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心とカラダ ⑥

2017年07月27日 08:52

心とカラダ   ⑥

「マリ。
マリは太陽のような女だね」

「どうして?」

「俺を必要としてくれて、
俺を好きだという情熱が伝わる。
君は勢い良く昇り出し、
サンサンと照りつける太陽。
近づいたら火傷しそうだ」

「そんなに熱い女じゃないわ」

「俺は君の情熱を火傷しないように、
気持ちを受け取るよ?
マリ、俺はどんな事があっても、
君を見守るよ。
例え、君と離れ離れになろうとも」

「レン‥‥‥
離れたら、私は見守らないよ。
レンとはそれまで。
終わったらそこまでだよ。
未練がましく引き摺らない」

「俺は違う。
一度好きになった女性は、
簡単に忘れない。
別れても幸せを願うよ」

「別れたら他人よ。
他人の幸せを願うほど、
私は出来た人間じゃないわ」


そんな話をレンとベットの上で語り合った。


「女は上書き保存
男は別ファイルに仕舞い込み、
必要な時にそのファイルを開いて、
懐かしむって、どこかで聞いたわ。
レンもそうなのね」


「想い出を上書きになんて、
出来ないよ。
マリは俺と仮に別れたら、
上書き保存するの?」

「するわ。
過去に縛られたりしない。
多分、その時にレンより好きな人が
私の隣に居るなら、レンよりその人よ。
私は好きな人に誠実で居るから」

「マリはやっぱり太陽だよ。
好きなものに情熱を向けて照らす灼熱の太陽だよ。
サンサンと輝いて、心まで焼き尽くすんだ」


「じゃあ、
レンは私に焼き尽くされちゃいなよ。
でもそんな情熱は私にはないわ。
むしろ、静かに輝く月が好きよ」



「俺が月なんだよ。
太陽のような情熱はない。
情熱的にはなれない冷めた一面もある。
それでいいと諦めもある。
静かに波風立てる事なく、
過ぎてくれたら、
それでいい」


「誰だってそうよ。
波風立たない平凡を望むわ。
むしろ、暑苦しい理想論だけの情熱なんていらないわ」

「だね」

この話はここで終わった。

私が太陽で、
あなたが月なら
対照的ね。

決して一緒になる事はない。

一緒に輝く事もないし、
空には二ついっぺんに出る事は、
許されない。

何となく、
私達を形づけされているような気がしたわ。

一緒にはなれない。
分かってる。
許された時間の二人だから。


だから、燃え尽きてしまえばいい。
灰になるまで。
灰になったら、一緒に流されよう‥‥‥

灰になれば、
もう必要とされないのだから。
しがらみもなくなるわ。


レンと情事を重ねて季節を過ごす。
満たされない現実に蓋をする。
苦しいと思った。

不倫が本気になってしまったから。

私はレンが好きで、
現実の夫やレンの妻の存在が、
邪魔に思えた。

この二人さえ居なくなってくれたら‥‥‥
と、自分勝手で恐ろしい事も、考えるようになった。

私達が不倫じゃなくなる日を夢みた。

貫けたら、
それが愛であり、
永遠なのに‥‥‥‥‥と。

レンと愛し合い、
レンの子供が欲しいと願った。

もう、
私のお腹に子を宿る事なんて、
永遠にないと思っていた。



一人息子の翔太を可愛くないわけではない。

離婚もせずに、
くだらない隆司と一緒に居るのは、
翔太が居るからだ。

翔太が居なかったら、
間違いなく、隆司と別れている。

この男に抱かれる事も、もうないだろう。
嫌悪感すらあった。

隆司の遺伝子を継ぐ子供は、翔太だけでいい。
翔太の存在は否定しない。
翔太を愛してるからこそ、捨てられない。

だから不倫
笑う奴は笑えばいい。

そうよ。
精神と肉体バランスを保ち、
壊れた家庭で生きてゆく、
生き地獄を選択しているのだから。

卑怯者と軽蔑されても、
陰で息抜きをして、
疲れた身体を癒すオアシスが必要だった。


不倫がいけない事は、
不倫を選んだ人間だって、
それに救いを求めながらも、
罪の意識はある。

罪の意識がなくなれば、
どんなに幸せなんでしょう?


世の中の壊れた仮面夫婦が、
みんな不倫するわけでもなければ、
離婚するわけでもない。

私の仲良くしているチャット友達の、
アユの場合。

アユと意気投合して、
プライベートでも仲良くし、
お互いの中間点で会ったり、
お互いの不倫アリバイなどにも
協力していた。

アユも、結婚当時にご主人の転職や仕事をしない間に作った借金に、泣かされてきた。

子供は私の子供より大きい子が二人居る。

アユの夫は、今までアユを苦労させた分、
自由にしてくれたり、一生懸命働いて、
マイホームまで建てた。

アユ離婚するつもりはなくても、
ご主人から受けた苦労の日々を恨んでいた。

今は落ち着いていても、
結婚当初に味わった苦労は水に流せない。

だから不倫を繰り返す。

知り合った男達とセックスをし、オアシスを求めていた。

私の中で、寂しくて思い通りにいかなければ、
救いを求めてしまい、魔が差すって事は仕方ない事と、
改めて思えた。

アユの存在は、私には救いだった。


アユと待ち合わせをして、
お茶をする。

アユコーヒーが好きでお酒などは苦手だ。
小柄な感じで、歳は私と同じ年の38歳。
普段は宅急便などを配るパートをしている。

駅近くの落ち着いた雰囲気喫茶店で、
ランチを兼ねた。


マリちゃんおひさ」
明るい笑顔アユ

「おひさ、アユちゃん」
チャットで知り合った友達だから、
歳と大体の住んでいる場所、家族構成、彼氏くらいしか、
お互い知らない。

でも、そんな間柄だからこそ、
安心出来てしまうのが不思議。

私はナポリタンのセット。
アユピラフセットを頼む。
向かい合わせに座り笑顔になる。

マリちゃん、会いたかったよ。
レンとは上手くいってる?」

「うんうん。
この間デートした」

アユちゃんはヒロとはどう?」

「夕方から会うよ。
だから、マリちゃんアリバイお願い」

「OKだよ」


アユは私をアリバイに使う。
アユのご主人には、
私と主婦友達であり、
こうして息抜きで会ったり、
たまには私の家に泊まる事もあるほど仲良しと言ってあるらしい。

一応、私の連絡先をご主人には、教えてあるらしいが、
安心材料として使うくらいだそうだ。

実際にはアユが外泊した日に、
私の家に泊まる事になっていても、
連絡をしてきた事はない。

そんなアユが羨ましかった。
彼氏とずっと一緒に夜を過ごし、
朝を迎える事が出来る。
家に帰らなくてもいい日もある。

私は遅くとも終電には帰る。

レンと私のデートは、限りのある時間の中で、
お互いの都合を合わせてだ。

今時の高校生デートより、
もしかすると帰宅時間は早い。
やることは激しくしていたと
してもね。

りある時間を惜しむ様に愛し合う。

ウェイトレスが運んできた、
セットの付け合わせのサラダアイスオーレ。


一口アイスオーレを口に含ませた。

私にとっては、友達とお茶する時間も癒された、
ひと時の時間。


マリちゃん
いつもアリバイ有難うね。
まぁ、旦那マリちゃんに連絡する事は
ないとしても助かるよ」

「万が一の時は誤魔化すけどさ、
アユちゃんとこが羨ましい。
外泊OKなんて」

「ずっと苦労したもの。
お金がなくて、私が働いて家計を支えた事もあるんだもん。
息抜きくらいしないと、ワリが合わないわよ」

「そうね。
そう思うわ。
だけどうちは無理ね。
レンと外泊だなんて夢だわ」

マリちゃん美人だからよ。
美人だから万が一の心配されて、
旦那さん厳しいのよ。
マリちゃんを自分のものにしときたいのよ」

「そんなことないわ。
うちの旦那はそんな男でもない。
もし、仮にそう思うなら、
養ってから言って欲しいわ。
稼ぎがなくて、女房泣かした男は、
浮気されて裏切られても仕方ないわ。
甲斐性がないんだから」

「そうね。
そう思うわ。
お互いの旦那には同情出来ないわね。
マリちゃんも、レンと夜を過ごしたいよね」


「レンと夜過ごしてお泊りなんて、無理だよ。
夢で終わりそうだよ。
でも、叶えたい夢かな」

アリバイならいつでも協力するよ。
マリちゃんの素敵な夜の為に」

「有難う。
アユちゃん」

運ばれてきたピラフナポリタンを半分こにして、
二人は頬張る。

「今日はヒロとどんな風に過ごすの?」

「私はお酒苦手でも、
ヒロは好きだからね。
まずは居酒屋かな?
その後はホテルだね」

「いいな。
ねぇ、アユちゃん。
アユちゃんは旦那さん
バレない自信ある?」

「あるかな。
お互いに家庭がある相手だし、リスクも考える。
バレない様にするのがさ、せめてものルールじゃん。
バレたら相手には絶対迷惑をかけないようにするのもね。
泥沼なんて面倒じゃん。
不倫して離婚して慰謝料なんてさ。
まぁ、そのリスクを覚悟しなきゃいけないんだけどさ、
バレる事なんて考えて、不倫する人って居るのかな?
深く考えないようにしてる。

そういうの‥‥‥‥
現実過ぎてシラけちゃうから」

「ごめん‥‥‥
私はこんなにレンにハマるなんて思わなかったし、
罪悪感はあるんだけど、不器用だからさ‥‥
どうしていいのか?
時々分からなくなるの。」


マリちゃん
私達さ、周りから見たら、
幸せな奥さんかもね?」
アユはニッコリ笑う。
そして話を続ける。

「私達が疲れた主婦に見えないでしょ?

こうして女で居られるのは、
恋をしているからよ。
恋を知らなかったら、
疲れたおばさんになっていたわ。

旦那以外を知らない女。
きっと寂しい女。
義理セックスしか知らないで老けてゆくのね。

いつしか乾いてしまっても、
歳のせいにして生きる。
平凡だけど、マトモな女で終われたかも?

でも、私とマリちゃんは平凡を選ばなかった。
平凡で終わらない相手がパートナーだった。

誰も、不倫を前提に結婚なんてしないわ。

そういう気持ちにさせたパートナーが悪いのよ。
だから、寝取られて泣くならさ、
泣く前に何とかしたら?
って思うわ。
不満があるから離れちゃうのよ」

私はアユ共感する。

そうよ。
不倫なんてしたくなかった。


不倫をする為に結婚したわけじゃない。



アユとこうして話しているだけでも、
罪の意識から解放されて、
仕方がなかったんだって、
そう強く思えた。

マリちゃん
マリちゃんは元々キレイよ。
でもね、出会った頃のマリちゃんより、
今のマリちゃんの方がキレイ
レンと付き合う様になってからの
マリちゃんは垢抜けたよ。
恋は必要だね」

アユちゃん‥‥‥」

マリちゃんは、私の憧れになった。
不倫をしていても、ブスは沢山居るわ。
こんな事を言うと悪口なんだけど、
本当にセックス依存症でさ、
男を漁っているような女って、
どこか卑しいっていうか?
自分をモテているって勘違いしてる女?
そういうの飢えた女豹みたいで、嫌だわ。
テリトリーを荒らされそうで」
アユちゃんはイタズラな笑いをする。

不倫はどっちにしても、悪いわ。
でも、卑しい女になりたくないわ」

「そうね。
アリサみたいなね」
二人は、目を合わせて笑った。



アリサという女は‥‥‥‥

私やアユが遊んでいるチャット部屋で知り合った。
文字で話をしているうちに、オフ会とか女子会などで、
顔を合わせる様になった。

私は部屋で開催されるオフ会などは、
数回参加した事がある。

レンと知り合うまでは、非日常である、
既婚者息抜き不倫相手を求めて参加する、
集いに興味があった。

私も、もう一度恋がしたいという、
野望を抑えられなかった。

アユとも、チャット以外のオフ会で親しくなっていった。
人のいいアユは、オフ会などの幹事もしてくれていた。
アユ彼氏であるヒロは、そのオフ会で会った事がある。

「マリも美人だけど、
俺はアユ一筋だから」
と言い切るような男だった。

アユより二つ年下で可愛い感じの男性。
アユヒロを取られたくないと、いつも心配していた。

女は危機感を常に持って行動する。
恋愛に関してはライバル

いつの時代も自分が一番。


アリサはとても色っぽい女だった。
格別スタイルいいわけではない。
どちらかというと、ぽっちゃりよりも太めな感じ。
ただ、同性から見ても魅力的な体つきなのだ。

出ている部分は出ている。
胸はボリュームのある。
やらしくない程度の巨乳
私生活では子供を産んでいるらしい。
だから、ある程度崩れた部分は仕方ないが、お尻も決して形がいいわけでもないのにエッチな体形をしている。

それは、アリサから醸し出す、雰囲気からなのかもしれない。
顔立ちが色っぽいのだ。
とにかく、同性から見てもセクシーな顔立ち。

大きく表現したら、マリリンモンローを和風にした様な顔立ち。
肩下まであるウェーブの掛かった髪型や少し分厚い唇。
垂れた目のくっきりした二重瞼。

アリサに魅了されて、不倫に足を突っ込んでしまった男を、数人知っている。


不倫って、
おかしな話だけど、
向き不向きがある。

私の様に一途になってしまう女は、
不向きなんだろう。

でも、アリサの様な女は、
不倫向きな女なのかもしれない?

アリサは不満があって、
不倫をしているわけではないと、本人は言う。
旦那も好き。
でも、不倫で知り合う、彼氏も好き。
バランス良く二人の男性が同時に好きで居られるのだ。

「どっちも好きじゃ、
ダメなのかな?」
アリサは言う。

私は、嫉妬深く嫌な部分を見せれば、
アリサの魅力的な部分は認める。

だけど、不満もないのに不倫をして、
外に彼氏をつくり、
セックスを繰り返す、
下半身がだらしない女は、
軽蔑する。

いくら魅力的なルックスの持ち主でも、
卑しい女だと思う。

そんな女に、自分の気に入った男を取られたくない。

笑えるね。

不倫であっても、
恋をする時は女の部分を剥き出しにするんだもん。

マトモじゃないよね?



アリサはオフ会であろうと、
付き合った男との不倫デートであろうとも、
いつも都合を合わせられた。

アユと同じで泊まりもOKであり、
自由に家を出れた環境。

驚いたのは、
クリスマス真近の週末に、
お台場デートに行き、
観覧車に乗ったらしい。

私なら怖くて無理だ。

誰かしらに会うかもしれない。
危機感で楽しめそうにない。
勿論、そんなデートに憧れた。
でも、私はいつも日陰だった。


太陽の下、
手を繋いで、
人目を気にしないデートは、
いくら家から距離があっても、
休日じゃなくても、
レンと歩く事に罪悪感を感じた。


大胆不敵に振る舞う、
アユやアリサのバイタリティーは、
小心者の私にはなかった。


マリちゃん
まだ、胃袋余裕あるならさ、
ケーキセットなんてどう?」

「あ。うん。
食べようかな?」

「奢るよ。
アリバイの御礼にね」

「有難う」

遠慮なく、
モンブラン紅茶のセットを頼んだ。




ケーキセットが運ばれてきた。

アユショートケーキコーヒーのセット。

アユは迷わずいちごから食べた。

「ねぇ、マリちゃん
恋心って、ショートケーキみたいね」

「どうして?」

ショートケーキの飾りって、
いちごだよね。
でも、いちごがなくなったら、
飾り気のない寂しいケーキになる。
それでも私は先に食べるの。
大事ないちごを取られたくないから。
飾り気のないクリームとスポンジは、
いちごを食べた満足感と、
口の中に残るいちごの香りを辿れば、
美味しく感じるわ。
誰にも取られたくないなら、
最初に食べちゃえばいいのよ」

いちごヒロね」

「うん」

マリちゃんいちごはレンでしょ?」

「うん」

「さすがのアリサも、いちごのないショートケーキはいらないでしょ?」

「なるほどね。
アユちゃん頭いいわ」

いちごの味は、
私が知っていればいいの。
甘かろうと酸っぱかろうと」

「そうね」

私はレンとのクリスマス前の情事を、
いちごを見ながら思い出した。

アユと違うのは、いちごを取っておくタイプだった。
ずっと存在を残したくて。
危機感があっても、最後まで持っておきたい。



「私は、マリちゃんみたいに、
美人じゃない。
アリサの様に色気もない。
そんな私が息抜きするには、
我慢をしない事なの。

駄まって指を咥えない。
欲しいものは、欲しいと言う。
好きになったらアプローチするわ。
駄目もとでいい。
でも、振り向いてくれたら、大事にする。

それでも別れが来たら、
きっちり別れを認められるように、ちゃんとする。
引きずらないようにね。
去る者は追わない。
離婚もしない。
上手くやるしかない。
バレないようにふてぶてしくもなる。
夫ともたまにセックスをする。
義務のようなセックスでも、
恋をする為の、アリバイには必要よ。

グッと我慢して、
ヒロとのセックスを思い出すわ。
ヒロに抱かれていると思えばいい。


不倫って、
最も難しい恋愛なの。
どこに愛があるかなんて、
口が裂けても言えないし、
自分の心が悲しいくらい正直。

因果なもんね。
知りたくなかった」


「私もよ。
知らない女性は幸せね。
不倫を嫌悪する、
無縁な女こそ、
一番幸せなのよね」

「ごもっとも!」

「私達、悪魔ね」

「うん。
悪女よ」

私達は笑い合う。
アユちゃんと、普通の友達として出会い
家庭に不満があっても、笑い合い、
お互いの旦那の話で、悪口で盛り上がったとしても、

じゃあね!
と帰る家が温かな家庭だったらね‥‥

良かったのにね。

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