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出会い系の女102

2013年07月22日 14:56

男は初めて、注文したのが鯛飯だと、気がついた。

メニューの大きい字は見えたが、中身は見えてなかった。

きて、羽釜の思い蓋を開けたら、香ばしいニオイが鼻をついた。

ま、オイシー、

女は言った。

男は、羽釜をカキマワシテ、空気をまぜる。

わたし、タイゴハン、ダイスキー

はい、メデタイ

?????

女は一瞬、、男に顔を向けた。

男はメシをかき回している。

女は吸い物を口にした。

オイシイー

男は言った、

タイ、見当たらないですね、

?????

女はもう一度、男を見た、

ようやく女は、鯛飯を椀に取り、箸をつけた。

美味しいわー

はい、タイはどこかに、きっと隠れてるんですね、

恥ずかしがり屋ですね、

?????

男は、たぶん、鯛の姿見を言ってるのだろう。

4,5人で囲む土鍋に、一匹まるごと大きな鯛が、目を剥き出しにしてる姿は、迫力がある。

男は羽釜の上に、鯛の姿見があると思っている。

しかし、ない。

それでも香ばしいニオイは紛れもない、鯛飯だ。

そうね、タイさん、恥ずかしがり屋さんかもね、

美味しいわー、

女は相づちを打った。女の顔はシアワセになった。


本来、鯛飯は薄味ほど美味しい、

この男が食した鯛飯は死んだ女房が1回だけ作ったものだった。

女房は在所の生まれで、なにぶんと塩加減が濃い。
鯛やスズキは薄味で生きる魚だから、塩加減を濃くしてしまうと台無しになる。
寿司飯でも、女房の作るの酢が飛びきり、濃い。

ご飯も、仄かな甘みがおいしさの秘訣だが、在所ではどうにも、醤油をかけるキライがある。

女房が作った鯛飯を、塩辛いとも言えず、鯛は好きでないと言ったから、
それ以来二度と作らなくなった。

男は、そんなこと、思い出した。

女はウマソーに食べる、

男の少々なトンチンカンな言動は、この鯛飯のうまさで、帳消しだ。

メシをウマソーに食べる女は、セックス大好きな女だ、

男は、本で読んだ。
本には書いてあった、生と性は同根、同じものだって。

一口に言って、健康な女、と言うことになる。

女はメシをよく噛みながら、汁をすすりながら、また、メシをついばむ。

お新香を音を立てながら、ぱりぱりよく食べる、
みててキモチがイイ。

あのオ~

男は聞いた、

タイは好きですか?



わたしは鯛の刺身が好きです。

女は一瞬タイ料理かと思った。

トンチンカンな男だから、女はもしや、と思った。

刺身は、やっぱ、マグロよね、

いえ、いえ、

鯛の刺身はですね、フグに似てるんです。



フグは透き通るくらい薄く切るでしょ、鯛は厚く切るでしょ、

でも、味は同じなんです、なんと言っても安いですしね。

同じ味なら、厚いモノの方がイイでしょ。

?????

女は鯛の刺身なんて興味ない、、食べたことさえ、覚えてない。

刺身マグロに決まってるでしょ、

そう言いたげだったが、口にしなかった。

ズルズル、

男は鯛飯をかき込んだ。

女はゆっくり、口に運んでいる。品がイイ。

羽釜の鯛飯をぜんぶ、食うと、けっこうな量である。

65の男には余る。

よかったら、わたしの、どうですか?

アリガト、

女は男の羽釜から、自分のお椀に入れた。

女はこのトンチンカンな男にラクになっているからだ。

みると、箸を持つ手もキレーだ。女のネイルがウレシソーに踊っている。

デザートアイスクリームが運ばれてきた。

店内は人が混んで、騒々しい。昼時だから、ほぼ満杯だ。
3人ほどの女と男のウイトレス、ウイターが忙しくはし回っている。
駅近のレストランはどこも、同じだろう。

男は、アイスクリームを食べている女に聞いた、

廃墟はどこにあるのですか?

アラッ、

ここに、廃墟はないわよ、

えっ?

工場はあるわよ、

未来廃墟ね、キャハハハ

?????

そうオですか~

廃墟はないですか、

じゃあ、街を散歩しましょーか、

ええ

男は見知らぬ街を見物することに切り替えた。

女は拒否しなかった。

男はコーヒー二つ注文した。

じゃあ、通りを散歩して、けんがくしましょ。

女は頷いた、

コーヒーを二人で飲んだ。

女は別にイヤな風でなさそうだ。

40になるこの女はどうみても40に見えなかった、30前とは言えないが3代前半のようだった。

美人は年齢を拒否する。美人の特権である。

ビジンは目が大きい、この女も目が大きかった。

男は呑み込まれまいと、終始下を見ていた。セフレの女のときもそうだった、
小心者である。

小心者は、時として、大胆になることがある。

女はコーヒーを飲んで、気持ちよくなっているときに、

男は、トイレに行くついでに、耳元でささやいた。

おまんこしたい、

エッ?

女は飲み終えたからのコーヒーカップを倒してしまった。

振り返ると、男は消えていた、

女のコンピューターにほんのわずかに、ズレが生じた。

店内の大勢の人の声が大きく聞こえた。

目の前の男は、なに言ったんだろ、

女はそう感じた。

男はトイレから戻って席に着いた。

今日は、いい天気ですね。

・・・・・・

でましょか。

男は伝票をとりあげ、レジに向かった。

女と男は店の玄関先に立った。

男は女の手を握ぎった、

女に一瞬、電流が走った。

女は振り払った。

男はまっすぐ歩き始めた、女もついて行った。

女のアタマに、10m先の交差点ラブホテル看板が見えた。

女のシンゾーが、ドッキン。

交差点が近づくに連れ、脈が速くなった。

女と男交差点を過ぎた。

フッー

女はため息をついた。

男は言った、

やっぱ大きい街ですね、人が一杯いますね。

・・・・・・

男のあの囁きを聞いてから、女は変わった。

快活さは消えた。

下向きに歩き始めた。

10m先にまた、ラブホテルがあった。

近づくに連れ、また、ドキン、ドキン、

脈打った。

二人はそのまま通り過ごした、

女は、だんだん、持ち前の快活さが出てきた。

公園にでも行きますか?

女は頷いた。

男が手を握ったら、今度は拒否しなかった。

しかし、まづい、

だれかに見られたら、女はすぐ、手を振り払った。

こういう場合、
女と男ラブホテル安全地帯に駆け込むのが、一番安全だ。
しかし、この女と男ラブホテルが遠い。

そんなことは気にする必要がない、大都会の人混みはあらゆるイイ訳を用意する。

そうだ、

男は言った。

美術館にいきませんか?


えっ?

女はビックリした、ラブホテル美術館

キツネにつままれたような感じだった。

電車に乗って、10分もすると、美術館に着いた。

ムカシ、男は暇のとき、上野近代美術館や地元の美術館に通って、暇を潰した。
美術品がなんであるかカンケーナイ、
タダ、あの醸し出す、雰囲気好みなだけだ。

女と回廊を巡り、展示品をみる。

また、手を握った、今度は拒否しなかった。

女の手は汗ばんでいた。

男は、また、ささやいた。

絵を見ると、興奮するんです。

女は、いきなり、手を振り払った。

男は言った、

こんなところに春画なんてないですよね。

・・・・・・

アレって、芸術品ですよね、

・・・・・・

わたしは、北斎春画好きです、

・・・・・・

歌川国芳もイイですね、

・・・・・・


一体この男はなに考えているのだろうか。


美術館を出てから、

男は言った、

さあ、帰りますか。

男は新幹線にい向かった、女もついてきた。

送りますわ。

ありがとうございます。

3時過ぎていた。

新幹線のプッラットホームで二人で待っていると、
流れるように新幹線が入ってきた。
すーっとドアが開いた、

男は踏み出したしたとき、

女は、ささやくように、言った

おまんこは?

えっ?

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