走っていたい。

ずっとずっと走っていたい。でもそれでも今はそれが恐くて立ち止まっている。振り返ってみれば、決して無駄じゃないはずのその５年間が輝いてみるようにも見えるけど、でもそれは一体なんだったんだろうって思ったりもする。手が動かない、足が進まない、身体が、強張っている。それでもキモチだけは先走り、焦る。

早くやれよと命令するあたし。
辞めておけと命令するあたし。

あたしはどっちに従えば良いのか、たったそれだけの事だけどあたしはそんなくだらないことで悩んでいる。あたしはやりたい。今ここで辞めてしまえばその５年間に出逢った彼女たちをすべて否定してしまう事になる。でもその彼女たちは、誰かの所為で否定されてしまっている。かといってあたしまでもが否定してしまえば彼女たちが本当に可哀想う。あたしは彼女たちにどれだけお世話になってきたか。
悲しい時は一緒に悲しんでくれた。
楽しい時は一緒に笑ってくれてた。
悔しい時は一緒に悔やんでくれた。
嬉しい時は一緒に喜んでくれた。
そんな彼女たち。おそらく彼女たちが居なければあたしは存在しないだろう。もっと違う道へと進んでいただろう。そんな出逢いだ、彼女たちは。
今あたしはどうすればまた彼女たちと笑えるのだろうか。前に進むしかないのかもしれない。でも、足は今なお動かず、固まっている。