねぇねぇ、明日はこのお稲荷さんに行きたいな?明日も来てくれる?」
無邪気にはしゃいでいる美香を見ると、そんな事はどうでも良くなった
「わかったよ。でも、そんな毎日出てると、両親が訪ねてもいつも留守にならないか?」
私はあえて両親の話を持ち出した。恋人ごっこも良いが、本来は家庭に問題を持つ子供である。家族の対話を遮ってはいけないとの思いがあったからだ。
「たぶん、こないと思うよ。お父さんはいつも寝てるし、お母さんは出かけてる事が多いし」
美香は寂しそうな顔をしながら、そう答えた。
「そうか、美香ちゃんは寂しかったんだな。じゃあ明日も会いにくるよ!」
そう言うと、美香の肩を抱き寄せた。軽くキスをすると、
「今日は遅いから、そろそろ帰るよ。また明日な!」
そう言って部屋を出た。美香は、玄関まで見送りに来てくれた。

「ばいばーい!また明日ね!」
美香が玄関で手を振っている。
「じゃあね!おやすみ!」
私も手を振り返すと、車に乗り込んだ。家に着くとドッと疲れが出た。今日は美香に振り回されっぱなしであった。それにしても、恋人ごっこも悪くはない。そう思いながらベッドに入ると、そこには美香の写真が置いてあった。
「あいつ、こっそり置いていきやがったな」
そう思ったとき、携帯にメールが入った。
達也さん、そろそろ気づいてくれたかな~?今夜はその写真を私だと思って一緒に寝ていよ!」
美香からのメールだった。本当に今日は美香に振り回されっぱなしのようだ
写真ありがとう。今夜はこれを抱いて寝るよ。おやすみ!」
そうメールを返すと、ベッドに入り横になった。

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