黒で彩られた風景

犬の遠吠えさえ聞こえぬ静まりかえった雪の宵闇、
さほど広くはない畳の間
雪見障子から差し込む青白い月光、、
欄間から流れる夜気が一本の和蝋燭の炎を揺らす、

床の間の脇にそそり立つ床柱に
緋色に染められた麻縄で緊縛されている黒襦袢の姿、、
襟は大きくはだけられ
裾は割られ白い肌が露わになっている、、

少し震えているのは
深く積もっている雪がもたらす寒さだけのことだろうか、、
伏せた顔からは
噛みしめて紅色になっている唇が伺えるだけ、、

チチッ、
蝋燭の紙縒が時折
たてる音以外は聞こえぬ静寂に包まれた青白い部屋、、

男はゆっくりと
黒光りする張形を握り
襦袢を払い
白い太腿を大きく割る、、

ハウッ、
白い息と共に不安とあきらめが吐き出される、、
男のごつごつした手がかかり
露わになった女淫からは
淫らな匂いが漂いはじめる、、、