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「平原の町」 コーマック・マッカーシー著

2009年10月19日 01:42

「平原の町」 コーマック・マッカーシー著

コーマック・マッカーシー国境三部作の最終章がこの「平原の町」です。
これまで「すべての美しい馬」「越境」と読んできながら、この「平原の町」はずいぶんと時間がたってから読むことになってしまいました。
 国境三部作はすべて、アメリカの南西部とメキシコ国境付近を舞台にしているだけではなく、「平原の町」ではそれ以前の主人公たちが一緒に出演します。
 すなわち、「すべての美しい馬」のジョン・グレイディ・コール、そして「越境」のビリー・パーハムです。「平原の町」では、10歳近く年上ビリーが若いジョンの一途な行動を心配することになります。
 ジョン・グレイディの性格は「すべての美しい馬」の時と変わらず直情で、今回も、メキシコ売春宿にビリーに連れられて行き、そこで一目見た若い娼婦マグダレーナ(まだ16歳!)に恋してしまうのです。
 娼館を経営するエドゥアルドもまた、この娼婦マグダレーナに恋しているようで、誰かに取られるなら彼女を殺す気でいます。
 一方、思い込んだら一途なジョン・グレイディはビリーや雇い主のマックのなかば呆れられながらの理解(?)を得て、いよいよマグダレーナと結婚しようとするのですが・・・。
 
 コーマック・マッカーシーにつきものの暴力のシーンはラストに出てくるくらいです。
 むしろ、やはり彼の小説の魅力である、通りすがりの人による、夢の話、そしてその夢の話を通して得られる人生の意味の考察などがふんだんにあります。
 悲劇ではあるのですが、小説を読み終えて、人生に対する作者の諦観に共鳴してしまい、むしろカタルシスを感じてしまいます。

 もうすぐBlood Meridianが翻訳されるそうです。これも期待できます。

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