デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

甘い香り⑬

2017年08月16日 09:19

甘い香り⑬

ざわざわとした、大勢の人の気配を感じる……
うつつの優雨は、自分がどこで何をしているのか一瞬分からなかった。

恩人の方との食事に……
そうだ、夫の運転する車に乗って……

そこまでぼんやりと考えたところで、違和感を感じた。

自分がいるのは、車の中などではない。
手足を伸ばして倒れるように横たわっていて……靴も履いていない。
そして、床はコンクリートのように冷たかった。

驚いた優雨が目を開けるのと、ひとつにまとめられた両腕が上方にゆっくりと引き上げられるのはほぼ同時だった。

突然動いた自らの腕に驚いて見上げると、両腕は革の手錠のようなもので揃えた恰好で拘束されていて、そこから鎖が延び、それは天井にある滑車にまで続いている。

いつの間に、こんなもの……そしてここはなんて眩しいのだろう。

目を細めながら前を見ると、スポットライトのようなものが自分を強く照らしている。
周囲の様子はよく見えないが、目を凝らしてみると……コンクリートの壁がむき出しになった倉庫のような空間に、多くの人影が見える。
そしてその人々は皆、椅子に腰かけてこちらを見つめている様だった。

ライトのあちら側には大勢の人々。
そしてこちら側には自分だけが……自由に動けない状態でコンクリートの地面に倒れている。

これではまるで何かの見せ物みたいだ。

(な、なに、これ……)




驚きと恐怖で声も出ない優雨だったが、戸惑っている間にも両手はゆっくり上に上がって行き、座っていられなくなった優雨は立ち上がらざるをえなくなった。

おかしな体勢で立ち上がり、スカートがめくれ上がっていないか咄嗟に手を伸ばしたくなるが、思い通りに動かすことが出来ない。

悪い夢でも見ているのだろうか……
両手は更に上がり、ついには万歳をするような恰好になる。

そしてそのままジリジリと吊り上げられ、つま先立ちになってしまいそうなところで滑車の動きは止まった。

「あ、あの……」

声を絞り出すと、それに呼応して大きな拍手喝采が起こる。
先ほどより少し慣れて来た優雨の目には、ライトの向こうに座る数十人の人間の影がかなりはっきりと見えて来た。
男性ばかり……いや、前列の方に少しだけ女性もいる……あの人たちは一体、誰なのだろう。

その時どこかから男性の声が聞こえて来た。
それは聞きなれた声のようだったが、混乱する優雨はそれが誰のものであるか分からなかった。

『皆様、お待たせ致しました……本日の奴隷、田所優雨 二十八歳……お嬢様学校として有名なあの清女短大卒、男を知らないまま二十一歳で嫁いだ……人妻です』

割れんばかりの拍手が巻き起こる。

大勢の人たちの前で明かされる自分の本名学歴
そして男を知らないまま、なんて……それらは全て本当のことだけれど、どうしてそんなことを言われなければいけないのだろうか。





「なに……たすけて……」

やっと言葉が出て来たものの、大きな歓声と拍手の中でかき消されてしまう。
するとその時、突然ライトが切られ、優雨の背後がぼうっと白く光った。

観客たちの拍手が止みひそひそ声が響く中、つま先立ちのままの優雨が身体をよじると……大きなスクリーンに映像が映し出されるのが見えた。

初めに現れたのは、見覚えのあるブラウンの布地に包まれた女の尻。
そしてその映像が少しづつ引いていくと……そこには、ウェイトレス制服姿で仕事に精を出す自分の姿があった。

『品行方正で家庭的、思いやりもある……非の打ちどころのない女性です。常連のお客様からの人気も飛びぬけて高い……』

こんなの、いつ撮影していたの……?
誰が、どうやって……

そして、混乱する優雨の目には更にショッキングな映像が飛び込んできた。
それはロッカー室で制服を脱ぎ、乳房乳房の間の汗をタオルで拭く、恥ずかしい優雨の姿だった。

映像はかなり近い距離から撮られていて……〝盗撮〟の二文字が頭をよぎる。
しかもこれは多分、つい昨日の映像だ。

『そんな女性が夫の借金のために……涙を飲んで一肌脱ごうとしています。美しい夫婦愛……なんと健気なんでしょうか!』

「やめて……何を言っているの……」

恥ずかしい映像は続き、優雨がわきの下まで丁寧に拭き終わり、スマホに手を伸ばそうとしたところで映像はやっと止まった。




『しかし、聖女のようなその見た目の下には人妻淫らな欲望が隠されているかもしれません……今日、皆さんにはその目撃者になっていただきましょう!』

再びライトに照らされる。

『田所優雨、公開凌辱ショーの始まりです!』

「キャ――!!」

優雨は声を限りに叫んだ。

公開凌辱ショー……!?
どうして……どうして!

(結城さん……助けて……!)

この場にいる筈もない結城の名を叫びたくなる。

そうだ、車を運転していた良介はどこにいるのだろう。
良介の恩人の方との食事は……

その時再びライトが点灯し、その脇の暗闇から二人の男が現れた。
二人とも上半身は裸で、下半身には黒い皮ズボンのようなものを着用している。
一人は小柄で、一人はとても大柄な……

「……え……店長?」

仮面をしていても、間違えようがなかった。
男の一人は、優しく働き者で部下想いの……熊崎店長その人だった。
熊さんのようにかわいいらしいなどと思っていた大きな身体は、黒い体毛で覆われていて、熊さんなどではなくまるで野獣のようだ。

その店長の口もとがニヤリと歪み、優雨の耳元で囁く。

「優雨ちゃん……いつも更衣室で見ていたそのデカ乳がやっと揉めるなんて嬉しいよ。そんな顔してるけど……意外とイケルくちなんだろう? 理沙子から聞いて、我慢できなかったよ……」



更衣室……やはり覗きや盗撮をしていたのだ。

信頼していた店長がそんなことをしていたなんてショックが大きすぎる。
そして、理沙子の名がなぜこの場面で出てくるのだろうか。
このパート自体が理沙子の紹介だったのだし、二人が知り合いなのは知ってはいたけれど……

混乱する優雨の胸もとに、店長の大きな手が迫って来る。

「私に……触らないでください……」

そう声を絞り出してみるが、店長の動きが止まることはなかった。
大きな両手で、乳房を力強く鷲掴みする。

「おお~いいねえ……乳はデカいのに限る」

「あぁっ……痛っ……」

「すぐに気持ちよくなるよ……田所さん

反対側の男が声を掛ける。
小柄な身体。そして、この声は……

「佐藤主任……?」

そうだ、あの司会の声も……爽やかな声で店をいつも取り仕切る、主任の声だった。

何も答えないままの主任がニットを胸の上まで引き上げる。

「いやああ!」

優雨の叫びも虚しく、白いブラジャーに包まれた乳房が外に飛び出ると、客席からは様々な声が飛んだ。





「デカいなあ……何カップだ!」

「F! いや……Gか……」

口々に勝手なことを言っている。
その声にも聞き覚えがあるような気がして客席に目を凝らしてみると……
仮面を着けた観客に交じって、そこには優雨の良く知った顔が並んでいた。

名前の知らない常連のおじいちゃん……サラリーマン砂川さんに、商店街印刷屋さんご夫婦……近くの寮に住む大学生もいる。
それは、優雨がいつも接客してきた店の常連客達だった。

「いやっ……見ないで……」

「見られるのが好きなんだろう……?」

と、そこまで言ったところで、店長は優雨だけに聞こえるように囁いた。

理沙子から聞いたよ。ほら、今日もあそこで見てくれている」

理沙子さんがここに……?)

まさかと思ったが……観客席の隅々にまで目をやると、端の、ひと際暗くなっている一角に仮面を着けた理沙子が座っていた。

仮面のせいでその表情はあまり分からないが、口もとには冷ややかな笑みを浮かべている様にも見える。

こんな場面をただ黙って見ているなんて……まさか、理沙子も店長と共謀しているとでもいうのだろうか。

とても信じられない……

(どうしてなの、理沙子さん……)




夫のこと……?
いや、結城との……関係のことだろうか。

でもそれは理沙子も望んで始まったことだったはずだ。

――こんなにも結城を愛してしまう前までは――

何かの答えを突き付けられたような気がして、優雨の心にガツンと衝撃が走る。
そしてその目にはいつの間にか涙が溢れていた。

しかし、そんな表情も観客や、目の前の男たちの興奮を煽るだけだった。

「ああ、いいねえ……その顔、堪らないよ」

感極まった様子の店長が、ブラジャーの上から乳首ギリギリと摘まみながら優雨の口もとを舐めまわす。
顔を動かそうにも、片方の手で首の後ろを強く掴まれてどうすることもできなかった。

「んーんー!」

痛みは酷いし、大きな唇と舌で顔中をベロベロと舐めまわされると、ぬるっとした感触が気持ち悪くて堪らない。

しかしつま先立ちで吊るされた優雨は、ただ犯され続けるしかなかった。

(イヤ……嫌!!!)

長く続く顔面への凌辱に優雨が吐き気を催しそうになった頃……

「……店長、アレを出しましょう」

と主任が口にして、再び暗がりに戻っていく。
すると店長も動きを止め、優雨は悪夢のような口づけからやっと解放された。

どうやら、プレイに没頭するのは店長だけで、主任はこの不可解なショーの進行を任されているらしい。

観客からの不満が出ないようにプレイコントロールする様は、このようなショーが幾度となく繰り返されてきたことを暗示していた。







しかし、優雨にはそのようなことを考えている余裕はない。

唇……いや顔中を舐めまわされ、好きでもない男性に穢されてしまった。
なのに、この恰好ではそれを拭うことすら叶わない。

「うっ……う……」

嗚咽を漏らす優雨に、同情する者はここにはいなかった。
理沙子は相変わらず冷ややかな視線を送り、そしてそれ以外の者は皆、興奮を深める一方なのだ。

その空間に、ガラガラ……と音を立てながら主任が台車を押して戻って来た。
台車のうえには何かが乗っていて、その上には大きな布が掛けられている。

〝アレ〟とは何だろう……

危害を加えられるような、何か酷い物が出てくるとしたら……と不安でいっぱいになる優雨を見て主任はニヤリと笑い、観客席に向けて声を張り上げた。

『皆様、ご覧ください……妻の身を案じた夫が駆けつけました!』

バサッという音を立てて布が剥がされると、そこには優雨と同じく着衣のままの良介が身体を折り、まるで俵か何かのように縄でぐるぐる巻きにされて転がっていた。

「ん――ん――!」

良介は何かを叫んでいるが、ベルトのついた丸い球のようなものを咥えているせいで何を言っているのかは分からない。
ただ、必死の形相で……半分下着姿となった優雨を凝視していた。

『いやあ、美しい夫婦愛ですねえ。しかし、妻がこのようなことになる原因を作ったのは自分自身だ……情けないこの男にも妻の痴態を見届けてもらいましょうか!』



良介が更に何かを叫ぶが、大きな拍手にかき消されてしまう。
そしてその目は涙ぐんでいるようにも見える……

きっと、良介も騙されてここに来たのだ。
だって昨日からの良介は心を入れ替えたように本当に優しかった……

荒縄のようなものでそれこそ物のように縛られている良介を見て、怪我などはしていないかと優雨は夫の身を案じた。

そんな優雨に、いつの間にかハサミを手にしていた店長が近付いてくる。
そして、揉みしだかれてブラジャーからはみ出しそうになった乳房にそのハサミが強く押し当てられた。

「ひいっ……」

刃物の冷たさと鈍い輝きに、これからどうなってしまうのだろうという恐怖が更に増す。
優雨は濡れた目で、懇願するように店長を見つめた。

「優雨ちゃん、いい目をするねえ。ゾクゾクして来るよ。さあ、あんまり暴れると怪我をするよ」

怖くて、動けない……
結城さん……結城さん、助けて……!

息を止めたように動けなくなる優雨にハサミを当てると、ジャキジャキと嫌な音を立てながらブラジャーを切り裂く。
ライトに煌々と照らされる中、優雨の白い乳房はぷるんと皆の前に晒された。

おお~!! という歓声が上がる中、切れ端を拾い上げた主任が声を張り上げる。

『Gの……70! ご名答!』

(どうして……どうして……)

羞恥に震える優雨の乳房に店長の舌が伸びる……
そしてねっとりと舐めまわしたかと思うと、強く吸い出すような愛撫を繰り返す。
すると驚いたことに、優雨の身体は確かな快感を感じていた。



(あああ……)

声を出すことは必死で我慢した。
私語が減って来たのだろう、時々大きな声を上げる客がいる以外は皆押し黙っていて……
会場は時折、静けさに包まれる。
こんな場所で一人で恥ずかしい声を上げるなど、考えられなかったからだ。

そして、会場……という言葉を使ったところで優雨は気が付いた。

……ここは自分が働くレストランの地下室だ。
店の建物は創業当時のままで古く趣があるが、地上にはリフォームされた事務所や倉庫があるために優雨はこの薄暗い地下室に立ち入ったことが殆ど無かった。

〝今回の奴隷〟と言っていたけれど、まさか今までも定休日の時などにこんなことが行われていたのだろうか……

全く気付かなかった。
店長や主任の正体も……

店長が乳房を寄せてふたつまとめるように掴むと、両の乳首を突き合わせ一度にベロベロと舐めまわす。
そのはしたない行為にも優雨は大きな羞恥快感を覚えた。

(ん……んんっ……)

まくり上げられたニットにタイトスカート
その姿のまま、二つの乳首を同時に弄ばれていると、まるで自分が物になったかのような気持ちがしてくる。

「はあ……はあ……」

上がって来る息が抑えられない。

「ああ……敏感だねえ……優雨ちゃん。身体が赤く染まって来たよ。乳首の先も尖ってコリコリだ……ああ、もしかして……」

店長に言われなくても、優雨は感じていた。
小さいが、確かに波が迫ってきていることを……





「いや……いや! あああ……」

乳首が激しく吸い立てられる。

(あ……イッちゃう……!)

「うっ……」

ビクン……ビクン……という身体の動きが抑えられない。
優雨は夫の前……そして、大勢の常連客の前で達してしまっていた。
ただ、乳房を吸われただけで。

『あの、家庭的で慎ましい女性も一皮むけばただの女です……皆さんご覧いただけましたか……乳首を立てて絶頂する淫らな人妻の姿を!』

煽るような主任の声に、客席からも掛け声が飛ぶ。

「優雨ちゃん! かわいいよっ」

「ううう……」

大きな歓声と笑い声が上がり、優雨はあまりの情けなさにまた涙を流した。
観客席の方をまともに見ることは出来ない。
もう夫の様子に気を配る余裕もなくなっていた。

ああ、結城さんごめんなさい……

羞恥快感に痺れる意識の中で、優雨の心はただ一心に結城を求めていた。

しかし彼は今頃、異国の地で仕事をしているはずだ。
この状況を知る筈も無いし、この声が届く訳はない……自分がしっかりしなくては。





それにしても。

店長、主任、理沙子……一体彼らはどうなっているのだろうか。
どうしてこんなことをするのだろうか。
借金のために一肌脱ぐって……

「はあ……はあ……なんでこんなことをするんですか……夫も……夫も何のためにあんな風に……」

「ショーだと言っただろう。〝夫の前で乱れる貞淑な人妻〟それにお客様は金を払うんだ」

店長が小声でその問いに答える。

考えれば当然のことかもしれないが、やはり観客からお金を取っているのだ。
しかし、店長の催すショーと自分や良介との関係が分からない。

「お金……夫の借金ですか? ……店長には関係ない筈です」

すると店長は、そんなことも分からないのかとでもいう様な目で優雨を笑いながら囁いた。

「関係は大ありなんだよ、優雨ちゃん……あれはそもそも僕の金だからねえ。なかなか迫力のある連中だっただろう? あれでもカタギの人間で……理沙子の命令なら何でも聞く可愛い奴らだそうだ」

良介がした借金も、取り立ても、全て……全て仕組まれていたのだ。
全てと言うのが一体どこからどこまでのことなのか……それももう分からなかったけれど。

そこで店長は後ろに回り、言葉を失ったままの優雨を後ろから羽交い絞めにした。

「無粋な話をするのはもう止めよう……ほら、優雨ちゃんも早く皆さんにおまんこ見てもらいたいだろう?」

そんな下品な言葉でも、耳元を食むようにしながら囁かれると、高まってしまった身体は簡単に刺激され、吐息が漏れてしまう。

「はあっ……」

さらに、店長の両手が身体をまさぐるように動くと、その鳥肌が立つような感覚に優雨は細かい震えが起きるのを抑えきれなかった。

このウラログへのコメント

  • 里織. 2017年08月16日 09:41

    優雨がホント可哀想過ぎます。
    それにかなり変態ちっく…
    吾郎さんも…?

  • 吾朗 2017年08月16日 09:46

    > 里織.さん

    おはよう 里織さん

    違うかな物語だから

    いつもコメありがとう

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

プロフィール

吾朗

  • メールを送信する

吾朗さんの最近のウラログ

<2017年08月>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31