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成程話:戦略思考トレーニング

2013年06月15日 00:12

鈴木貴博氏の心に響く言葉より

世界的な戦略コンサルティング会社・ボストンコンサルティンググループ創業者ブルース・ヘンダーソンは「常識的な行動をとったりとらなかったりする企業は、常に合理的な行動しかとらない企業に対して優位に立つことができる」と語っていたものです。
最近のビジネスの世界で襲い掛かってくる強い競争相手は、往々にして常識を捨て去るところから攻めてきます。
誰もがビジネスルールとはこういうものだと長年の商習慣にどっぷりとつかっているときに、非常識ビジネスアイデアを伴って参入してくるのがイノベーターというものです。
アップルiPhoneを始める前は、携帯電話は押して使うものだと誰もが思っていました。
アプリダウンロードして画面をタップして使うスマホの常識もiPhone登場以前は非常識なことでした。
電車に乗るのは切符がいるという常識にとらわれているとSuicaの出現にびっくりすることになります。
それも切符だと考えていたら大間違いで、鉄道会社の発行するSuicaが電子マネーとして金融決済手段の主流になるなんて金融機関の人は考えていなかったはずです。
しかし一方でビジネスの世界では常識は大切です。
誰だって非常識ビジネスマンと仕事をするのは嫌なことです。
だからほとんどのビジネスマンは常識の世界で頭を使うことに慣れているのです。
ここに、普通のビジネスマンが戦略的思考の訓練をするのが苦手な最大の理由があります。
普段は常識的に仕事を進めながら、戦略を考えるときだけ非常識に脳を使わなければならない。
だから日常の中で少しずつ常識を超えて戦略思考を鍛える訓練をする必要があるのです。
そこで…
■問題①
アメリカケチャップのトップブランドハインツがあります。1970年代ハインツライバルケチャップ会社に猛烈に追い上げられていました。
理由はハインツケチャップ伝統的なガラス瓶の容器に入っているために振ってもなかなか出てこないから使いにくいと消費者が離れ始めていたのです。困ったハインツがある広告をうったところ、再びライバルを引き離すようになります。
その広告とは何と宣伝したんでしょう?
その答えは…「ハインツケチャップは中身が濃いのでなかなか瓶から出てきません」
逆転の発想とはこういうことを言うのでしょうね。
それまで瓶を振ってもなかなか出てこないケチャップに嫌気をさしていた消費者が、この広告を見た後は瓶を振りながら「ほら、なかなか出てこないこの濃さがおいしいんだよ」などと言い出したそうです。
■問題②
アメリカカジノでは不正を防止するためにたくさんの監視カメラで遊技場を監視しています。
ハラーズというカジノ運営会社ではこの画像データを測定することで顧客満足度を上げるための材料にしています。あるものの数を数えてその数が多いほど顧客満足度が高いことがわかったそうですが、ハラーズの責任者が数えているものとは何でしょう?
その答えは…「従業員笑顔カジノでの顧客満足度を調べた結果、“賭けに勝つこと”よりも、“従業員笑顔”の方が重要であることがわかったそうです。
だからハラーズでは監視カメラの映像から従業員笑顔の数を数えるようになったのです。
そのことを徹底した結果、ハラーズが運営するカジノを訪れる顧客は10分に1度、従業員からにっこりとほほ笑みかけられているそうです。

『戦略思考トレーニング』日経文庫


同じものを見ても、何も気づかない人もいれば、そこに大成功の種を見つける人もいる。
異なる見方、違った発想、気づき、分析力…昔も今も、一見非常識に見えるような「戦略的思考」の有無が、事業や組織や、国の盛衰を決める。「戦略的思考」を身に付けるには、できるだけ他業態の多くの事例を知り、それを自らの事業や組織に落とし込み、実行すること。
非常識な考え方は、失敗する率も高いが、何もしなければ何も生まれない。
繰り返し、やり続けるしかない。
戦略的思考を磨き、常識を超えたアイデアをひねり出したい。

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