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趣味は読書、「それでもわたしは山に登る」

2017年08月03日 01:09

高校では陸上部に入った。中学の時、三年間野球部にいて、万年補欠で、試合には出られず、野球自体は好きだったが、大して上手くならなかった。
しかし、毎日ベースランニングをするので、短距離走が速くなり、高校陸上部に入ったのだ。
僕の進学した高校は、創立二年目の新設校で、先輩は二年生だけだった。その先輩達の代は、校舎もなく、他の高校の校舎に間借りして最初の年を過ごした。
僕らの時代には、新しい校舎はあったが、体育館はまだ無かった。
夏の部活で、合宿が出来ないので、一泊二日で、丹沢登山をやった。まだ、設備も練習スケジュールも発展途上の頃だった。
その登山がきっかけで、山登りが好きになった部員もいた。
僕はといえば、ワンダーフォーゲルという言葉さえ知らなくて、リュックの丁度腰に当たる辺りに、調理用の鍋を詰めてしまい、その底の角の部分が腰に当たって痛いのを我慢して、登ったのを覚えている。そのくらい、登山には関しては無知だった。
一時期新田次郎小説を、多く読んだ時期があり、他にも「岳」という登山の漫画を読んだりしたが、登山自体には出かけなかった。
植村直己の名前くらいは知っていたが、他に知っていたのがこの著者の、田部井淳子だ。
たまたま彼女の出演している番組を見て、暫くして訃報に接した。
そのくらいの興味で読み始めたのだが、とてもよかった。登山から、実社会を生きる知恵を学んだり、ガンをごく親しい人以外には秘密にして、登山や講演、テレビ出演などを続けたり。
声高には、語られていないが、著者の不屈の精神を感じる。
それとガンとの闘いが、暗く描かれていないのが良いと思った。
山に人生を学ぶこともあるのだ。

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