喫茶店仲間と混浴温泉一泊の旅

昔、千歳烏山のジャズ喫茶に通っていた。店に置いてある手書きノートに、客が日記や雑文を書いてあり、私は会社の帰りに店に寄りジャズレコードを聴きながらノートを読み、自分も書くことを楽しんでいた。

ほとんど毎日書いてる大学生の、ジャズプレイヤーやレコードの演奏された時代の話しに関心を持った。

当時私はレコード会社に勤務、自社でもブルーノートシリーズを発売していたから、その店で実際に聴いて名盤と言われたレコードをファンの声と共に実際に確かめることが出来たからかも知れない。

マスターはとても無口で、もしかしたら、私が一方的に話してたかも。交代の店番に青山学院大学の男性学生アルバイトもいて、彼ともジャズの会話をしてた。

そのうちお店に集まるお客さんと一緒に飲み会を楽しんだり、ランチ会を開催したり、楽しい仲間になった。

私は既に結婚していたけれど、子供二人はまだ小さく妻は子供たちの世話で一杯だと思っていて、私は私の時間を単独で使った方が良いと思っていたからかも知れない。

そんな日々の中で、仲間主宰の秘湯の旅に誘われた。
今ではすっかり有名になり、宿も大きな旅館になっている法師温泉長寿館である。

バスを乗り継ぎ半日かけてたどり着いた宿には、古い立派な屋根付きの温泉があった。川の中からお湯が湧き川床のたくさんの石のまま、その上に立派な屋根と木造の館。

毎年OBオーケストラの合宿の帰りにもこの温泉だけ浸かりに来るのはまだしばらく後の話。

混浴ではあるけれど、男性ばかりの温泉に入る勇気のある女性は少ないようで、時々カップルの片割れの女性が、体を隠して来るぐらい。
そんな湯船に、女子高生の団体が入って来た。

続く

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