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成程話:初めて話すと思え

2016年03月30日 09:12

噺家(はなしか)“柳家小三治”さんが高座に上がるとき、いつも自分に言い聞かせる言葉を紹介します。


【仕事に慣れてはいけない。初めて話すと思え】

「自分でも言い飽きてるし、聞き飽きてるんだけど、お客さんは初めて聞くんだと。
自分も今までやったことない。
今日初めて噺をするんだというふうに高座の上で噺をするようにって、四代目の小さん師匠が言っていたと、私の師匠(五代目柳家小さん)から聞きました。
何回くらい聞きましたかね。
飯食ってるときとか、ごひいきのお客さんが集まって一杯やってらっしゃるときとかね。
あるとき、ふっと出てくる。
あ、また言ってる、みたいなね。
そういう格言というか、教えというか、心構えってえのがなぜできたかっていうと、それがいかに難しいかってことでしょう。
それはやっぱり、慣れてなぞってしまう。流すつもりじゃなくても流してしまう。
慣れてしまって、もう大丈夫という安心感で、緊張感というか集中力というか、そういうのが疎かになるということでしょうか。
実は私も毎回それが今の、というか、ずーっと私のテーマですね。
いや、初めて聞いたときは、そんな言葉があんのかって思ったぐらいだったんですがね。
それが段々、重ねるに従って、うわー、大きい壁っていうか、塊って感じで自分の前に立ちはだかってくる。
自分ばかりじゃない。兄弟弟子やら、うちの一門じゃない人たちの噺を聞いてても、結局はそこが大きいなって、大きなお世話ですけど、そう思う。
で、それをクリアーしているときってのは、まだ年数の若い人の噺でも、つい身体が前にのめり込んで噺の世界に入り込んでいくってことがありますね」

「人生と仕事を変えた57の言葉」
NHK「プロフェッショナル」制作班
NHK出版新書より


これは、どんな仕事でも言えることです。
例えば、料理屋さんだったら“料理の説明やこだわり”を、毎日話すことになるかもしれないし、何年も話し続ける必要があるかもしれない。
なぜならお客さんは初めて聞くからです。
例えば、美容室でも、カットのこだわりやトリートメントのこだわりを、何十回も何百回も話すかもしれません。
なぜならお客さんは初めて聞くからです。
そして、その相手によってちょっと変えて話す必要があるのでしょう。
もしそれを「セリフ」として慣れた口調で話したとして、相手に伝わるでしょうか?
伝わるとしたら、(何回も話して言い飽きた)という心の声だと思います。
お客さんは、相手がどんな想いでどんな気持ちで取り組んでいるか位、すぐに気付きます。
目線の移し方や、物から手を放す所作などで、気付いてしまうんです。
良くも悪くも。
それは、家族や毎日顔を合わす職場の仲間へかける「言葉」も同じことが言えますね♪
慣れてしまって、当たり前になってしまうモノほど、本当は大切な人であったり大切な事であったりするものです(*^^*)

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